タグ別アーカイブ: PDFの加工

PDF Tool API でPDFを軽量化する(画像のダウンサンプリング)

PDF Tool APIを利用したPDF加工の解説本、PDF CookBook 巻1巻2巻3が現在好評発売中です。
各種ドキュメントのPDFへの変換ならばともかく、『加工』と言われてもイメージが湧きにくい方もいらっしゃると思いますので、CookBookに収録された加工機能の一部を紹介したいと思います。
今回は「画像の最適化(ダウンサンプリング)」をご紹介します。
この機能は端的に言うと、PDFの軽量化に用いる機能です。

画像の最適化(ダウンサンプリング)

「画像の最適化」はPDFに含まれている画像に対しダウンサンプリングをしたり圧縮をかけることでドキュメントの容量を抑える機能で、今回紹介するのはその中のダウンサンプリングです。

PDFドキュメントは入力画像をそのままドキュメント上に配置することができますが、反面、大きい画像が多い場合などにサイズが非常に大きくなってしまいます。
特にファイルサイズがかさんでしまう例としては、サムネイルとして利用したいだけの画像なのに不必要に高精細な画像を用いてしまった場合で、画面上では小さく見える画像がファイルサイズを圧迫してしまうことにになりかねません。
そのときに有効なのが画像のダウンサンプリングです。

■ 画像のダウンサンプリングのオプション
PDF Tool APIでは多数のオプションを細かく設定することで用途に応じた適切な画像のダウンサンプリングができます。
画像のダウンサンプリング時に指定できる数値のうち、代表的なものは以下のような項目です。

  • ダウンサンプリング方法
  • ダウンサンプリング後のPPI値
  • ダウンサンプリング対象画像の最低サイズ
  • ダウンサンプリング対象画像の最低PPI値
  • ダウンサンプリング率の下限値
  • ダウンサンプリング方法:
    バイリニア法、バイキュービック法、ニアレストネイバー法の3種からダウンサンプリング方法を選択できます。これらの画像サイズ変更アルゴリズムは一長一短があり、用途によって使い分けることでダウンサンプリングの粗が目立たないようにすることができます。
    (※バイリニア法、バイキュービック法、ニアレストネイバー法の違いについてはこちらのサイト《画像サイズと解像度・再サンプル ―Adobe Photoshop マニュアル》に詳しい説明があります。)
  • PPI値:
    画像の解像度を下げるために、目標のPPI値を設定します。PPIとはpixels per inchの略です。
  • 対象画像の最低サイズ:
    小さい画像をダウンサンプリング対象にしないよう、画像の幅・高さの下限値を設定します。
  • 最低PPI値:
    PPIが小さすぎる画像をダウンサンプリング対象にしないよう、対象画像のPPIの下限値を設定します。
  • ダウンサンプリング率の下限値:
    ダウンサンプリングをしすぎて画像が粗くなりすぎないよう、ダウンサンプリング率の下限値を設定します。

■ ダウンサンプリング以外の最適化
画像の最適化は大きくカラー画像・モノクロ画像・グレースケール画像に対して実行でき、ダウンサンプリング以外にも画像にJPEGなどの圧縮をかけることもできます。

最後に

今回紹介した「画像の最適化」についてはそれぞれの項目についてPDF CookBook第3巻でサンプルプログラム付きで詳しく紹介しています。PDFを扱うプログラマーやエンジニアはもちろんですが、企画・営業担当の方でもPDFの豊富な機能や使い方についての知識やアイデアが得られるでしょう。

また、今回取り上げたトピック以外にも、PDF CookBookでは様々な加工方法を紹介しています。
それぞれ、
PDF CookBook第1巻では
・ページの順序、サイズの設定
・本文への文字・画像・他のPDFのページ要素挿入
等の内容について、
PDF CookBook第2巻では
・パスワードによるセキュリティ設定
・透かし機能の追加
・しおり情報の編集・作成
等の内容について、
PDF CookBook第3巻では
・PDF内のテキスト検索
・PDFの最適化
・範囲を指定した内容データ削除
等について解説しております。

その他のシリーズ既刊本はHTMLで全文公開しておりますので、ご興味のある方はこちらもご覧ください。

HTML版 PDF Cook Book
『PDF CookBook 第1巻』
『PDF CookBook 第2巻』
『PDF CookBook 第3巻』


PDF Tool API を使ってみよう(印鑑をPDF上に設定する)

