2008年07月05日

Acrobat9 の評価版 インストールできず

Acrobat 9の30日間評価版のダウンロードが始まっているというので、ダウンロードしました。

それにしてもファイルがでかい。ダウンロードファイルが800MB以上あります。ダウンロードが完了するまえに、打ち合わせができます。そして、ダウンロードファイルを解凍してCABファイルにするのに5分位かかります。

200807051.JPG

それは良いのですが、インストールできません。
20080705.JPG

何回か繰り返して見ていますと、何かアプリケーションを削除しようとして、その直後に上のエラーが出ます。(次の画面が瞬間的に表示されて、その後に上の画面のエラーになります)。
200807053.JPG

その前の画面で、Acrobat 8 Professionalを、削除するかどうかを聞いてきますが、この画面では、インストールしない(無視)を選んでいます。
200807052.JPG

ちなみに、削除しようとしているアプリケーションが何かを、RegEditで検索してみますと、Acrobat 8のInstallerの関係のようです。
2008070504.JPG

エラーが起きている経過から推測しますと、Acropbat 8 Professional を削除しないを選択して、インストールしようとしたにも関わらず、Acrobat9のインストーラは、Acrobat 8をアンインストールする処理を行なおうとして、矛盾が起きてエラーになっているようです。

(画面を逆順に示しましたが、インストールの操作では下から順に進んでいます)。

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2008年07月01日

31日間で31種類のサンプル・アプリを公開するブログ

PDFのSaaSサービスを探していましたら、「31日間で31種類のサンプル・アプリを公開するブログ」を見つけてしまいました。

Atalasoft's 31 Apps in 31 Days

Atalasoftという文書イメージのSDKを販売している会社が、その応用のサンプルとして5月1日から5月末に掛けて次々に公開したようです。アメリカの東海岸の会社のようですが、アメリカ人にしては、随分頑張ってるね。

ブログに、31種類のサンプルを表すサムネールが紹介されていますが、中々、興味深いのがあります。
いづれ詳しく調べてみることにして、とりあえず、どんなのがあるかを一覧で紹介してみます。

1.Get Motivated 意味不明
2.Atala Auto Rotater イメージを回転するようです
3.Product Box Generator 3つの面の画像を入力すると箱にするようです。
4.Batch Thumbnails 一括処理でサムネール・ファイルを作成します。
5.Batch Watermarker 一括処理ですかしをつけます。
6.TPS Cover Enforcement TPSレポートというものがあるようですが、その表紙用?

7.Scan Documents to Scribd ドキュメントをスキャンしてScribeに投稿
8.Linked Viewers ふたつのビューアをリンクして同期する
9.Cloudscape Wallpaper Generator 壁紙の生成
10.JPEG Stripper JPEGからメタデータを削除
11.Document Icon Generator 文書のアイコンを生成する
12.Atalasoft Screen Cutter常駐型の画面の切り取りツール
13.Image Difference Utility 二つのイメージ・フォルダの差分をチェックする
14.Web PDF Library Search Webサーバの中にあるPDFを検索する
15. OCR Selector Tool 画像を画面表示して指定した箇所の文字認識
16.Web Captcha Generator Webのフォームに自動投稿するのを防止するCAPTCHAの生成
17.Web based image resizer Webにイメージをアップして、サイズを変更してダウンロード
18.Photo Mosaic Generator 大量の小さな画像からモザイク画像を生成
19.Capture to the Cloud using Amazon S3 アマゾンのWebサービスAPIを使った文書キャプチャ
20.Drag n' Drop Flickr Image Uploader 特殊な画像形式を、写真の共有サイトFlickrに、アップロード
21.Slick Button Maker ボタンの作成
22.ClickWord - Online OCR by Click オンラインのOCR
23.ThinDoc: Zero-Footprint Full Screen Adobe-Free PDF Viewer 軽いPDFビューア(PDFを画像に変換して表示)
24.CadCam to TIFF Converter CadCamをTIFFに変換
25.Image Processing Previewer 色々な種類の画像処理のプレビュー
26.Simple Seam Carver
27.PDF Image Grabber PDFの中の画像を取り出す
28.iPod Ad Generator iPodの広告を生成
29.Greeting Card Generator 
30.Color Scheme Generator イメージに使われている色のリストを作成
31.FlingScan: Searchable PDF Service TIFFやJPEGイメージから検索可能なPDFに変換

ということで、画像処理のサンプルですが、中にPDF関係のものが幾つかあります。PDFが画像に親和性が高いということなのでしょう。

ところで、このブログを見つけたのは全くの偶然のようなもので、いままで同じようなキーワードで検索していてもヒットしていませんでした。こういう経験をしますと、Googleのような大雑把な検索エンジンだけでは、砂にうずもれた宝のような情報を探し出すのは難しいのかな?と感じます。

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2008年06月28日

PDFの将来を考える(4) PDF(電子文書)税のメリット

さて、新税を提案するにあたって、最初に、経済が活性化するような方策を考え、そのもたらす利益を4公6民かできれば3公7民程度で分け合うような税制が望ましいと申し上げました。

PDF(電子文書)税は、直接的に税を負担するのは、民間企業となります。では、民間企業にとって、新税はどのようなメリットがあるのでしょうか?

これに関して経団連は、「税務書類の電子保存範囲の拡大を改めて要望する」(2004年3月)の報告書で、取引書類の紙による保存コストが、3000億円という試算を出しています。

また、その他の効果として、文書を電子化することにより、検索・参照に要する時間の短縮で2700億円の生産性向上効果があるとしています。

税務書類の電子保存範囲の拡大を改めて要望する
税務書類の電子保存に関する報告書 2004 年3 月1 日 (社)日本経済団体連合会 情報通信委員会

この数字は、もともと紙で発行された領収書・請求書・契約書などの取引関係書類の電子化に関するものです。

一方、紙で発行している領収書や請求書を最初からPDFなどの電磁データで発行できれば、紙代、書類を送付するための作業費、送付に要する郵送代などがなくなり、事務処理コストも飛躍的に削減されます。

例えば、コンビニに行って買い物をすれば、紙のレシートをもらう訳ですが、この紙のレシートを電子レシートに変更して、代金支払いの決済と引き換えに電子レシートを受け渡すようにすれば、紙が不要になります。銀行の決済にしても、電子的にやり取りした記録を銀行から企業に電子データで渡すようにすれば、紙は全く不要になります。そうなれば、銀行の通帳など全く無用の長物です。

こうしたやり方で、完全なペーパーレス取引を実現していけば、もっと大きな経費の削減と事務能率の向上が図れると思います。

いずれにせよ、民間企業がそれを望んでいるわけですから、取引関連帳票・書類をPDFなどで電子的に作成することを全面的に認め、その代わりにPDF(電子文書)税を徴収するというのは、民間企業と国の両方にとってメリットのあることだろうと思います。

しかも、この税は消費者への負担は全くありません。

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2008年06月27日

PDFの将来を考える(3) PDF(電子文書)税案について

昨日のブログをお読みになって、
・え~~!PDF(電子文書)税って一体なに?
・PDFを作ると税金が掛かるなんて、許せない!
など、様々な感想を持たれたことと思います。

そこで、ここで提案しました、新税構想について、簡単にまとめてみます。

1.名称
PDF(電子文書)税 (案)(国税の一種類とする)

2.目的
・国税など法で要求する帳票や書類の保存では書面(紙)による保存が原則になっています。PDF(電子文書)税により、PDFを中心とする電子文書の保存に紙と同等の法令適合性を保証します。

3.方法(一案)
・例えば税務署は、各納税者に納税者電子証明書を発行する。
・各納税者は、請求書、領収書、その他取引関係の書類をPDFで作成したとき、納税者電子証明書で署名をすることができる。
・納税者電子証明書で署名されたPDFは、法令上紙と同等と看做す。
・納税者電子証明書で電子署名を施したPDFには、固有番号を付与するとともに、本体金額、消費税額などの情報を国税庁は電子的に収集する。
・納税者電子証明書による電子署名は1回あたりx円の税を徴収する。

というものです。具体的な方式は、もっと検討する余地があると思いますが。

なお、この新税の導入に伴い、現行の電子帳簿保存法は廃止します。

【新税案の背景説明】
現在、PDFを始めとする電子文書は、電子帳簿保存法により保存が義務付けられているにも関わらず、国税関係の書類として看做されないなど非常にあいまいな状態になっています。

また、紙で作成された国税関係書類をスキャナでPDF化したとき、それを国税関係書類として認めてもらうには、一定の要件を満たした上、税務署長に申請して許可を得なければなりません。これは平成17年のe文書法の施行とともに施行された改正電子帳簿保存法で定められましたが、実際は、国税当局が非常に厳しい運用をしているため、申請が認められたのが、全国で3年間で10件以下しかない(?)と聞いています。

この場合でも、記載された金額が3万円以上の領収書は、スキャナ保存が認められません。

このように、電子文書の利用に対して、非常な制約が掛けられているため、紙から電子化に移行できないという大きな問題が生じています。

この理由は、国税庁が電子文書を信用していないためと考えられます。これは、電子文書に収入印紙を張る必要がない理由を述べた、小泉元首相の次の国会答弁からも推測できます。
「印紙税は、経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求める文書課税であるところ、電磁的記録については、一般にその改ざん及びその改ざんの痕跡の消去が文書に比べ容易なことが多いという特性を有しており、現時点においては、電磁的記録が一律に文書と同等程度に法律関係の安定化に寄与し得る状況にあるとは考えていない。」
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/162/touh/t162009.htm

そこで、本税制では、PDFで作成された文書に納税者電子証明書による電子署名を施すことで、電磁的書類の安定化を図り、国税の書類としても認めることで、書類の保存における電子化を進めることを狙いとします。

その書類の安定化の代償として、電子署名ごとに何がしかの税を支払うことにするというものです。

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2008年06月26日

PDFの将来を考える(2)

昨日は、5年間位の期間で、迫り来る日本経済への危機に備えることが、現在の経営の最大のテーマとお話しました。

しかし、本当は、危機を事前に予知したならば、それが起こらないようにするというのが一番良いことです。なにしろ、このまま放置すれば、日本という国の財政が破綻するのは時間の問題です。財政が破綻すれば、日本経済とそこで生活している私達にとっての大変な危機ですし、国際的に見ても日本という国、日本人に対する信任は地に落ちてしまうと思います。まさしく日本の建国以来の危機。

普通は、国全体のこととなりますと、政治家の仕事と考えられますが、未曾有の国難が迫っている現在、政治家に任せるだけではなく、国民一人一人が真剣に考えて、取り組まねばならない段階に来ていると思います。

ということで、財政赤字と国の借金問題から発生する危機について考えて見ますと、危機を予防するには、収入を増やして、同時に支出を減らし、もって財政を黒字にして借入金を減らすということになります。やるべき目標は極めて明確です。

国の主な収入は税収ですので、この税収を増やす方策を考えなければなりません。

現在は、消費税率のアップ、あるいは最近はタバコを1箱1000円にしようという話が出ています。しかし、消費税にせよ、たばこ税にせよ負担を増やすだけで、これによってなにか活性化するということが全く期待できません。結局、負担を強いるだけになり、結果的に経済全体が萎縮してしまう危険があります。

税収を増やすには、全体として経済を活性化させて、その活性化した活動から生まれた余剰あるいは付加価値の一部を、例えば、4公6民かできれば3公7民の位の割合で、税として取るというような方策を考える方が良いのではないでしょうか。

そこで、提案です。

PDF(電子文書)税!

ということで、続きは、また後日に。

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2008年06月23日

PDFによる情報保存の法的な有効性 (11) — 金融商品取引法

表題について、今日は、金融商品取引法について少し調べてみました。金融商品取引法はJ-SOXとして、最近大きな注目を集めています。いよいよ、2008年(平成20年)4月1日以降に始まる決算期の会計報告書からJ-SOX法に準拠して作成しなければならず、また、代表取締役は、決算報告書が適正に作成されていることを確認した報告書を提出しなければならないということになります。

そんなわけで、上場会社の社長サン達にとって、今期の決算書作りは大変でしょう。ご愁傷様です。

さて、金融商品取引法では、有価証券などを対象に発行・流通市場において、会社の情報などを開示することを求めています。この開示は、完全に電子化されたEDINETというシステムで行ないます。

EDINET(Electronic Disclosure for Investors' NETwork)

EDINETでは、HTML形式で情報提出が行なわれていましたが、平成20年4月1日以後に開始する事業年度の書類はXBRLで行なわれるようになります。

金融庁のEDINETを通じて、一般人も上場企業の有価証券報告書などを閲覧できます。

また、いま、上場企業の多くは、Webサイトで有価証券報告書などをPDFで公開しています。これは、法的に義務付けられているものなのか、それとも、株主サービスとして自発的に行なっているもののどちらなのでしょうか?

