電子書籍関係の用語についてのメモ

○電子媒体と印刷媒体の関係
印刷媒体である書籍、雑誌、新聞は情報の内容、印刷・流通技術、ビジネスモデル、マーケティング方法がかなり違います。書籍、雑誌、新聞の紙のモデルをそのまま電子機器の上に継承して実現することできるかは未知数です。でも当面は、電子書籍、電子雑誌、電子新聞は、紙のモデルを継承したものとして定義しておきます。将来はいづれそれぞれ紙媒体とは異なる姿になっていくのかもしれません。
 
○書籍(紙)
書籍とは思想・情報に関する言語表現をある方針で編集した、ある厚さ(表紙を除き、49頁以上)をもつ不定期刊行の冊子のことを言います。
 
○電子書籍
電子機器で閲読される利用方法を想定してパッケージされ配布される書籍のデータ。このような定義では、例えば、印刷を目的として発注元から印刷会社へ受け渡されるPDFは電子書籍には分類されません。電子書籍というとき、電子雑誌や電子新聞を含んでいることもありますので注意が必要です。
○ePub
ePubは電子書籍の情報パッケージ形式の一種で、電子機器の上のePubリーダで閲読します。
ファイル形式の仕様はInternational Digital Publishing Forum (IDPF) が策定しています。
 
○Webページと電子書籍の関係
Webページは、インターネットに接続された状態の電子機器の上で、主にブラウザを使って閲読するもの。ブラウザはページの概念を持っておらず、ブラウザの表示は長い巻物の一部を画面をずらしながら見ていくやり方です。
電子書籍はパッケージされた状態で配布されており、オフラインで見ることができる点で、Webページとは異なります。電子書籍の閲読は画面を1ページとして割り当ててページを捲るように見ていく方式が主流です。
 
○組版
組版は文章や図・表などを配置して印刷のための版を作成することです。組版においては版の大きさ、特に版面設計が非常に重要なポイントとなります。紙のサイズには一定の規格があり、本の大きさ(判型)の種類は限られています。また一つの書籍では判型は固定です。
○電子書籍と組版
電子書籍に関する最近組版という言葉を議論でも見かけます。しかし、電子書籍では、電子機器のディスプレイのサイズや解像度はばらばらです。電子書籍のリーダは画面のサイズに合わせて、文章を最適表示します。読者が文字の大きさを指定することとも可能です。このように画面に可視化する処理と判型を固定した上で、文字や画像を配置する印刷組版とを同一に組版と言う言葉で表すのは違和感があります。電子書籍の表示はレンダリングという言葉を使うことを提案します。
○印刷
印刷は文字通り紙に出力することを示します。書籍は、通常、印刷会社で印刷しますが、今後は、書籍をPOD(プリント・オン・デマンド)で印刷することも増えていくと思います。




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