現在PDF CookBook 巻1、巻2が現在発売中です。
この本は弊社製品PDF Tool APIを使ってできるPDFの加工について実例を挙げながら解説した本です。『PDFへの変換』はともかく、『加工』と言われてもイメージが湧きにくい方もいらっしゃると思いますので、今回は「印鑑をPDF上に印字する」という加工を例に取り、この本及びPDF Tool APIの内容を少し紹介してみたいと思います。

今回印鑑を貼り付ける対象として以下のPDFデータを用意しました。
receipt (PDF)

「印鑑をPDF上に印字する」という同一の目標のためにPDF Tool APIでは、以下の3種類のアプローチができます。

◆ 1.画像ファイルで指定する

印鑑画像をPNG形式で用意し、それを対象PDFに貼り付ける方法です。貼り付けた状態が以下の画像です。
PDF Tool API PNG01 (画像はPNG形式以外も指定可能ですが、白抜き部分の透過情報を保持できないbitmapやJPEGなどは後ろに文字などが入ると文字が消えてしまうため、避けた方が無難です。PDF Tool APIが対応している画像ファイルは、bitmap/JPEG/PNG/Tiff/マルチページTiffです。)扱える画像がビットマップ画像でベクター形式ではないため、拡大するとジャギー(ギザギザ部分)や元画像が持っていたにじみが見えてしまいます。
PDF Tool API PNG02

画像ファイルで指定した場合のメリットは

  • 画像データで印鑑を用意するサービスが多く、印鑑データを作成・加工しやすい
  • PDF Tool API側で透明度を指定することができるため、印鑑部分を半透明にできる
    といったものが挙げられます。

今回は以下の印鑑画像ファイルを指定して貼り付けました。
PDF Tool API PNG03

◆ 2.ステンシルマスクで指定する

ステンシルマスク機能を利用して、印鑑を描画する方法です。
印鑑画像の印鑑部分が黒、白抜き部分を白で塗ったモノクロbitmapデータを用意し、ステンシルマスクに使う色を印鑑の朱肉の色(色は任意指定可)で指定して対象PDFに貼り付けると、以下の画像のように印鑑を再現することができます。
PDF Tool API masking01
こちらもマスク指定する画像がビットマップ画像のため、拡大するとジャギーが見えてしまいます。PDF Tool API masking02単一色での塗りつぶしのため、にじみは生じていません。
ステンシルマスクで指定した場合のメリットは

  • bitmapで指定するためににじみが生じない
  • 透明度及び透過に関する情報を扱わないため、PDF1.3のPDFに対しても互換性を保ったまま加工することができる。

といったものが挙げられます。
(※ PDF各バージョンにおける描画関係の違いについては、こちらのサイト《PDFのバージョンと各バージョンの特徴と解説―吉田印刷所》に分かりやすい表が掲載されています。)

今回は以下のモノクロbitmapデータをステンシルマスクで指定しました。
Masking_stamp.bmp (ZIP)

◆ 3.PDFで指定する

ベクタ形式で用意した画像をPDFに変換し、それをPDF Tool APIで貼り付ける方法です。貼り付けた状態が以下の画像です。
PDF Tool API PDF01 PDFの作成にひと手間必要ですが、ベクタ形式画像を用いているため、このように拡大してもジャギーは生じません。
PDF Tool API PDF02

PDFで指定した場合のメリットは

  • ベクタ形式のため拡大してもにじみが生じない
  • PDF Tool API V6.0 であれば印鑑部分を半透明で描画することができる

といったものが挙げられます。

今回は以下のPDFファイルを指定して貼り付けました。
PDF_stamp (PDF)

今回、印鑑の貼り付けをテーマにPDF加工法を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
このようにPDF Tool APIでは目的に応じて様々な形式で画像を扱うことができます。
「1.画像で指定して印鑑を描画する」及び「3.PDFで指定して印鑑を描画する」についてはPDF CookBook第1巻でサンプルプログラム付きで紹介しています。
また、今回取り上げたトピック以外にも、PDF CookBookでは様々な加工方法を紹介しています。

それぞれ PDF CookBook第1巻 では

  • ページの順序、サイズの設定
  • 本文への文字・画像・他のPDFのページ要素挿入

等の内容について、PDF CookBook第2巻 では

  • パスワードによるセキュリティ設定
  • 透かし機能の追加
  • しおり情報の編集・作成

等について解説しております。

それぞれアンテナハウスオンラインショップ及びAmazonpプリントオンデマンドにて好評販売中です。
また、現在、PDF CookBook第3巻も社内にて鋭意製作中です。
ご期待ください。