と思って、幾つかの企業のWebページを見ていましたら、アサヒネットのIR資料のページでは、決算短信はWebで公開されています。

決算短信

しかし、有価証券報告書は、EDINETを見るようにとなっています。

有価証券報告書

しかも、これは、法で決めている縦覧ではなく、行政サービスだそうです。法で決めている縦覧と行政サービスの相違はちょっと理解できていません。

また、有価証券報告書を発行する企業は、その本店および重要な支店で公衆縦覧に供さねばならないとされています。

そこで、まだ、次のことが分かりません。
・インターネットを通じて、PDFで各種報告書を閲覧可能にすることは、公衆縦覧の条件を満たすしているかどうか?
・アサヒネットのように、有価証券報告書は、EDINETを見るようにという指示をすれば、自社の本店・支店での公衆縦覧が不要になるものなのか?
・それとも、上の2項に関わらず、自社の本店・支店に各種報告書を備え付けて置く必要があるものなのかどうか?

■参考資料
文書の電磁的保存・長期保存について

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2008年06月07日

電子証明書のVeriSign流マーケティング研究 (2)

VerSign社の電子証明書の販売ページを見ていますと、PDFで見積書を作ったり、PDFで請求書を作ったりしています。

http://www.verisign.co.jp/codesign/help/faq/200054/index.html

これは、技術的にはもう簡単にできる話で、PDFの使用例としては一般的なものだと思います。問題は税法です。これまで、このブログでも日本の税法とPDFについての問題は何回かお話していますが、VerSign社が提供しているPDF見積書、PDF請求書は典型的なので、これを題材に税法上の具体的な注意事項についてお話してみます。

※これはVerSign社に問題があるということよりも、むしろPDFと日本の税法上の問題を具体例として説明することを意図するものです。VerSign社には申し訳ありませんが、日本の税法の問題点を理解していただくためということでご容赦ください。

VeriSignのWebではPDFの請求書をWebから発行できるようになっています。

20080607.PNG

これは、便利なのですが、こうして入手した請求書が税法上どういう扱いになるかを調べてみますと、まず、受け手は、このPDFを保存することが義務付けられています。

さて、証明書価格94,500円の中には消費税4,500円が含まれていて、企業でこの証明書を購入した場合、税務署に納付すべき売上に関わる消費税から、この4,500円を差し引くことができるはずです。

その際、消費税法上では、該当の請求書を保存しておくことを求めています。ところが、PDF請求書のファイルは、消費税法での書類と認められません。従って、PDF請求書に基づいて4,500円を差し引くことができません(差し引くと消費税法違反となります)。

では、Webで受信したPDF請求書を自分でプリンタに印刷したらどうなのでしょうか?

これは、微妙です。Webで入手したPDFを自分で印刷して作成した請求書は、取引相手が発行した請求書と看做されるものなのでしょうか?

厳密に解釈しますと、

(1)日本の国税当局は、PDFを含む電磁的書類を認めていません。
(2)PDF請求書は請求書ではなく単なる電磁ファイルです。
(3)それを、受け手が印刷した場合、その行為はあくまで受け手の行為です。
(4)となると、それは取引相手が発行した請求書には該当しない。

ということになると思います。

このあたりは税務署に問い合わせしてみる必要がありそうですが、税務当局でも担当者によって解釈が変わってしまうかもしれないという危険があります。

このように、PDF請求書は税務上は請求書とは認められませんので、取り扱いに注意が必要です。

そんなことは、車を運転する人が制限速度50kmの道路を60kmで走っているのをとがめるようなものだと言ってしまえばそれまでではありますが。

【補足】(重要)
電子取引で受け取った請求書は、「消費税法基本通達第6節11-6-3(請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由があるときの範囲)の(5)に相当し、仕入れ控除を受けることができる」という解釈もあるそうです。詳細は後日に整理したいと思います。(2008/6/25追記)

【参考】
PDFによる情報保存の法的な有効性 (10) — 消費税が問題

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2008年06月04日

メニューバーやツールバーを非表示にする

Adobe Reader/Acrobat で PDF を表示した際に「メニューバー」や「ツールバー」を非表示にできないか?という問い合わせをしばしばいただきます。その目的を訊ねたことはありませんが、恐らく、閲覧者が編集や特に保存をできないようにすることを期待しているのではないかと思われます。

さて、これらは PDF Driver や PDF Tool API(PDF Tool)で設定することが可能です。たとえば PDF Driver ですと、「設定」ダイアログ-「開き方」タブ内に「ツールバーを隠す」「メニューバーを隠す」という項目がありますので、必要な項目にチェックを入れて PDF 出力するだけです。

実際に設定した PDF(chk.pdf)

このメニューバーとツールバーを非表示に設定した PDF をご覧いただくとわかるように、なるほどユーザの方ではなにも操作できないかのように表示されますが、これらは実際のところ表示の設定であって、セキュリティの設定ではありません。そのため、たとえば Acrobat 8 Pro なら、F8 でツールバーの表示の切り替え、F9 でメニューバーの表示の切り替えが可能ですので(※)、これらのキーを押すだけで非表示というのは解除されてしまいます。
※ お試しになる場合は、PDF をダウンロードしてローカルで行なってください。ブラウザ上で Adobe Reader などを開いて表示した場合は多少動作が異なります。

私が思い付くのはこのような保存の抑制的な意味合いでの利用だけですが、他にもなにか面白い利用方法があるのかも知れません。ご存知の方はぜひ教えてください。

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2008年06月02日

PDFによる情報保存の法的な有効性 (10) — 消費税が問題

先日は、契約書や請書などをPDFで電磁的に作成した場合、収入印紙が不要になる、というお話をしました。

PDFによる情報保存の法的な有効性 (7) — 電子取引と印紙税
PDFによる情報保存の法的な有効性 (8) — 首相の国会答弁

そうしますと、全ての取引書類をPDFで作成してしまえば良いのではないか?ということを思いつきます。しかし、電子帳簿保存法第11条2項を見ますと、「前条(10条)の規定により保存が行われている電磁的記録に対する他の国税に関する法律の規定の適用については、当該電磁的記録を国税関係書類以外の書類とみなす。」とあります。

つまり、PDF取引書類は国税の書類とは看做さない、ということになると思います。

法人税法や消費税法では、書類の保存義務を課しています。PDFで取引書類を作成すると、法人税法や消費税法の保存義務との関係はどうなるのでしょうか?

○法人税法上の青色申告法人には、取引関係の書類の保存義務があります。例えば法人税法施行規則第59条では、「取引に関して、相手方から受け取つた注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類及び自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し」を保存しなければならないとしています。

法人税法上は、あれば保存せよといっているようですが、電磁書類は「国税関係書類」としての存在すら認められていないので、法人税法の保存義務には抵触しないのではないかと思います。(そのため、電子帳簿保存法第10条があるのでしょう)。

○消費税法では、第30条で課税仕入れに関わる消費税を控除することができることを定めており、同条7項で、このためには、「課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等の保存」が必要とされており、それが保存されていない場合は、課税仕入れの消費税を控除することができません。

PDFで請求書をもらった場合、その書類は、消費税法の課税仕入れ控除のために十分なものなのでしょうか?

これは、PDFによる取引書類は国税関係書類ではなく、消費税の控除のための有効な書類ではないと考えられます。つまり、取引先からPDFで送信された領収書や請求書をPDFのまま保存しておいても、消費税の課税仕入れ控除には使えないということになるでしょう。

そうなりますと、電子取引で仕入れたものの消費税を控除するには、PDFを始めとする電磁書類ではだめで、なにか書面(紙の請求書などの証拠書類)を入手するか、または、電子帳簿保存法第4条の2項に対応するしかないということになります。

現在、電子帳簿保存法第4条の承認企業数は、すべて合わせて66,125社(平成17年6月末)。

ということで、国内のほとんど企業は、電子取引だけで(書面の請求書なしで)仕入れたものについて消費税を控除したら消費税法違反ということになると思います。(タイヘンダ!)

いずれにしても、PDF取引書類の税法上の扱いはもっと詳細に調べてみる必要がありそうです。

【参考資料】
電子帳簿保存法に係る電磁的記録による保存等の承認状況について
文書の電磁的保存・長期保存について

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2008年05月23日

PDFによる情報保存の法的な有効性 (8) — 首相の国会答弁

「電子取引では印紙税は対象外」というのは、既に、行政府が公式に認めていました。

国会では、平成17年に民主党の桜井氏が質問をされています。
「電子商取引で添付ファイルなどの形で交わされる電子文書については印紙税の課税対象外となっている。同じ契約書などであるにもかかわらず、文書か電子文書かで印紙税の課税・非課税を判断することは税の基本原則に反している。」
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/162/syuh/s162009.htm

それに対する当時の小泉首相の答弁では、
「事務処理の機械化や電子商取引の進展等により、これまで専ら文書により作成されてきたものが電磁的記録により作成されるいわゆるペーパーレス化が進展しつつあるが、文書課税である印紙税においては、電磁的記録により作成されたものについて課税されないこととなるのは御指摘のとおりである。
 しかし、印紙税は、経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求める文書課税であるところ、電磁的記録については、一般にその改ざん及びその改ざんの痕跡の消去が文書に比べ容易なことが多いという特性を有しており、現時点においては、電磁的記録が一律に文書と同等程度に法律関係の安定化に寄与し得る状況にあるとは考えていない。」
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/162/touh/t162009.htm

と言うのがありました。

現状では課税対象では無いと認めているようです。

ところで、私としては後段の「電磁的記録が一律に文書と同等程度に法律関係の安定化に寄与し得る状況にあるとは考えていない」という文言に含まれた技術と時代に関する認識の遅れが気になります。日本は世界の先頭に立つ電子政府を実現しようと考えているわけですが、この文言は、言行不一致じゃないでしょうか。

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2008年05月22日

PDFによる情報保存の法的な有効性 (7) — 電子取引と印紙税

前日、電子取引にして、その電磁的記録を保存すれば、紙を保管する必要がないというお話をしました。

2008年05月07日 PDFによる情報保存の法的な有効性 (3)
2008年05月08日 PDFによる情報保存の法的な有効性 (4)

それで、弊社も注文書や請求書などは、今後、全部電子化していこうかと考えています。ある取引先の方にそんなことをお話しましたら、「注文書はPDFにするとして、では、請書はどうしましょうか?請書は印紙が必要なので、書面にしないといけないでしょうか?」という質問を頂きました。

会社法の電子定款について調べていましたら、電子定款にするメリットとして印紙を貼らなくて済むことを訴えているWebページが随分あります。

例えば、
収入印紙・印紙税ガイド
電子定款どっとこむ

要するに、印紙税法では、第2条で「文書」に印紙税を課す。第3条で「文書」の作成者は印紙税を納税する義務がある、としています。

しかし、電磁的記録は文書でないから、電子定款は印紙税の対象にならないという論法のようです。

確かに、国税当局は書類とは紙でなければならないという認識のようですから、彼らの論法ではそうなります。この論法に従えば、請書をPDFで作成すれば、印紙税は不要になるのでしょう。

印紙税法

但し、電磁的記録は文書でないといえるかどうか?これは疑問です。私は、PDFは文書の記述形態の1種であり、PDFで記述された文書を紙にプリントしたものが、書面であると考えています。PDFで文書を表し、その文書を紙という媒体に可視化するのであって、紙は単なる媒体なのです。

契約書は文書の1種類で印紙税の対象ですが、PDFで契約書を表すこともできます。そして、これはすなわち国税関係書類でもあり、印紙税の対象でもあると考えるべきと思います。

以上は、私の考えです。

しかし、繰り返しますが、電子帳簿保存法などの論理構成は違います。紙になっていないと国税関係書類とは看做さないという考えです。この論法に従えば、請書をPDF化したら、印紙税の適用対象外だと思います。

悪法も法だから従うといって、印紙税を払わない?それとも、正しい道を歩むべきといって印紙税を払うか?どうしたら良いでしょうか?

