月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索 (34)HTMLとはなにか。だれが決めているのか。

来る10月12日(火)16時からの「ちょっと一息・アンテナハウスウェビナー」は、

WordでHTMLを書けたらスゴイ!という題で、Microsoft Wordで書いた文書からWebページ(HTML)を作るというトピックで開催する予定です。

次の画像をクリックするとウェビナー案内ページが開きます。

関心をお持ちの方は、ぜひ、ご参加ください。

さて、このブログをお読みいただいている方でHTMLという言葉を知らない人は少ないと思います。しかし、HTMLという言葉を知っている人でも、HTMLとはどういうもので、どのように使うのか、そもそも誰が決めているのか? について詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。そこで、まずHTMLとはなにか。誰が決めているのか。について極簡単に紹介してみます。

HTMLの概念はWebとともに誕生したものです。Webの基本概念を作り出したのはTim Berners-Leeです。彼の書いた“Weaving the Web”という本によると、1990年頃からWebを構成する3要素であるURL(資源の場所を特定する)、HTTP(通信規約)、HTML(ハイパーテキスト記述言語)を構想したようです。

Webが世間に登場したのは1990年代前半ですが、Webが一般に流行りだしたのは、1990年代後半です。ちなみに、アンテナハウスのWebサイトは1996年に開設しました。

そのころからW3C(Tim Berners-Leeが中心になって設立したWeb標準化コンソーシアム)でHTML拡張と標準化がすすめられました。

HTML3.2 (1997年1月W3C勧告、2018年3月に譲位)
HTML 4.01(1999年12月W3C勧告、2018年3月譲位)
XHTML1.0 (2000年1月W3C勧告、2018年3月譲位)
HTML5(2014年10月W3C勧告、2018年3月譲位)
HTML 5.1 (2016年11月W3C勧告、2017年10月第2版、2021年1月に譲位)
HTML5.2(2017年12月W3C勧告、2021年1月に譲位)

譲位という概念は難しいですが、W3Cの勧告が放棄される状態は次の3種類があると説明されています。

W3C勧告の放棄

W3C勧告の放棄


W3C Process Document、6.2.12.3. Abandoning a W3C Recommendation

ここではSupersededの状態を譲位と表現しました。譲位された仕様の参照先はすべて、HTML Living Standardとなっており、HTML Living StandardがWebページを記述するための、現在有効な唯一の仕様となります。

この10年ほどHTML5という言葉が、Webページの代名詞になっていました。W3Cの仕様ではHTML5という言葉が仕様の名前として使われています。

それに対して、HTML Living StandardのページではHTML5という言葉は、現代のWeb技術を表すバズワードであるとされています。
1.2 Is this HTML5?

HTML5はもはや特定のHTMLを示す用語ではなくなったことになります。

また、HTML Living StandardではXHTMLという用語はなくなってしまい、代わりにHTMLをXML文法で書く方法が規定されています。

1.8 HTML vs XML syntax

30年で、Webを支える技術の一つであるHTMLを制定する枠組みが、大きく変わったと言えます。

ところで「譲位」という用語は不適切という意見もいただきましたが、W3CはWebの帝王だったので。
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◆前回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索 (33)Word文書からWebページ(HTML)変換について考える
◆次回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索 (35)Word でリッチなHTMLを作成しよう

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