「PDF CookBook」と「製品ナビゲータ」

S1 営業グループでは、今年に入り新しい事をいくつか始めております。
そちらをご紹介いたします。

1.「製品ナビゲータ」のご紹介

製品ナビゲータは、今までにいただいた弊社製品、及びその利用方法へのお問い合わせをQ&A 方式で公開しております。特に多いのが、PDF を利用する際のお問い合わせです。PDF に関しては、既に作成するためだけでなく、「既存の PDF を如何に利用するか」がメインテーマとなってきています。弊社では、主に自社製の PDF 関連ライブラリーを多数所有しておりますので、その組み合わせで色々なご要望にお答えできます。
是非、ご一読ください。

2.「PDF CookBook」のご紹介

前項に関連して、PDF の利用方法を料理方法に見立て、様々な問題を具体的に解決するための指南本です。既に第一巻が出版され弊社オンラインショップやアマゾン等で販売されております。
掲載内容は、大きく分けますと「第1章 PDF 文書のページ」「第2章 PDF 文書の本文描画」となっており、それぞれの章で PDF の加工や編集に関する内容を Java プログラムのサンプル付きで説明しております。中身は、プログラマーのみならず、営業や企画担当者でも咀嚼しやすい内容となっております。きっと、エンドユーザ様へのご提案にもお役立ちするものと思っております。
また、2018年 5月 9日から開催される「第 27 回ソフトウェア&アプリ開発展」(通称 SODEC)で弊社ブースへお越しいただきお名刺の交換をしていただければ「PDF CookBook 簡易版」をご提供いたします。

以上です。

今回ご紹介したコンテンツ以外にも、様々なコンテンツを準備しています。
ご期待下さい!


第27回 SODEC へ出展

2018年 5月 9日から開催される「第 27 回ソフトウェア&アプリ開発展」(通称 SODEC ) にアンテナハウスは今年も出展致します。

PDF を作成するだけではなく、今ある PDF の再利用をテーマに PDF Tool API をご紹介いたします。また、PDF 変換などを行う各種システムコンポーネント製品など、企業内のシステム構築のための様々な支援ツールを、システム開発者、システム・インテグレータ向けにご紹介いたします。

また、弊社ブースへお越しいただき、お名刺の交換をさせていただいた方には、『PDF CookBook Vol.1 簡易版』をご提供いたします。

■ ご紹介製品


  • PDF Tool API V5.0

    ページ結合・分割、しおり・注釈編集などの PDF 加工機能を行う API です。
    ブラウザからの呼び出しでの利用方法をデモします。
    https://www.antenna.co.jp/ptl/

  • AH Formatter V6.5

    XSL-FO を忠実に実装し、日本語組版など多くの拡張機能で商品レベルの書籍組版ができます。
    https://www.antenna.co.jp/AHF/

  • PDF Driver V7.5 【New !】

    GDI 型の仮想プリンタドライバと、これを制御する付属 API のセット製品です。
    https://www.antenna.co.jp/pdv/

  • Office Server Document Converter

    Microsoft Office がインストールされていない環境でも、Word/Excel/PowerPoint 等の文書をPDF/SVG/TIFF/JPEG/PNG/TIFF/INX/XPS ファイルへダイレクト 変換するライブラリです。
    https://www.antenna.co.jp/sbc/

  • PDF Server

    画像データや MSOffice 文書から PDF を生成し、イントラネットで配信したり、 各種グループウェアへ自動登録を行うサーバソリューションです。
    https://www.antenna.co.jp/psv/

  • PDF Viewer SDK

    PDF の表示と編集の専用アプリケーション開発用ライブラリです。
    https://www.antenna.co.jp/oem/ViewerSDK/

  • その他

    PDF を Office 文書や XML データに変換、PDF 内の画像を抽出する各種ライブラリをご紹介します。

ご来場される際には、是非とも弊社ブースへお立ち寄りください。

■ 展示会詳細とアンテナハウスブース


「第27回ソフトウェア&アプリ開発展」 http://www.sodec.jp/
会期:2018年5月9日(水)~2018年5月11日(金)
10:00~18:00(11日のみ17:00終了)
場所:東京ビッグサイト
★アンテナハウスブース:東1ホール 東8-31