もっともPDFには収入印紙を貼ることができませんから、少なくとも収入印紙を貼ることはできません。

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2008年05月21日

PDFによる情報保存の法的な有効性 (6) —会社法

会社法では、定款、株主総会議事録、取締役会議事録、会計帳簿、委員会議事録、清算株式会社の貸借対照表、質権に関する社債原簿、債権者集会議事録、などの主な書類を書面もしくは電磁的記録をもって作成することができるとされています。

○電磁的記録をもって作成した場合、「法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置」をとらなければなりません。

この方法は会社法施行規則第二百二十五条に「電子署名とする」と規定されています。そして電子署名の要件としては、次の2項が規定されています。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

○また、「電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの」の閲覧を可能としなければならない、とされています。

この方法は、「電磁的記録に記録された事項を紙面又は映像面に表示する方法とする。」ということなので、ビューアまたはプリンタで印刷できることが必要となります。

以上から、会社法上はPDFで書類を作り、本人の証明書で電子署名をすれば法令上有効となると思います。

このほか会社法と会社法施行規則では、電子的な公告についても要件をさだめています。

「会社法」の概要 — 法務省
会社法施行規則 — 法務省令

こうしてみますと、会社法は、書面と電磁的な記録とを平等に並べて使用可能としているという点で、電子帳簿保存法や建築士法と比べると新しい体系になっています。

電子帳簿保存法や建築士法は、書面を前提としたうえで、一部で書面に代えて電磁的な記録を利用可能としており、具体的には省令で規制しています。このような法体系は、PDFのような紙の原本である電磁記録方式の普及が進むと、現実で起きていることとまったくかけ離れたものになってしまいます。
電子帳簿保存法や建築士法は、早晩、抜本的な改訂を行わないと法令によって社会の進歩が妨げられるという結果になるでしょう。

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2008年05月19日

PDFによる情報保存の法的な有効性 (5)

建築士法では、第二十四条の三 帳簿の備付け等及び図書の保存で、「建築士事務所の開設者は、国土交通省令で定めるところにより、その建築士事務所の業務に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え、これを保存しなければならない。
2  前項に定めるもののほか、建築士事務所の開設者は、国土交通省令で定めるところにより、その建築士事務所の業務に関する図書で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。」
と定めています。

・業務に関する帳簿とは、契約に関連する書類、業務の報酬、従事したものの氏名など。
・図書とは建築物の建築工事実施のために必要な図面及び仕様書

建築士法施行規則を見ますと、1項の帳簿については、「前項各号に掲げる事項が、電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等に記録され、必要に応じ当該建築士事務所において電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもつて法第二十四条の三第一項に規定する帳簿への記載に代えることができる。」とされています。

つまり、建築士の契約書や業務に関わる書類はPDFで保存することが認められています。保存期間は15年間です。

2項の図書については、「国土交通省の所管する法令に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則」の第三条を見ますと、次のようになっています。

e文書法「第三条第一項の主務省令で定める保存は、別表第一の上欄に掲げる法令の同表の下欄に掲げる規定に基づく書面の保存とする。」とあります。別表第一を見ますと第二十四条の三第二項は書面の保存とされています。

つまり、図書は書面で保存となっており、PDFでの保存は認められないという解釈になるのではないでしょうか。

こうしてみますと、
2008年03月26日 PDFによる情報保存の法的な有効性 (1)

で、財団法人 建築行政情報センターのWebページで、「改正建築基準法に係る質疑・応答」というQ&Aを紹介したのですが、「紙面に打ち出された設計図書をスキャンした場合、当該PDFファイルによる保存は可能です。」というのは、国土交通省の省令から見るとおかしいのではないでしょうか?

【参考】
建築士法
建築士法施行規則(国土交通省令)
国土交通省の所管する法令に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則

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2008年05月16日

「第11次業種別審査事典」にPDF Viewer SDKをご採用いただきました

(社)金融財政事情研究会の「第11次業種別審査事典」(CD-ROM版)が発売されましたが、CD-ROMに収容したPDFのビューアとして、弊社のPDF Viewer SDK をご利用いただいています。

「第11次業種別審査事典」(CD-ROM版)パッケージ
200805161.JPG
販売元:株式会社きんざい
価格:136,500円(税込)

「第11次業種別審査事典」は、書籍版が全9巻ありますが、それを1枚のCD-ROMに収録したのがCD-ROM版で、CD-ROM版には書籍のように目次から検索する機能と、全文検索機能があるのが特徴です。

書籍の内容をPDF化したコンテンツが中心ですが、使いやすくするために専用PDFを作成されました。

○書籍の内容を表示している画面

上の画面でご覧いただけます通り、PDFの連続表示も行っています。PDF Viewer SDKのみでは連続表示はできないのですが、上位のアプリケーションを作れば連続表示もできるという見本。

実は、弊社の「書けまっせ!!PDF3」などの他の製品もPDF Viewer SDKを組み込んでいるのですが、連続表示を実現していません。ちょっと情けない。

○PDF Viewer SDKの詳しい情報は
Antenna House PDF Viewer SDK
PDF Viewer SDK の意義について

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2008年04月17日

PDFによる情報保存の法的な有効性 (2)

もう1ヶ月ほど前、3月26日に、PDFによる情報保存の法的な有効性(1)というお話で「CADによって作成された設計図書(電子データ)をPDF印刷した場合、当該PDFファイルによる保存は認められません。」ということについて、取り上げました。

繰り返しますが、上のQ&Aでは、(1)CADのデータを直接PDFに印刷した場合は保存を認めないが、(2)紙に印刷したものをスキャナーでPDF化したものであれば認めるということを言っています。

この判断の根拠がはっきりしないので、非常に気持ちが悪いのですが。

もし、この対象アプリケーションとしてCADのみではなく、ワープロや表計算にまで帰納的に当てはまるとしますと、(1)ワープロや表計算から直接PDFに印刷した場合は保存を認めないが、(2)ワープロや表計算から紙に印刷したものを、スキャナーでPDF化したものであれば認めるという結論になります。

さらに、これが、建築関連図書のみではなく、一般に法的に保存が義務付けられている資料にまで、帰納的に当てはまるとしますと、日ごろ、私たちが、企業間でやり取りしているPDFは、ほとんど、法的な証拠書類としては認められない、という悪夢のような結論が導かれます。

まあ、一般には、帰納的推論は、蓋然的にしか正しいとはいえないということらしいですから。

そうなりますと、じゃあ、どういう法律の求める保存義務と、どういう書類ならアプリケーションから直接出力したPDFの保存は認められるか、ということを個別に調べていかなければならない、という大きな問題になります。

私的には、(1)CADのデータを直接PDFに印刷した場合は保存を認めないが、(2)紙に印刷したものをスキャナーでPDF化したものであれば認めるというのは、技術を知らない人の迷信による、あるいは宗教的な判断としか思えないので、こういう迷信に染まった人達を相手にするのは大変だ、と頭を抱えています。

但し、PDFの作り方によっては紙に印刷したものと、PDFの直接印刷したものが同等にならないケースがあります。しかし、それを言い出したら、スキャナーだって、スキャン・ヘッドが傷んだスキャナーだってありうるわけですし、私の使っているとても安価な複合プリンタについているスキャナについているPDF作成ソフト(某社のもの)は、(安いので文句いう気になりませんが)まともにPDFを作っていません。このように、うまく、できないケースをあげつらえばいろんな場合がある訳です。

どうしたら良いでしょうか?

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2008年03月30日

PDFをFlashに変換してパブリッシュするWebサービス(メモ)2

日本でもPDFなどの情報を投稿して共有するサイトができていました。やはり、プレビュー表示はFlashを使っているようです。

オーケー・ウエーブが提供している「ドキュン」です。2007年7月開始です。
http://docune.jp/

投稿したPDFの表示はFlashを使っているようです。昨日、ご紹介しました、issuuの場合は、プロが制作した雑誌などの公開を目標にしているようですが、「ドキュン」の方は、一般のユーザが作成したコンテンツを対象にしているようです。

その代わり、PDFだけではなく、テキスト形式、Word(doc)、Excel形式(.xls)、PowerPoint形式(.ppt)、OpenOfficeのWriter形式(.odt)、Calc形式(.ods)、Impress形式(.odp)、Draw形式(.odg)、JPEG形式(.jpg, .jpeg)、PNG形式(.png)、リッチテキスト形式(.rtf)を投稿できます。

PDF以外のファイルをアップしたときの、サーバサイドのPDF変換は、OpenOffice.orgを使っているようです。Word文書をアップすると、フォントが別のフォントに置き換わったりしてしまいます。

このあたりは、apolabさんが「縦書き文書のプレビューの改善要望」としてあげています。

縦書き文書のプレビューの改善要望

Webページは、全体として、分かりやすく、使いやすいインターフェイスになっていると思います。但し、ブログページなどナビゲーションの仕方が良く分からない箇所があります。

やはり、Webで情報を共有したり、パブリッシュするには、PDFよりFlashの方が良いのかな?と。
あまり関係ないですが、それにしてもSVGはどこへ行ってしまったんでしょうか。

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2008年03月29日

PDFをFlashに変換してパブリッシュするWebサービス(メモ)

Flashを使ってPDFをパブリッシュするissuuサービスについてちょっと調べてみました。

http://issuu.com/ (ベータ版)

このWebページは、U-tubeのFlash版だと思いますが、公共のライブラリーと称しています。出版物をFlashに変換して、公開するサービスをやっているようです。

自分のプロファイルを登録し、出版したい資料もアップロードできます。日本語のPDFをFlashに変換することもできます。

○ページをナビゲートする画面
200803291.PNG

雑誌のページだと、ファイルをダウンロードするのに少し時間がかかるようで、それが難点といえば難点。

○ページを拡大して表示する画面
200803292.PNG

公式ブログがあります。

http://blog.issuu.com/

昨年の6月から限定のβテストが始まっています。
昨年12月に公開のβテストで、誰でも使える(PDFをアップロードできる)ようになったとあります。
現在もβ版。

2月にSXSW Web Awardsのファイナリストに選ばれたようです。

まだ、公式のサービスが始まっていませんので、ビジネス・モデルが分かりませんが、なかなか面白いく、1見の価値があるWebページです。

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2008年03月26日

PDFによる情報保存の法的な有効性 (1)

先日、国土交通省の電子納品でのPDFの扱いに少し触れました。

2008年03月23日PDFのフォント埋め込み — 電子納品PDFでフォントを埋め込まないのはなぜ?

簡単に整理しますと、
1.「土木設計業務等の電子納品要領(案)」では、平成16年版には既にPDFによる電子納品をかなり幅広く認めているようだ。
2.「工事完成図書の電子納品要領(案)」では、平成20年版で、PDFによる電子納品を認めることになっている。

電子納品に関する要領・基準はこちらに一覧表があります。
国土交通省:CALS/EC電子納品に関する要領・基準

このページに掲載されている他の基準についても調べてみました。

A.一般・土木分野(続き)
3.CAD製図基準(案)  H16.6 特にPDFには触れていない。
4.デジタル写真管理情報基準(案) H18.1 特にPDFには触れていない。
5.測量成果電子納品要領(案) 国土地理院 H16.6 かなり広範にPDFを認めている。
  http://psgsv.gsi.go.jp/koukyou/download/denshinouhin/pdf/youryouv2.1.pdf
6.地質・土質調査成果電子納品要領(案) H16.6 電子柱状図など、PDFを標準としている。

B.電気
1.工事完成図書の電子納品要領(案) 電気通信設備編 H16.6 特にPDFには触れていない。
2.土木設計業務等の電子納品要領(案) 電気通信設備編 H16.6 土木設計と同じく、広範にPDFを認めている。
3.CAD製図基準(案) 電気通信設備編 H16.6  特にPDFには触れていない。

C.機械
1.工事完成図書の電子納品要領(案) 機械設備工事編 H18.3  かなり広範にPDFを認めている。
2・ 土木設計業務等の電子納品要領(案) 機械設備工事編 H18.3  かなり広範にPDFを認めている。
3. CAD製図基準(案) 機械設備工事編 H18.3 特にPDFには触れていない。
4. 電子納品要領(案) 機械設備工事編 施設機器コードH18.3 特にPDFには触れていない。

以上のように、基準によって、PDFを標準にしたり、オリジナルとPDFを認めたり、認めなかったりとかなり温度差があるようです。

なお、国土交通省の電子納品の基準をベースにして、都道府県などの地方自治体でも同様な基準を定めていて、PDFによる工事図書の納品はかなり幅広く実務的に採用されているようです。

なぜ、このようなことが気になったかと言いますと、実は、次のような例があるからです。

■財団法人 建築行政情報センターのWebページで、「改正建築基準法に係る質疑・応答」というQ&Aがあります。

確認・検査・適合性判定の運用等に関する質疑 
http://www.icba.or.jp/kaisei/doc/Q&A.pdf
(最終更新日 平成19年12月 30日)

この中に、次のような質問があります。
Q108 建築士設計事務所において保存すべき設計図書を、PDFファイルで保存することは可能でしょうか?

