アクセスブルなPDF(第1回)

こんにちは!
初回は、アクセスブルな PDF の概要を紹介します。

PDF は、障害を持つユーザがドキュメントを利用しやすくするために、いくつかの機能を持っています。
多くの視覚障害を持ったユーザは、ドキュメントを読んで、音声に替えるスクリーンリーダを使用します。

PDF は、スクリーンリーダが適切な発声をするために、次の四つの機能をサポートします。

  1. PDF ドキュメント内のテキストに対して自然言語を指定することができます。
    (自然言語とは、日本語、英語、スペイン語等です。)
  2. イメージなどのテキストに翻訳されないオブジェクトに、代替テキストを指定することができます。
  3. リガチャ(合字)、イルミネーションテキストなどに、代替テキストを指定することができます。
  4. 略語やイニシャルに対して、展開形式のテキストを指定することができます。

アクセスブルな PDF を実現するための、最も中心的な PDF の仕組みは、次の二つです。

  1. タグ付き PDF であること。
  2. ページのレイアウトから独立して、PDFドキュメント内のコンテントが、論理的構造順に取得可能であること。

アクセシビリティアプリケーションは、障害を持つユーザのために、構造階層のノードを自由に行き来して、ドキュメントの情報を抽出します。アクセスブルな PDF とは、構造階層経由で、ドキュメント内の全情報を取りだすことができなくてはなりません。

テキストはタグ付き PDF から抽出することができます。
取り出したテキストは、アクセシビリティ以外の目的のために検索したり、再使用することができます。

Web 上のコンテントのアクセシビリティサポートのためのガイドラインは、W3C ドキュメント Web Content Accessibility Guidelines で説明されています。

以上、アクセスブルな PDF の概要です。