あらゆる文書には構造がある?

原稿に見出しをつけると、階層構造が分かりやすくなって読み易くなります。というようなことを前回書きました。⇒構造化文書とは何か?

構造化文書をつくるときは、あらかじめ構造を規定し、その構造に従って文書を編集します。では、逆に普通に書かれた任意の文書を構造化できるでしょうか?

編集者の仕事についての本を読みますと、原稿には、内容順序(前付・本文・後付など)があり、また、一般の著作物では、章・節・項というような構成があり、大見出し・中見出し・小見出しをつけて整理するとあります。(『原稿編集ルールブック』日本エディタースクール、2005年3月11日、p.8 C項による)。

そうしますと、著作物の多くは、内容順序や階層の構成をもたせることができるはずです。こうして整理された原稿には整理したような構造があるといえます。

著者から提出された原稿をもとに、内容順序や階層化した見出しを付けるのは編集者の仕事のひとつでしょう。出版に値する原稿の多くは、こうした整理ができるでしょうから、あらゆる文書には構造がある、とはいえないにしても、出版された文書にはそれなりの構造がある、といえるでしょう。

さて、文書に、こうした構造を付与したのが原始的なマークアップです。⇒マークアップとは

しかし、このような原始的なマークアップでは、原稿=文書毎にばらばらに、アドホックになってしまいます。1冊ずつ本を作るにはこれでもいいでしょうが、工学的に扱うには不十分または不経済です。

これを科学的=工学的に行うことを考えるのが、構造化文書の技術です。そのためには、マークアップ方法のルール化、次に標準化が必要でしょう。




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