回答は次のようになっています。
原本性を担保するという観点から、PDFファイルについては、以下の2通りが想定されます。
①CADによって作成された設計図書(電子データ)をPDF印刷した場合、当該PDFファイルによる保存は認められません。
②紙面に打ち出された設計図書をスキャンした場合、当該PDFファイルによる保存は可能です。なお、マイクロフィルムによる保存は従来より認められているところです。

この質疑応答は、あまりにも短くて趣旨がはっきり分かりません。CADはだめだが、他のアプリケーションなら良いのかどうか?あるいは、ボーン・デジタルなPDFは全部だめなのかどうか?

こういうものを見ますと、どうも、PDFファイルが電子データの保存形式としてどの程度認められているのか、もう詳しく調べてみる必要がありそうです。

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2008年03月23日

PDFのフォント埋め込み — 電子納品PDFでフォントを埋め込まないのはなぜ?

お客さんから、弊社の「アウトライナーを電子納品のPDFを作成するのに重宝している」というご連絡と幾つか、ご要望をいただきました。

昔、電子納品が始まる頃に、電子納品の仕様についていろいろ調べたことがありました。昔は、オリジナルのワープロ文書などを、そのまま納品するような仕様になっていた記憶があります。電子納品は、最初の頃は国土交通省の大型工事を対象でしたが、だんだん、地方自治体まで広がって、いまではかなり一般的になってきたようです。

それで、いつの間にか、報告書をPDFで納品するようになったようです。「土木設計業務等の電子納品要領(案) 平成16年6月国土交通省」を見ますと、

4.ファイル形式 (p.12)
・報告書ファイルのファイル形式はPDF 形式とする。

となっています。

でも、国土交通省のパブリック・コメント募集:
「土木設計業務等の電子納品要領(案)」、「工事完成図書の電子納品要領(案)」及び「デジタル写真管理情報基準(案)」の改定に関する意見募集について

の資料を見ますと、

「工事設計業務の電子納品」においては、PDF形式での納品が標準的になっているようですが、「工事完成図書」の方は、平成20年改訂案版でもPDFが標準になっていなくて、「受発注者協議により、オリジナルファイルから変換したPDF ファイルも納品可とする。」(p.25)になっています。

◎設計業務ではPDFが標準なのに、完成図書はPDFが標準じゃないのはなぜなんでしょうね?

ところで、「土木設計業務等の電子納品要領(案)<改定素案>」(平成20年3月国土交通省)の「5 報告書ファイルの作成」にPDF作成の注意事項があります。

---ここから---
• 用紙サイズは、A4 縦を基本とする。
• 印刷を前提とした解像度、圧縮の設定を行う。
• 不要なフォントの埋め込みは行わない。また、特殊なフォントは用いない。
---ここまで---

とあります。

◎このフォント埋め込みを非推奨にしている理由は理解できません。作成者と同じフォントが、受領者の環境にない場合、フォントが埋め込まれてないと文字化けする可能性があります。

例えば、ISOのPDF/Aの仕様でも長期保存用のPDFは、フォント埋め込みを必須としています。

異なる組織間でPDFを受け渡す際は、フォント埋め込みを標準とするべきだと思います。逆に、フォント埋め込みをしないことを推奨するには、PDFの作成・表示環境が時間と空間を越えて不変であるということが前提が必要です。しかし、この前提が簡単には保証されないことは少し考えれば分かると思います。

残念ながら、パブリック・コメントは、3月19日で終了してしまっていました。

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2008年03月13日

O'Reilly MediaのSafariU

O'Reillyといえば、Web2.0という言葉で有名ですが、O'Reilly Media社は、世界でも最も有名なコンピュータ関係書の出版者であり、オンライン媒体による出版社としても知られています。同社は、米国の技術・コンピュータ系書籍の出版社としては、15%のシェアを持っているそうです。現代の出版会社としては、一番面白い存在だと思っています。

先日、AIIM2008にて、MarkLogic社のブースでO'ReillyのSafariUというサービスのケーススタディを配布していましたので、貰ってきて眼を通してみました。

このSafariUというのは、大学の先生達が、授業につかうためのテキストをカスタムで作成するサービスです。
http://www.safariu.com/index.do

次のような機能・効果があるとされています。
・教授は、2200冊以上の本、5000の論文などから必要な材料を探しだして、カスタムの教科書を作ることができる。
・カスタム教科書をオンラインのシラバス(教授細目)に変換する。
・学生は、10冊までテキストで言及した本にアクセスできる。
・学習対象物を教授達は仲間と共有できる。
・コストは、教育者側には無料。学生が負担。但し、年間700ドル分以上の学生の申し込みが必要。
・SafafiUのカスタム教科書は250~300ページで、学生には、46ドルから52ドルで提供される。2003-2004年には、4年制大学の学生の1年間の教科書代は850ドルだったので、学生にとっては大きな負担減になる。

確かに、大学や大学院の授業で使うテキスト代はなかなか高いですから、これをカスタムで安く作成できるようになれば、学生にとっては大変に助かります。学生というより、その親にとってもね。

こういう新しいサービスを構想して、実現していくことができるというところが、米国のすごさかなと思います。日本ではこういうサービスの構想はあるのでしょうか?

◎ケーススタディ2006年に作成されたものですが、探しましたところ、Webでも公開されていますね。
The Reality of Web 2.0: O’Reilly Media’s SafariU Leads by Example

◎SafariUは、2005年5月開始だそうで、ニュース・リリースが出ています。
O'Reilly and Safari Books Online Launch SafariU: Custom Publishing and Online Platform for Educators

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2007年12月27日

PDF Tool API によるページ順の並び替え

昨日に引き続いて PDF Tool API の話になりますが、コマンドラインで PDF のページ順の並び替えや特定ページの削除の方法についてお問い合わせをいただくことがあります。この場を借りてまとめてその方法をご説明します。

PDF Tool API のコマンドラインでそれらを実現するには、-mergeFile コマンドを使用します。-mergeFile コマンドは PDF(ページ)の結合・抽出を行うものですが、この機能を利用してページ順の並び替え等を実現します。実際のコマンドラインは以下のようになります。

○ PDF のページ順の並び替え
たとえば、100ページの PDF の表紙(1ページ)を最終ページに移動したい場合、まず、-d オプションで指定した入力 PDF の後に、パスワードが設定されているのなら、パスワードを指定し、ない場合は "" を指定します。その後に抽出するページを指定するのですが、今回の場合でははじめに 2ページから 100ページを抽出して、次に表紙(1ページ)を抽出しますので、「2-100,1」という記述になります。

 AHPDFToolCmd26.exe -mergeFile -d D:\input.pdf "" 2-100,1 -o D:\output.pdf

○ 表紙ページを削除
100ページの PDF の表紙(1ページ)のみを削除する場合ですが、先ほど例に挙げたサンプルを改変して、1ページ目の移動を止めて「2-100」と記述すれば OK です。これで、2~100ページのみの PDF が作成(=抽出)されます。

 AHPDFToolCmd26.exe -mergeFile -d D:\input.pdf "" 2-100 -o D:\output.pdf

○ 別の PDF の特定ページとの置き換え
また、この 100ページの PDF の表紙(1ページ)を他の PDF(another.pdf)の表紙(1ページ)と入れ替える場合は次のようになります。

 AHPDFToolCmd26.exe -mergeFile -d D:\another.pdf "" 1 -d D:\input.pdf "" 2-100 -o D:\output.pdf


以上が PDF Tool API による PDF のページ順の並び替えの実現方法となります。Antenna House PDF Tool は、評価版もご用意しておりますので、ご興味のある方はぜひお試しください。

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2007年12月26日

PDF Tool API でセキュリティを外す方法

先日、PDF Tool API のコマンドラインでセキュリティの掛かった PDF のセキュリティを解除する方法についてお問い合わせをいただきました。たしかにマニュアルにも記載していない方法ですので、この場を借りてご説明させていただきます。

コマンドラインの記述自体はいたって簡単でして、-changeInfo コマンドを使用して、パスワードの指定をせずに出力していただければ、セキュリティ設定のされていない PDF が出力されます。

たとえば、ユーザパスワードに "1"、オーナーパスワードに "2" が設定されている元ファイル「1-2.pdf」をセキュリティ無しの PDF として出力する場合、以下のようなコマンドラインになります。

 AHPDFToolCmd26 -changeInfo -d D:\1-2.pdf 2 -o D:\output.pdf
 ※ -d で指定した入力ファイル名の後ろにオーナーパスワードを指定します。

ただし、上記のコマンドラインの場合、「文書情報」(「タイトル」や「作成者」等)が削除されてしまいます。それらを継承する必要があるならば、以下のように -ofd オプションを付加してください。

 AHPDFToolCmd26 -changeInfo -d D:\1-2.pdf 2 -o D:\output-2.pdf -ofd

現在、PDF Tool API では、「文書情報」以外の PDF の「開き方」等を継承するオプションはご用意しておりませんので、必要に応じてコマンドラインにオプションを設定していただく必要があります。


Antenna House PDF Tool

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2007年12月11日

「アウトライナー2」で作る経営計画

アンテナハウスは、12月決算なので、あと少しで2007年も終わりです。とりあえず、11月までのところでは昨年を上回る成績になっていますので、なんとか後1ヶ月を頑張って、通年で好成績を残したいものです。

で、いま、2008年の経営計画の取りまとめ最終段階です。ところで、今年は、経営計画の作り方(と言いましてもドキュメントの整理法ですが)を少し変えようかと試みています。

弊社では、製品別等のグループ・リーダ制をとっていますが、各グループ・リーダから2008年の計画をもらい、それをまとめて作ります。もちろん、ボトムアップでは、人間誰でも易きに流れますので、トップダウンで目標を設定します。

今までは、オリジナル文書をWordで整理してましたが、今年は、集まった文書をPDFにして、それを「アウトライナー2」でまとめて、表紙、目次、しおりをつけて計画書にしようかと考えています。

使ってみますと、なかなか具合が良いんですね、これが。

なにしろ、弊社のリーダは、皆独自色が強いもので、文書を作るファイル形式がばらばら。これを全部Wordにするには、その編集が大変なんです。PowerPoint、Excel、テキストファイルをそれぞれ、PDF化してしまい、そのPDFを寄せ集めて、整理するのだとそんなに手間が掛かりません。

「アウトライナー」をこういう使い方をしてますと、やはり、機能的に足りないところも見つかって、ああしたい、こうしたいと思いながらやってます。PDFの新しい使い方というと大げさですが、これは楽しいですね。

来年の「アウトライナー3」にはぜひ、この経験を反映したいと思っています。お陰様でソフトを作る楽しみがまた増えました。

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2007年10月03日

著作権保護とPDFによる情報販売について(3)Fujisan Digital

PDFによる電子雑誌の販売という面では、富士山マガジンサービスの「Fujisan Digital」も見逃せません。

http://www.fujisan.co.jp/digitalmagazine.asp

これは主にコンシューマ向けになると思いますが、雑誌を丸ごとPDFで販売するサービスです。

今年始まったサービスですが、かなり注目を集めていて、既にいろいろなところで紹介されていますので、ご存知の方も多いと思います。

システム的には、アメリカのZinio社のデジタル著作権管理システム(DRM)を使っています。ビューアは、Zinio社のPDFビューアですが、PDF表示エンジンはアドビのOEMだと思います。アドビのPDFライブラリーの上に、Zinio社独自の機能を付加しているようです。

最初に富士山デジタルにユーザ登録して、ビューア(Fujisan Reader)をダウンロードしてインストールする必要があります。

Fujisan Readerでは、PDFを紙の雑誌をめくるような動作でページ読み進めていきます。

次のページへ進むボタンを押しますと、ページをめくります。

このあたりは、電子ブックで一般的なようですが眼が廻ってしまいそうです。

Fujisan Digitalの肝は、ビューアもさることながら、販売システムとDRMだと思います。しかし、デジタル版(PDF版)を購入しようとしても、配送先の住所を入れる画面がでてきたりして良く理解できません。販売システムがあまりまだ電子媒体向けになってない?

