中堅・中小企業は2024年1月から施行される電子取引データ保存にどう対処するか

2年ほど前のことですが、電子帳簿保存法が2021年に改定されました。その第7条で国税関係書類の保存義務者が電子取引を行ったときには、取引データを書面に印刷して保存できず、デジタルで保存しなければならないと義務付けられました。

それに基づいて、主に弊社のような小規模な企業が、電子取引データ保存義務にどのように取り組んだら良いかを検討し、「中堅・中小企業は2022年1月から施行される電子帳簿保存法第7条電子取引データ保存にどう対処するか(考察)」(2021年11月2日、2021年12月15日税制改正大綱について追記)をまとめました。

本文はWebページで公開していますが、これから書き直す予定なので、現状の内容をPDFに印刷したものを次にリンクしておきます:
電子帳簿保存法第7条電子取引データ保存について – アンテナハウス(資料1)

本資料を公開後の2021年12月27日公布の財務省省令(施行規則)で宥恕措置が導入されました。こうして、電子取引データのデジタル保存義務開始は実質的に2年延期され、2024年1月からとなりました。2024年1月施行で、どのような変更があったのかは、これまでの本ブログで細かく紹介したとおりです。

いままで本ブログで紹介してきた財務省令の変更ポイントを改めて見直し、一番大きな変更点をあげるとすると次になります。

「電子データによる保存が間に合わないときは、保存要件に関わらずデジタルデータを保存しても良い。」

当初の資料1では、どのようにしたら施行規則(4条1項)で定められている保存要件を守って保存ができるかという点に絞って、検討しました。

ところが、2年延期の末に、施行規則の方に「保存要件に拘らないで保存しても良い」という正反対ともいえる規制項目が追加されてしまったということになります。

もちろん、従来どおり保存要件を満たす保存もできます。

なお、既に保存要件を満たす保存をしている場合は、システム更新によって保存要件を満たさない保存に変更することは認められていません。(一問一答 問63)

あらたに電子取引データを保存する人たちだけですが、保存要件に拘らない電子取引データ保存も可能になるため、2021年11月に作成した上記資料1は見直しが必要となりました。現在思案中です。

こうして、だんだんと話が複雑になりますが、なんにしても対処策の改定が必要となっています。

前回:2024年1月から義務化される電子取引データのデジタル保存用に最適『電子取引Save V2.0』を9月リリース予定
次回:2024年1月から電子取引データのデジタル保存を始める場合の最適な対応方策は?

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