また、Q&Aのページを見てますと、【Fujisan Readerのエラーについて】項にシステム的トラブルがいろいろ上がっています。こういうのを見ますと、大勢のコンシューマ向けに販売が始まると結構サポートが大変だろうな、と他人事ながら心配になりますね。

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2007年10月02日

著作権保護とPDFによる情報販売について(2)CSS-net&DjVu

今日、著作権保護とPDFによる有償データの販売システムを調べていたのですが、PDFではなくDjVuで実現しているケースがありました。

インプレスR&Dの「調査報告書オンラインライブラリー」がそれです。
http://library.impressrd.jp/contents/

DjVuはAT&Tの研究所が開発した高圧縮の画像ファイルで、同程度の品質のPDFやJPEGに比べてファイルサイズが5~10分の1だそうです。

上のインプレスオンラインライブラリーはまだ始まったばかりのようです。現在、オープニング・キャンペーン中です。

全体のシステムは、コマツのCSS-Netという電子配信システムを利用しています。

インプレスR&Dの調査資料が、30種類弱ライブラリーに登録されており、有償で閲覧できます。無償のお試しもできます。

早速、実際に試してみました。

まず、FireFoxで、「試読」ボタンを押しましたところ、ダウンロード中の状態になって先に進みません。

諦めて、Webページをもう一度良く見ましたら、
「 OS:Microsoft Windows(2000/XP)、ブラウザ:Internet Explorer 6.0 以上、モニタ解像度:800×600ピクセル以上、JavaScript ON
※ Macには対応していません。
※ Windows Vistaは現在のところ未対応です。今後対応予定です。」

とあります。IE専用なんですね。そこで、やむを得ず、IE7でやり直してみました。ActiveXコントロールをインストールして制御するようです。

ActiveXはあまり好きじゃないですが、やむを得ず、インストールしました。DjVuのビューアがインストールされて、調査報告書を読むことができます。こんな感じです。

表示速度はそんなに速いとは感じません。DjVuの画面上で調査資料を読むのは少しつらいように思います。正直に言いますと、やはり、PDFの方が文字の表示は綺麗で見やすいと感じました。DjVuは、ラスターイメージのためのファイル形式です。アウトライン・フォントは、一定の解像度でラスター・イメージになってしまい、表示の際に拡大しても精度に限界があり、綺麗に見えないようです。このためDjVuはテキスト系資料の表示にはあまり向かないのではないでしょうか。

無償で試すことができますので、関心をお持ちの方はお試しになることをお勧めします。

参考資料:DjVu Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/DjVu

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2007年09月27日

著作権保護とPDFによる情報販売について(1)

現在、書籍、マニュアル、調査報告書、企業・団体年鑑類などについての販売は、紙から電子媒体に移行しているものと思います。

このような資料の電子媒体といえば、PDFが最有力候補です。しかし、PDFで情報を販売すると、一旦、販売した情報の複製を防ぐのはなかなか難しいものです。この問題で悩んでいる人は多いと思います。

話を聞きますと、PDFによる販売への取り組み姿勢は、大体、次のパターンになるようです。
1.情報を長いこと、印刷物として販売してきた会社は、紙からPDFへの移行に躊躇している会社が多いようです。それは、PDF化して販売すると複製されてしまうことから売上数量が減ってしまうかもしれないという懸念があるためのようです。

2.PDFによる資料の配布を他のビジネスの販売促進として位置づけている会社や、あるいは、新しく情報の販売を始めた会社は、比較的気軽にPDFによる販売を始めるようです。それは、前項の裏返しとも言える心理、すなわち、販促手段なので複製されても構わない、いままで紙の売上がなかったので、PDF販売が売上面のマイナス材料になる懸念がない、不正コピーは予め想定して価格をつける、などの心理が働いていると思います。

PDFの形式で販売した情報の不正利用(著作権者の意図しない利用)を防ぐための手段の一つに、PDFにパスワードでセキュリティを設定する方法があります。

これは、もうかなりの人が知っていると思いますが、話を聞いてみますと、このパスワード・セキュリティは、情報販売を行っている人たちの間では、あまり信頼されていないようです。PDFのパスワード・セキュリティを解除するソフトウェアもいくつか販売されているようですから、情報販売者における、PDFのパスワード・セキュリティへの不信感は理由のないことではありません。

PDFで情報を販売するにあたって、全く複製ができない、あるいは、一定の回数だけしか複製できない、あるいは、配布者が意図するように複製を制限したい、というセキュリティを設定できるようになれば、不正コピーの心配はなくなると考えられます。これによって、情報提供者側の懸念材料が小さくなり、電子媒体による情報の取引が活発になるだろうと予想できます。

紙に代わる電子媒体のデファクト標準と言えるPDFを情報販売用のメディアとして、どのような方法でセキュリティを付けたら良いか、ということはかなり大きな課題と思いますが、この課題は、最適解を見つけるのはなかなか難しいと思います。不正コピー対策を厳しくすればするほど、利用しにくくなり、却って需要が減ってしまうという懸念があるからです。

ちなみに、今日、配布されたキーリングPDFのメールニュースを見ましたら、「電子書店パピレ ス」の天谷幹夫 氏の発言の次のような引用がありました。「実は、著作権保護をかけると、かけないものの一割ぐらいにまで売上げが急落するものなのですが、キーリングPDFで著作権保護を かけた物の場合、売上げは約8割くらいの水準をキープしています。 」著作権保護を掛けると売上が一割ぐらいまで急落するとは、ちょっと驚く数字です。パピレスの場合は、コンシューマ向けの情報なので、利便性が非常に重要なポイントなのでしょうけれでも。

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2007年09月13日

XSL Formatter ケーススタディを公開

XSL Formatterケーススタディ」のページでは XSL Formatter を実際に運用していますユーザ様のケーススタディを掲載しております。今回、以下のケーススタディを追加いたしました。XSL Formatter 運用の参考にしていただければと思います。

技術論文誌「NEC技報」の自動組版(技術論文のWeb入稿による自動組版)
六法集のWeb入稿による編集・自動組版システム
会員向けDM自動組版(加盟店情報のWeb入稿による自動組版)
オリジナルカタログ作成ツール「PROPO」(営業マン支援の提案書作成ツール)

これらのケーススタディは、9月7日のX-over Dev Conで紹介させていただきました内容をレポートしてまとめたものです。

この中の二つは、昨年のPage 2006にてエクスイズムより紹介があり、本ブログでも紹介済みです。

2006年02月04日 自動組版によるPDF生成で六法全書を出版
2006年02月05日 Webで加盟店情報をPDF化

上のブログの記事と今回のペーススタディのレポートと合わせてご参照いただければより詳しく理解していただけるものと思います。

他のケーススタディは、NEC技報のXML入稿・組版と、オリジナルカタログ作成ツール「PROPO」につきましては、今回が初めての公開です!

NEC技報のようなメーカの技術評論誌は、他の会社でも沢山発行されていると思います。現在は、その多くが、恐らくDTPを使って作られているものと思います。それらは、だんだん、紙の出版物から、電子媒体へ、また、WebのHTMLとPDFへと発行手段が変遷していくと考えられます。そうした中での、電子的にデータを蓄積すること、蓄積したデータをHTMLやPDFといった形式で入手可能にするシステムとして、先駆けのケースと言って良いと思います。

また、オリジナルカタログ作成ツール「PROPO」のようなカタログや提案書作成もXMLによる自動組版の向いた分野と考えられます。

このようなシステムを研究していただいて、より多数の方に、XSL-FOを採用していただければ幸いです。XSL-FOは、他にも多数の優れた利用例がありますので、これからもっと積極的にケーススタディに紹介させていただきたいと考えています。ユーザの皆様にはぜひご協力をお願いします。

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2007年07月14日

日本のハンコをPDFで実現する方法

最近、見積書や注文書がPDFで送られてくるケースが増えています。で、最近、見積書や注文書がPDFでやりとりするケースが増えています。そこでPDFで印鑑を押す機能を作ろうと思い、少し調べてみました。

まず、日本の見積書、注文書、契約書などの印鑑は、文字と重ねて付くことが多いようです。これがなぜなのか、よく分かりません。

大体、弊社にあります、様々な会社とやりとりした契約書や見積書などは、9割がた印鑑を文字に重ねてついています。私も、昔(会社員になりたての頃)印鑑は文字に重ねてつくものと教わったような気がします。

しかし、改めて調べてみますと、印鑑を文字に重ねて付くのが正しいやり方なのかどうか?多少の疑問を持ち始めました。

それはともかく、印鑑の印影を単純な画像(BMPなど)にしてしまいますと、ちょっと困ったことになります。

それは、通常のBMP形式などの印影画像を文字の上に付きますと、次の図のように文字が画像の下に隠れてしまいます。
20070714-1.PNG

通常のBMP形式などの印影画像を透かしにして、貼り付ける場合、不透明度の設定ができますので、不透明度を90%にしてみました。そうしますと、次のように、印影の部分も一緒に不透明度が設定されますので、全体が薄くなってしまいます。
20070714-2.PNG

じゃあ、と言うわけで、透かしを文字の下(背面)につけてみます。そうしますと、この図のように一見うまくいきます。
20070714-3.PNG

しかし、この方法はうまくいかないことがあります。印影の上になにか不透明の画像が配置されますと、印影が画像によって隠されてしまいます。

で、どうしたものか、単純に考えますと、印影画像の中で文字のない部分を透明にしてしまえば良いということになります。ただし、文字のない部分を透明にしただけではだめなので、印鑑の文字の不透明度を90%にしてみました。
20070714-4.PNG

それにしても、日本のハンコって文字に重ねてつくべきものなのでしょうか?

これなら日本の印鑑をついたものがPDFで実現できていると言えそうですが、如何でしょうか?

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2007年07月10日

「書けまっせ!!PDF2」のユーザ利用例のご紹介 (第二弾)

先日、「書けまっせ!!PDF2」のユーザー様を取材させていただき、利用例としてまとめた「ユーザー利用例のご紹介」ページを公開しました。その続き第二段を公開しましたので、ご紹介します。

○利用例目次ページ
http://www.antenna.co.jp/kpd/casetop.htm

「書けまっせ!! PDF2」の利用例は、私達が最初に想像した以上に多様です。PDFがそれだけ幅広い層に活用されるようになってきたということを示しています。

【農業】 営農組合事務の能率アップに貢献

岩手県北上市にある営農組合では、国の新しい農政施策(品目横断的経営安定対策)の報告書や申請書の作成に「書けまっせ!!PDF2」を活用し、事務効率のアップに役立てています。

【建設・土木】 PDFの申請書や図面への書き込みに活躍

建設業界でも多様されるPDFの書き込みに活用。静岡県沼津市の建設会社相澤興業では、申請書や設計図面など小規模事業所ならではの多彩な事務に「書けまっせ!!PDF2」を応用しています。

【教育】 中学校の事務で「書けまっせ!!PDF2」を活用

教育機関でも資料や申請書類の配布がPDFで行われています。青森の町立中学校の事務室では、次第に増えつつあるPDF書類の書き込みに「書けまっせ!!PDF2」を活用しています。

【福祉・介護】 障害者施設の運営に「書けまっせ!!PDF2」を活用

障害者福祉施設では、厚生労働省が公開しているPDFを自治体の仕様に修正。記入には「書けまっせ!!PDF2」を使用しています。

【教育】 教育事務所の事務に「書けまっせ!!PDF2」を活用

県に提出する定期的な報告書への記入や、会議の資料をPDF化し、メモ書きとして活用しています。

【建築・設計】 照明イルミネーションの提案や設計図面を美しく仕上げる

照明やイルミネーションの設計・施工業を営む山上電気工業(大阪)では、PDFの図面などに写真やコメントなどを書き込む際、「書けまっせ!!PDF2」を活用しています。

【行政書士・社会保険労務士】 車庫証明の作成はPDFに書き込めるツールが便利

官公署にてPDFファイルで公開されている書類への書き込みに「書けまっせ!!PDF2」を活用。行政書士は地図を貼り付ける車庫証明に、社会保険労務士も離職証明書など電子申請できない書類に便利。

【スポーツ】 テニスの団体役員、大会申請用紙の記入に「書けまっせ!!PDF2」

大会などのイベントの申込用紙は郵送などで送られてくることが多く、PDF化して関係者に配布したり、「書けまっせ!!PDF2」で記入。大変助かっています。

【倉庫・運送】 会社内管理全般にPDFと「書けまっせ!!PDF2」を活用

インターネットからPDFフォームの管理帳票をダウンロードして活用している。「書けまっせ!!PDF2」は、直接PDFに書き込め、更新できる点が便利。

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「書けまっせ!!PDF」は、現在、V3の開発を鋭意進めていますが、こうして多くの方々に利用していただいていることを知り、V3の開発にますます力が入ります。ご期待ください。(え!まだ早いって?)

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2007年07月07日

「書けまっせ!!PDF2」のユーザ利用例のご紹介

「書けまっせ!!PDF2」のユーザー様を取材させていただき、利用例としてまとめた「ユーザー利用例のご紹介」ページを公開しました。様々な職種、いろいろな業務に幅広く応用されています。皆様のご参考にしていただければ幸いです。

○利用例目次ページ
http://www.antenna.co.jp/kpd/casetop.htm

現在、公開されていますのは次のような例です。

【公認会計士・税理士】 国税局への提出書類の作成や修正を「書けまっせ!!PDF2」で

国税局が公開している提出書類の多くはPDF。横浜市にある会計事務所では、「書けまっせ!!PDF2」を巧みに使い、税務上の様々な書類作成にPDFをうまく活かしています。

【建築・設計】 PDFの図やグラフへ「書けまっせ!!PDF2」を使って書き込み

東京にある大手ゼネコンの研究所では、音響調査で作成したグラフをPDF化し、コメントや図形の追記などに「書けまっせ!!PDF2」を活用しています。

【製造業・自動車】 内外からの文書をPDF化し、営業などに活用

横浜市にある自動車架装メーカー株式会社シンセイでは、内外の文書をPDF化して管理運用しています。PDFへの書き込みができる「書けまっせ!!PDF2」を使って業務の効率化を進めています。

【施工・販売】 住宅の施工・販売関連業務に「書けまっせ!!PDF2」を利用

新潟県長岡市のアーバン住宅総合センターでは、「書けまっせ!!PDF2」を使用することで、建築・建設業で使われる様々なPDF書式を活用しています。

【教育】 小学校の教頭先生も「書けまっせ!!PDF2」を活用

学校文書では日付や名前を修正するのに活用。文献・資料などをPDFで管理し、「書けまっせ!!PDF2」でコメントを記入。雑誌等の原稿の校正にも利用されています。

【大学・研究機関】 理工学部の教授、「書けまっせ!!PDF2」を活

研究教育用のフォーマットの定められた書類や、文部科学省への申請書類など、最近はPDFが多く、非常に重宝しています。

【生活】 証券会社への申請、税務署への届出、会社の保養所申し込みなどに不可欠

大手家電メーカーを退職し、老後を楽しんでいる大阪在住のHさんは、年とともに目が不自由となり、書類への書き込みは画面で拡大表示ができるPDFが一番とのこと。「『書けまっせ!!PDF2』を使うことでPDFに直接記入してそのまま提出することが可能になり、再利用もできて便利。」

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こうしてみますと、思った以上に様々な使われ方をしているのにびっくりします。やはり、PDFは電子の紙だけあって、紙が使われているあらゆる分野で利用できるのですね。今後より多くの方にお使いいただきたいと念願しています。

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2007年07月06日

PDFによる決算公告の増加 — 続き

会社や組合が行わねばならない公告について、昨日に続けて少し調べてみました。

まず、公告については、(1)決算公告と、(2)会社の分割や合併など決算公告以外に分かれます。
○会社法に基づいて、会社・組合等の各種法人等が行う主な公告は次のものです。
* 合併に関する公告
* 会社分割に関する公告
* 組織変更に関する公告
* 解散公告
* 資本金の額の減少及び準備金の額の減少公告
* 基準日設定公告
* 定款変更等通知公告
* 組織再編等通知公告
* 株券等提出公告
* 外国会社の全ての日本における代表者の退任公告

公告対象と公告の手段についてはこちらに一覧があります。
http://www.gov-book.or.jp/contents/user/koukoku/5_kaisya_kumiai.html
これを見ますと、半分位は官報で行うことになっているようです。残りの半分が、定款で決めればその他の方法でも良いということになります。

その他の方法のひとつとして電子公告が位置づけられることになります。

電子公告制度については次に概要があります。
○電子公告制度について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji81.html

電子公告の中で決算公告は別扱いとなります。特に、法人登記すべき事項についての公告は、調査機関に調査を委託して、調査機関が正しく公告されたかどうかを調査し、その調査報告書を法人登記の申請書に添付する必要があります。

○決算公告の特例
・決算公告では、調査機関の調査は必要がありません。
・電子公告を公告方法とする場合、官報や日刊紙に公告する場合と違って、全文を掲載しなければなりません。これは、なぜか理解できませんが、官報などでは要旨のみで良いので公開する側にとっては望ましくないかもしれません。
・決算公告は公開は定時株主総会の終結の日から五年を経過する日までの間継続して行わないといけない。5年継続してやっていることをどうやって証明するのでしょうね?
・自己のWebページでも良いですが、URLを登記する必要があります。
・決算公告は法律で義務付けられていて、違反は100万円以下の過料処分です。う~ん。

電子決算公告を掲載するサービスを提供しているWebには、昨日の電子決算公告推進協議会のほか、CSCがあります。電子決算公告推進協議会の料金は分かりませんが、CSCの場合は、料金が5年間で10数万円になりますので官報よりは高くついてしまうようです。これだけですとあまりメリットを感じません。

○会社の合併などは登記するために調査機関の調査報告が必要です。
調査機関は現在5社が登録されています。
登録された電子公告調査機関一覧

調査費用は、1件20万円前後から30万円くらいです。

調査会社に調査を依頼しますと、法務局に通知がいきますので、法務局で電子公告掲載中の会社の公告の情報を把握できるようです。Webで検索できます。

・法務省電子公告システム
http://e-koukoku.moj.go.jp/

実際に検索してみますと、公告情報は全てPDFになっています。
調査機関は、調査期間中、PDFが改竄されていないことをチェックしなければなりません。各調査会社はどのように改竄の有無をチェックしているか分かりませんが、これはPDF電子署名を使うと一番良い場面です。この場合のPDF電子署名は内容の改竄のチェックということになりますので、タイムスタンプでも良いでしょう。

しかし、検索してみたところ、実際はPDFにオーナー・パスワードセキュリティ(編集禁止など)をかけているだけで、電子署名をつけている企業はほとんどありません。

オーナー・パスワードセキュリティだけで改竄されてないことを立証するのに十分なものなのでしょうか?調査会社はそのことをどうやって保証しているのでしょうか?

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2007年07月05日

PDFによる決算公告の増加

会社を設立したことのある人でしたら、会社の決算などの重要事項について公告をしなければならない、ということは知識としては知っていると思います。

こうした公告は、以前は官報で行ったり、日経新聞の紙面で行ったりすることが中心でした。官報は価格も安く比較的簡単に利用できましたし、会社設立のための定款の解説書でも官報を紹介している例が多いと思います。

しかし、実際には大多数の企業、特に中小企業は公告をおこなっていないのが現状と思います。以前は、決算公告の義務違反と、株券発行の不実行ということが2大商法違反項目だったとか。

このうち、株券発行については、以前は、「株券を発行しない」と定款に明記しないと株券発行会社として扱われたのですが、2006年5月から施行された新会社法では、逆に、「株券を発行する」と明記しないと株券を発行しない会社として扱われるようになりました。つまり、既定値が「株券を発行しない」に変わったことで、株券発行の不実行という会社法違反は減ると見込まれているようです。

それに対して、決算公告については、新会社法でも義務とされました。そしていままでは商法違反に対する罰則は緩かったようですが、今後は、新会社法違反に対しては、中小企業であっても厳しい罰則が科せられるようになると予想されています。社会全体として法律準拠への要求が高まっているということです。

また、これは新会社法以前からですが、公告をWebで行ういわゆる電子公告が認められています。電子公告を行うには、定款に公告するサイトのURLを記載するように定款変更を行わねばなりませんけれどもそうすれば、Webページで公告を行うことができます。

そんな背景があって、電子公告が増えています。そして、その電子公告の媒体としてはPDFが主に使われているようです。

今日は、NPO「決算公告推進協議会」の方にそんなお話を伺いました。
■決算公告推進協議会
http://www.kessan-koukoku.or.jp/index.html

「決算公告推進協議会」のWebサイトではバランスシートをPDF形式で一定期間公開することができます。

「決算書」(B/Sサンプル)

この話を伺って、調べましたところ、他にも決算公告をサービスするサイトが出てきているようです。PDFによる電子公告はこれから大きな成長が見込まれます。

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2007年05月25日

XSL Formatterケーススタディ:ブログ製本サービス

XSL Formatterのケーススタディに、クインランドのブログ製本サービス「QBook」が紹介されました。

詳細はこちらをご覧ください。
☞ ブログ製本サービス「Qbook」(キューブック)

ブログのPDF化、製本サービスにつきましては、以前に何回かこのブログでも取り上げましたとおり、無償のPDF化サービスから、有償の製本サービスまで様々なサービスがあります。QBookは、それらのサービスの中でもかなり強力なシステムのように思います。

製本サービス依頼者が、(1)Webブラウザ上から、かなりこだわったページのレイアウトを指定できること、(2)オンラインの内容編集システムで、Webブラウザからブログの内容の編集や、記事の並び替えなどができること、(3)製本するまえにWebブラウザから出来具合をプレビューするためにFlashプレビューで確認できるのことなどが特徴です。

ケーススタディに次の画面が紹介されていますとおり、プレビューをPDFではなくFlashで実現したことで、出来上がりの本をイメージしやすくなっていると思います。
qbook2

XSL Formatterは、サーバ上でXMLからPDFを自動生成するのに使われています。

記事の編集結果とレイアウトから、オンデマンドでPDF化されますが、さらにサーバ上でPDFはJPEGを経由してFlashのデータになります。そして、FlashのプレビューでOKがでて、発注されたならば、PDFをオンデマンド印刷システムで紙に印刷して製本すると言うシステムになっています。このあたりが完全に自動化されているのも特徴です。

クインランドのブログ製本サービスは読売新聞(2006/7/24)、産経新聞(2007/2/12)などで様々な新聞にも取り上げられていますが、それらの記事を見ますと、子育て日記をブログに書くだけではなく、さらに本にして家族や親戚に配りたい人たちに喜ばれているとのことです。ブログというWeb上の日記を、本と言う形のあるものにするということに、また別の楽しみが加わるのですね。

クインランドでは、このシステムの販売も行うとのことですので、関心をお持ちのかたは下記までどうぞ。

Qbookに関するお問い合わせ先:
株式会社クインランド DMES事業本部
企画営業部 福山氏  TEL. 078-858-5721
システム部 遠藤氏  TEL. 03-5408-189

【ご参考】過去のブログPDF化についてのお話
2006年09月22日 ココログ出版 (XSL Formatter 利用例)
2006年08月23日 ブログをPDF化するサービス 続き
2006年08月22日 ブログをPDF化するサービス

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2007年04月24日

XSL Formatterケーススタディ:法制執務支援システム他

XSL Formatterのケーススタディに2件が追加されました。

法制執務支援システム「じょうれいくん」

「じょうれいくん」は、地方自治体、官公庁、学校、病院、各種企業の、組織の決め事や周知事項などの文書を例規集として取りまとめ、改正する度に例規集を更新されていると思われますが、そういった例規集でをXML化して、管理するシステムです。このXMLをページアップして、PDFにするのにXSL Formatterが使用されています。

WagbyとXSLFormatterとの連携

Web データベース「Wagby」に格納されたデータをオンデマンドにPDFに変換し、Webブラウザ上に表示させることができるようになりました。帳票レイアウトを(データの内容に応じて)変更する処理をXSLTに集約させることで、アプリケーションサーバの処理と切り離しつつ、きめ細かい条件分岐を行うことができました。これによって開発チームの役割分担が明確になり、また、保守性も向上させることができます。

◎XSL Formatterをご採用いただいているケーススタディは、こちらでご覧いただくことができます。新しいシステムを企画・ご提案いただく際の参考資料としてお役立てください。
http://www.antenna.co.jp/XSL-FO/casestudy/

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2007年04月07日

問題集・教材のコンテンツ作成のXML化とXSL-FOによる誌面制作

株式会社ベネッセコーポレーション様による、高校生用大学情報誌面、大学入試の問題集、高校の定期テスト対策問題集などのXSL-FOによる制作のケーススタディが公開されました。

「高校生用の大学情報誌面の組版」
「複雑な体裁の問題集の組版」
「大学入試問題を扱った教材誌面の組版」

ベネッセコーポレーション様は、かなり古くからXSL-FOによる教材制作に挑戦されていましたが、このケーススタディでもXSL-FOとしては、かなり高度なレイアウトを実現している部分が見られます。

例えば、「大学入試問題を扱った教材誌面の組版」では、縦書きで漢字にルビを振り、さらに傍線を引いた箇所が見られます。このあたり、かなり複雑なスタイルシート設定を行っているのではないかと推測します。

同社の事例につきましては、先日の、Page2007の「XMLパブリッシングと高度な日本語組版」のセッションでも発表がありました。

今回のケーススタディでは、同日の発表内容よりもかなり詳しく踏み込んだ内容が公開されています。この資料を参考にしていただき、他の会社でも同じような取り組みが活発に行われることを期待します。

XSL Formatter ケーススタディのページ

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2007年03月11日

米国連邦政府系のE-Form(電子フォーム)サイト

米国では、政府系のフォーム(様式)を一箇所に集めたWebサイトがあります。これは随分昔からやっているようですので、既に、ご存知の方も多いかもしれませんが。

Foms.gov
「副題に米国政府の連邦フォームのための公式ハブ」とあります。

Q&Aを見ますと、全ての政府機関を網羅してはいないとのことですが、2007年3月10日現在で5400種類以上の企業向け・市民向けのフォームを収録している、とあります。

アンテナハウスでは、先日、「書けまっせ!!フォーム」を公開しました。この「書けまっせ!!フォーム」のアイデアを検討しているとき、日本の官庁のWebページのフォームをいろいろ調べてみました。日本では、電子政府のWebページはありますが、各官庁のWebページへのリンク集です。政府機関を横断してフォームを集めたサイトはないようです。ですので、米国には、こういう横断的なサイトがあるというだけでも、日本の縦割り行政との違いを感じます。

Foms.govでよく使われるフォーム順のところでは、税金関係がトップに上がっています。日本でも恐らく税金関係が多いのではないかと思いますが。

ところで、このフォームのPDFを見てみますと、データを入力するところに、「フォームフィールド」が設定されています。
20070311.PNG

日本で官公庁が配布しているPDFにフォームフィールドが設定されているのは見たことがありません。さすが、PDFの利用が進んでいる、というべきでしょうか。

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2007年02月21日

雛形PDFにデータを差し込みして、新しいPDFを作成

XSL Formatterは、XSL-FOでレイアウト指定されたドキュメントを組版してページを作りだし、その結果をPDFに出力するソフトです。

XSL Formatterではページの背景(ページの一部を含む)にイメージ画像だけでなく、PDFもそのまま使うことができます。この背景画像として、PDFで作成されたフォーム(帳票)を使えば、PDFで作成した雛形帳票にデータを書き込むソフトとしても使えることになります。

XSL-FOをサーバサイドで、ダイナミックに生成して、それを雛形PDFに書き込んで、新しくPDFに出力すれば、それは、そのままPDFにデータを差し込みして、新しいPDFを作成するソフトとして使えます。

実は、このアイデアをデスクトップ製品として実現したのが、「書けまっせ!!PDF2」なのです。

ところが、最近は、「書けまっせ!!PDF2」で、帳票のバッチ処理をしたり、あるいは、「書けまっせ!!PDF2」のような機能をサーバサイドで使いたいという問合せがちょくちょく入ってくるようになりました。

そこで、原点に帰って、「XSL FormatterでPDF用紙に差し込み印刷」という簡単な資料を作成してみました。

詳しくはこちらをご覧ください。
「PDF資料室」
「XSL FormatterでPDF用紙に差し込み印刷」

この資料を作るのに2時間くらいかかってしまいました。それにしても最近XSL-FOをほとんど忘れかけています。(もっとも、もともと、そんなに詳しい訳ではないのですがね。)

XSL-FOを使えば、こんなこともできるんだということを知っていただきたいと思います。それで、皆さん、もっとXSL-FOを勉強しましょう。世界標準XSL-FOについて、もっといろいろな用途に応用したり、新しいアイデアで活用できる人が増えて欲しいものです。

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2006年09月23日

米国議会図書館のコレクション文書(XSL Formatter利用例)

米国の議会図書館(Library of Congress)では、色々な資料のPDF化にXSL Formatterを使っています。それで、なにか公開している利用例はない?と聞いてみましたところ、幾つかURLを紹介していただきましたので、次にご案内します。

次のページをご覧ください。
http://memory.loc.gov/cocoon/ihas/loc.natlib.ihas.200033529/full.html
http://lcweb2.loc.gov/cocoon/ihas/loc.natlib.ihas.200028017/full.html

右の方にView PDFというリンクがありますが、そこからPDFファイルをダウンロード・表示できます。PDFのプロフィールを見ますと、確かに「XSL Formatter」で作成したとあります。

最初のPDFは、Richard Rogers Collectionという表題です。ハマーシュタインとペアを組んで、「王様と私」、「オクラホマ」、「サウンド・オフ・ミュージック」などの様々なミュージカルの曲を作った人ですね。この人の業績を集めたものの説明書のようです。

PDFの本文
20060923-1.PNG

本文は上のように、見出し付き箇条書きの体裁になっています。

2番目のPDFは、Jazz on the screen - a jazz and blues filmographyという表題です。内容は、14000に上る、映画やテレビのフィルムで流れている1000曲に上るJAZZやブルースをデータベースに収録し、それを取り出してPDF化したもののようです。

PDFの表紙
20060923.PNG

データベースからデータを取り出して、XSL スタイルシートでレイアウトを指定し、XSL FormatterでPDF化したものです。本文には2段組、3段組が使われています。トータル1082ページです。

XSL Formatterによる自動組版で可能なレイアウトの一つの例として参考にしていただきたいと思います。


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2006年09月22日

ココログ出版 (XSL Formatter 利用例)

8月21日から22日にかけて、ブログのPDF化についてお話しました。
ブログをPDF化するサービス
ブログをPDF化するサービス 続き

この時、ニフティのココログ出版に、弊社の製品(XSL Formatter)が使われていると書きました。

そこで、早速、あさひ高速印刷様にケーススタディでの紹介をお願いしました。次のXSL Formatterケーススタディのページに紹介しましたので、参考にしていただければと思います。
ケーススタディのご紹介

ブログを本にする出版サービスは、これからも増えていくと思います。

ブログのコンテンツはXMLになっています。それを取り出して、XSL Formatterで自動組版してPDFにする、というのは大変親和性の高い応用領域の一つのように思います。こういうことを早くから考えられたあさひ高速印刷様に敬意を表したいと思います。

XSL Formatterは、こういう用途には一番適切なツールと思いますので、ぜひ、他のブログサービスでもご採用をいただきたいものです。

なにとぞ、よろしくお願いします。

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2006年08月23日

ブログをPDF化するサービス 続き

ブログをPDF化するサービスをもう少し調べてみました。

5.エキサイトブログ
エキサイトブログのPDF出版は、2年も前(2004年7月24日)に、極東ブログに「PDF出版とブログ」というタイトルの記事で紹介されています。

エキサイトブログは、オプションサービスのアドバンス(月々250円の有償サービス)に申し込みすると、毎日のブログをPDFで保存できます。

エキサイトブログで作成したPDFのプロパティをみますと、組版はLaTeXを使っています。PDF出力はdvipdfmxとなっています。

結構、大勢のブロガーが使っているようで、ブログの内容のPDF版をダウンロードできるようにしている人も見受けられます。

6.BookIt
BookItというのは、はてなダイヤリーなどのブログサービス会社と提携して、PDFを持ち込んで本をつくるサービスを提供しているんですね。

いろいろなブログのシステムでPDF化して、そのPDFをBookItに送って本に仕上げるということのようです。はてなダイヤリーが一番先だったようで、近藤社長のインタビューが紹介されています。

はてなダイアリーブックの誕生と成長

7.アメーバブログ
アメブロde本!というサービスをしています。アメブロde本!は表題の通り、PDF化というよりは、本にすることを主眼にしているようです。

Q&Aのページをみますと、目次ができない、画像の回り込みができない、など自動組版のレイアウト機能はあまり強力ではないようです。

アメブロのサービスでは、PDF化のことはまったく触れられていませんが、個人の趣味のブログでは、PDF化をアピールするよりも本にして楽しむことをアピールしているのでしょうね。

裏のしくみは推測になりますが、本を作る前にPDFを経由して印刷しているのではないかと思います。

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2006年08月22日

ブログをPDF化するサービス

ブログをPDF化・書籍化するサービスは結構いろいろなところで始まっていて、あまり新しい話題というわけでもないですが、どの位あるか調べてみました。

1.BizPalブログ本作成サービス

欧文印刷とイーストが行っているもの。
ブログをPDFに変換する無料サービス「mt2pdf」

簡単なレイアウトしか実現できません。

ムーバブル・タイプのインポート・エクスポート形式をPDFに変換する方式です。
無償サービスだそうです。

2.ブログ出版局

やはりブログからエクスポートしたデータをPDF化。
こちらは本を作成するサービスを中心としているようです。
無償でお試しPDFを作ることができるようです。

やはり横書きの簡単なレイアウトしか実現できません。

3.はてなダイアリーブック

はてなダイヤリーブックは、日記を本にすることが主な目的のようです。見本のPDFを作るにもポイントが必要ということ。

mt2pdfとブログ出版局と比べると、レイアウトの種類がやや多く、横書きのみでなく縦書きもできます。

4.ココログ出版

サンプルPDFを作って、それで確認して本にします。
表紙、本文のレイアウト・パターンを幾つか選んで組み合わせるなどができます。横組みのほか、縦組みもできます。ココログ出版お申し込みフォームのページからデザインのサンプルのページを見ると、レイアウトパターンが充実しています。

で気になるのは、どんなPDF出力ツールを使っているかなんですが、
・BizPalブログ本作成サービス:iText
・ブログ出版局は、自前の組版エンジン:cssj
・はてなダイアリーブック:Adobe
・ココログ出版のサンプル:XSL Formatter

こうして見ますと、ココログ出版のレイアウトサンプルが一番よくできているように思います。やはり、組版ソフトにXSL Formatterを使っているということで差がでているのでしょう。

BizPalブログ本作成サービスなどでは、ブログのPDF版ではレイアウトを凝る必要がないと考えているのかもしれません。でも、利用者のコメントを読みますと、あまりレイアウトには満足していないような印象も受けます、改善の余地もあるのではないでしょうか。

※当初の記事にはココログ出版で使用しているツールについて記述に間違いがありましたので、訂正しました。

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2006年07月19日

PDF Tool V2:よくあるご質問

PDF Tool にお寄せいただいた質問を FAQ としてまとめて行きます。今回は次のご質問に対する回答を「よくあるご質問」に記述しました。ご参考にしていただければ幸いです。

Q. Excel からPDFを一括出力する際に、出来上がったPDF に指定した文字列をヘッダとして書き込みたいのですが、どうやったらできますか? [No.2006001]

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2006年02月26日

PDFと印刷

アンテナハウスの設立は1984年ですが、その頃は、ちょうど、ワープロ専用機が世の中に普及し始めた時代でした。そうして、ちょうどその頃に普及していたのが電算写植機です。同時に、パーソナルコンピュータが普及を始めた頃です。

この3点セットが普及をする前は、印刷用の版下を作成する作業は、(1)手書きの原稿をお客さんから受け取って、(2)オペレータが写植機にデータを入力して組版して、(3)版下を切り張りで作成する、という流れで行われていました。

電算写植機の登場により、版下切り張りの必要がなくなりましたが、相変わらずデータの方は手入力だったわけです。

一方で、印刷の発注先であるユーザ企業の間にワープロ専用機が普及したことから、ワープロで入力したデータをなんとかして電算写植機にそのまま入力できないかというニーズが生まれました。

これを可能にしたのが、1980年代後半、当社が商品化したMS-DOSテキストファイル・コンバータです。このMS-DOSテキストファイル・コンバータは、主に富士通のOASYS、シャープの書院、NECの文豪、東芝のToswordやRUPOなどのワープロ専用機で作成した原稿を、印刷会社が電算写植機に入力するためのデータとするための用途に使われたのですが、1980年代後半には、それこそ飛ぶように売れたものです。

いまは、登場する役者が全部変わってしまいましたが、電算写植機をRIP(Raster Image Processor)にワープロ専用機のデータをPDFに置き換えて見ますと、同じような状況が起きているのかも知れません。

吉田印刷のDTPサポートブログには、PDFを印刷入稿に使う7つのメリットという記事があります。
[1062][PDF]PDF形式の7つのメリット~なぜPDFなのでしょうか?

ユーザ企業にはPDFがどんどん普及しています。ユーザがPDFにしたデータをそのまま印刷用の完全データとして使って、印刷機にセットし、印刷ができるのならば、こんな便利なことはありません。

しかし、話に聞きますと、印刷会社ではPDF入稿をあまり歓迎しない向きもあるとか。
どうしてこんなことになってしまうかと言いますと、PDFがあまりにもなんでも取り込みすぎたからでしょう。

極端な例が、低価格のスキャナで紙をスキャンしてPDFを作るケースもかなり多く、多分、スキャナで作ったPDFはPDF全体の10%~20%は占めているのではないかと思います。スキャナ派はAdobe Readerで表示できるものがPDFであると考えているのではないかとも思います。

そこまで行かなくても、印刷の原稿としてのPDFにはいろいろ問題があるようです。
Page2006などの展示会で印刷機材のメーカのカタログを見ますと、Acrobatで作成したPDFしか保証しない、ということをうたっているケースもしばしば見かけます。というよりもAdobe以外のサードパーティのPDF作成ソフトで作ったPDFを保証している印刷機材は殆どないのが現状のように思います。

しかし、これはやはり困ります。なんとかしなければなりません。

そんな問題意識があって、PDFを評価するソフトに関心がありましたが、たまたまFacilis GuardianというRIPシミュレータをお借りして試してみることができました。

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2006年02月06日

三井物産株式会社の業務処理マニュアルPDF化

Page2006でエクスイズムが発表した事例紹介の最後に、三井物産の業務処理マニュアルのPDF化で活躍したXSL Formatterについて取り上げたいと思います。

このシステムについては、既にいろいろなところで取り上げられています。例えば:

(1) 三井情報開発のWebページにおけるケーススタディ

(2) 日経システム構築 事例研究 問題解決の軌跡 2005年6月号 pp.41~45
「サーバ増設17台」に絶句 アプリ再開発で4台増に抑える

これは、三井物産が2004年に、「SAP R/3」で業務を電子化するのに伴い、その一部の業務マニュアルの管理システムを構築する際に、NeoCoreを使って成功したという事例です。この事例は、NeoCoreの応用例として幅広くPRされていますので、ご存知の方も多いと思います。

業務マニュアル・システムでは、業務マニュアルをPDF化するのが大きな特徴とされています。このPDF生成には、XSL Formatterが採用されているのですが、残念ながらいままで、このことはあまり大きくPRされていませんでした。まあ、三井物産はNeoCoreを販売していて、そのPRだから当然と言えば当然なのですが。

今回、エクスイズムの徳江社長のプレゼンテーションで、ようやくこのことがPRされましたので、もうかなり古い事例ですが、取り上げてみました。

次の2枚の図は、Page2006でのプレゼンのスライドです。
Mican1.PNG

Mican2.PNG

ということで、業務マニュアルのPDF化にXSL Formatterを使っていることがお分かりいただけると思います。このこと自体は、それ程目新しい話ではないのですが。

上記の日経システム構築の記事によりますと、このシステムの検討では、最初は、AdobeのFormServerを使おうとしたが、パーフォーマンスが悪くて採用できなかった。そこで、.NETフレームワークで再構築、短期間で成功したとあります。ということは、Adobe Form ServerよりXSL Formatterの方が、ずっとパーフォーマンスが良い、ということが証明されたと考えても良いかな?と、私としては密かに喜んでいた次第です。

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2006年02月05日

Webで加盟店情報をPDF化

エクスイズムが発表した、次の事例は、あるクレジットカード会社の会員向けオンデマンドDM制作システムの一部として開発された、加盟店情報をWebから加盟店自らが制作するシステムです。

大抵どこのカードでも、会員に定期的にDMを送っていますが、そのDMの中には数多くの加盟店情報がカラフルに印刷されています。DMには沢山の加盟店情報が盛り込まれますので、加盟店情報の種類が多く制作が大変です。一方で、カード会員に送るDMではできるだけ旬の情報を提供しなければなりません。このためDMを印刷する直前までひきつけて、フレッシュな情報を入力したい、というリアルタイム性が要求されます。

このような、二律背反するニーズにどのように応えるか?それが、クレジットカード会社や印刷会社の知恵の絞りどころでしょう。

このシステムでは、加盟店自らが随時Webブラウザから情報を入力できます。Webブラウザから情報を入力するというのは、別に目新しくはないことですが、さらにこのシステムでは入力した情報を即時にレイアウトしてPDF化し、加盟店が自らPDFを見て校了できることが特徴です。

仕組みは次のようになります。

加盟店がWebブラウザから入力した情報は、インターネットを経由してデータ・センターのデータベースに内部情報として、次のようなXML形式で蓄積されます。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<restaurant>
<kana>インショクジョウホウサンプルデータ</kana>
<name>飲食情報サンプルデータ</name>
<type>メキシコ料理</type>
<address>武蔵野市吉祥寺南町2-20-8 NISHIKAWAビル2階</address>
<information>JR吉祥寺駅より徒歩約7分</information>
<tel>
<number>0422-72-0410</number>
<comment />
</tel>
<business_hours type="営">5:30PM~翌5:00AM</business_hours>
<holiday>年中無休</holiday>
<contents>カラフルでエキゾチックなインテリアの店内は陽気でロマンチックなメキシコそのもの。夜はメキシカンバンドの奏でるメロディを聴きながら料理に舌鼓みをうってみては?</contents>
<budget>5,000円~10,000円</budget>
<url>http://www.exism.co.jp</url>
<discount type="1">
<discount_image>image/pricedown.pdf</discount_image>
<discount_type>注文時</discount_type>
<discount_plan>優待ポイント</discount_plan>
<discount_detail> お好みのケーキを1皿サービス <期間> 2/25~3/31 *2名以上のグループに限る*PAGE2006の入場者にはグラスワイン1杯サービス</discount_detail>
</discount>
<icon>
<new_shop>image/new.pdf</new_shop>
<pay1>image/pay01.pdf</pay1>
</icon>
<image type="1">
<image1 >image/A051231034.jpg</image1>
<image2 >image/A051231034.jpg</image2>
<caption>写真のケーキは一例です</caption>
</image>
<edition_code>12345678</edition_code>
</restaurant>

加盟店がデータを入力し終わって、Webブラウザからボタンを押しますと、このXMLは、サーバ側で動くXSL Formatterによって瞬時にレイアウト・PDF化されて、ブラウザに送信されます。

図 加盟店情報レイアウトのサンプル

kameitenInf.PNG

加盟店側では、ブラウザ上でPDFを表示して内容を確認して、OKであれば校了となります。校了となったPDFはサーバ上のコンテントマネジメントシステムに順次登録されます。あとは、カード会社ではPDFを随時確認したり、DM制作時に必要に応じてそれを取り出して、DMを組み立てて印刷に回ります。

自動組版とレイアウトの自由度について
このシステムでは、PDF作成はサーバ側での完全な自動組版となりますので、加盟店側にはWebブラウザ以外にはなにも必要ありません。また、カード会社・印刷会社でも加盟店情報のレイアウト変更には手間をかけることはありません。従って、従来の加盟店情報をレイアウトするオペレータの作業コストは大幅な削減になります。

一方、レイアウトは予めパターン化しなければなりませんので、人間のデザイナーが自由自在にレイアウトする場合のようなフレキシビリティは、残念ながらありません。しかし、例えば、上のレイアウトパターンでは、画像をひとつにすれば文字の配置は自動的に変更になります。

図 加盟店情報レイアウトのサンプル(画像1個の例)

kameitenInf1.PNG

印刷業界向けの自動組版システムの多くは、自動組版と言いながら、実際はオペレータが後で修正することを前提とする、いわば半自動組版を自動組版と呼ぶケースが多いようです。ここで紹介しましたような完全自動組版というのは意外に少ないと思います。

完全自動組版においてはオペレータの人手をゼロにすることになります。オペレータの作業量をゼロにしながら、その中で、どの程度のレイアウトの自由度を実現していくかは、レイアウトを指定するスタイルシートの作成者の腕前とも言えるでしょう。

組版ソフト側も、ソフトウェアに内蔵するインテリジェンスを高めることが求められるのはいうまでもありません。

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2006年02月04日

自動組版によるPDF生成で六法全書を出版

今日は、2月1日から3日に東京・池袋で開催されたPage2006で、(株)エクスイズムの徳江社長がプレゼンテーション発表した自動組版とPDF利用事例を紹介してみたいと思います。

エクスイズムは、2003年3月にアンテナハウス、株式会社ニシカワセザックス株式会社の合弁でドキュメントXML化、XMLWebアプリ開発、自動組版、印刷媒体制作の連携を実現する会社として設立した会社です。設立後3期になって、XML関連で優れた実績をあげることができるようになってきました。

特に、アンテナハウスにとっては、XSL Formatterの市場を広げていくために貴重な存在となっています。

エクスイズムの事例の中で、なんと言っても一番に紹介したいのは、東京法経学院出版向けに開発した「六法編集システム」です。東京法経学院出版は、有力資格試験取得のための受験指導などを中心とする学校ですが、同時に「登記六法」、「不動産六法」などの六法全書を編集・出版しています。

200602031432.jpg

これらの六法全書は、また、電脳六法としてWebでも提供されています。

法律については、私はあまり詳しくなくて、天下の秀才の人たちが、次々に新しい法律を作り出している位の知識しかありません。しかし、これが結構身近なところにも影響があり、常識と思っていたことが、いつの間にか変更になって困ったこともあります。

そういう時に頼りになるのが、もろもろの法律を集めた六法全書というわけです。六法全書は、それだけに小さな文字でページ数が多く膨大な情報量になります。また、法律の改正情報を迅速に集めて書籍にしなければなりません。そのような理由で、XMLデータベースと自動組版という技術に最も向いた分野と思います。

エクスイズムが、今回開発した六法編集システムは、データの蓄積にXMLデータベースNeoCoreを使います。データの入力にはWebブラウザを使い、Webブラウザから法律の改訂情報を入力して、データベースに蓄積します。

こうした情報の入力は随時行っていき、出版の時期になりましたらデータベースから取り出して自動組版してPDFにします。この自動組版の部分を担当するのが、当社のXSL Formatterです。XMLで作成しデータベースに蓄積されている原稿を、データベースから取り出す際にスタイルシートでXSL-FOに変換し、XSLFormatter瞬時にPDFを生成することができます。

この六法全書の特徴はページの本文のレイアウトが縦書でしかも多段組になっていることにあります。

Roppou3.PNG

特にややこしいのが、膨大な量の索引も自動的に作り出すわけですが、索引にはページ番号だけではなく、「上・中・下」という段の位置まで指定できなければなりません。これも実現したのがひとつの技といったところです。

アンテナハウスでは、今回、これを実現するためXSL-FOの仕様を独自拡張しました。(現時点で、Webでは公開されていませんが、オンライン・ヘルプには載っています。)索引を作るには、通常は、索引語の後ろに、fo:page-number-citationを指定します。組版を完了すると、これは、ページ番号に置き換わります。今回の拡張で、fo:page-number-citationが置き換わるページ番号に段まで指定できるようにしました。具体的には、axf:number-type=”page-and-column”とするとfo:page-number-citationがページ番号と段に置き換わります。さらに、数字の形式を拡張して、この段の数字として「上、中、下」という形式を指定できます。そうすることで、

XXX --- 398上

というような索引まで作成できます。

XSL-FOを使う自動組版は、こういう六法全書のようなものを作るのには最適ではないかと思います。ぜひ、このようなシステムを多くの出版社で採用していただきたいものです。

Pageの会場でプレゼンテーションをご覧になった方もいらっしゃると思いますが、XMLの自動組版でこんなことができるのか!という点で参考にしていただきたいと思います。

詳しいお問い合わせは、エクスイズム(電話番号:0422-40-2571)までどうぞ。

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2005年10月28日

インターネット版の「官報」PDF

「官報」って知っていますか?(どの位の人が知っているんだろうね)。
そうして、インターネット版「官報」というのがあることを知っていますか?「官報」なんて若い人は関心ないだろうから、インターネット版「官報」を知っている人は、きっと、かなり少ないだろうね。
かなり昔のことですが、インターネット版の「官報」PDFをダウンロードして驚いた!

なにに驚いたって?

なにしろ、PDFを印刷不許可、テキストのコピー不許可になっていて、パソコンの画面で見るしか方法がなかったんだもの。しかし、「官報」をパソコン画面で読む人が本当にいるんだろうか?また、「官報」のデータを再入力している人もいるようですが、テキストコピーを許可すれば、データ入力なんてしなくて済むから、便利なのにと思った記憶があります。

で、最近は、どうなったんだろう?と思って、ちょっと見てみました。

Webページに、
「平成17年4月1日発行分より官報データ(PDF形式)の印刷、テキスト選択機能が使用可能となりました。」
とあります。そうか、ようやく官報のPDFが印刷許可設定になったのか。

PDFファイルをダウンロードしてドキュメントのプロパティを見ると:

kanpou20051027.jpg

となっていて、確かに、ドキュメントの印刷、テキストのコピー、アクセシビリティは「許可」に設定されてます。なるほど、ほんの少し使いやすくなった。その上、Webページには、「会社決算公告の官報掲載へのご案内」なんてPRまで掲載されてる!これも、昔の大蔵省印刷局から独立行政法人国立印刷局になったからなんだろうな。

しかし、まだ、PDFでは1週間しか公開されません。印刷物の「官報」を販売することが主目的でPDFは付け足しのようです。

このあたり、将来はDRMの応用分野なんでしょうね。いつになったら、全部電子化されるかな?1年に1回位ウオッチしていこう。

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