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2006年02月05日

Webで加盟店情報をPDF化

エクスイズムが発表した、次の事例は、あるクレジットカード会社の会員向けオンデマンドDM制作システムの一部として開発された、加盟店情報をWebから加盟店自らが制作するシステムです。

大抵どこのカードでも、会員に定期的にDMを送っていますが、そのDMの中には数多くの加盟店情報がカラフルに印刷されています。DMには沢山の加盟店情報が盛り込まれますので、加盟店情報の種類が多く制作が大変です。一方で、カード会員に送るDMではできるだけ旬の情報を提供しなければなりません。このためDMを印刷する直前までひきつけて、フレッシュな情報を入力したい、というリアルタイム性が要求されます。

このような、二律背反するニーズにどのように応えるか?それが、クレジットカード会社や印刷会社の知恵の絞りどころでしょう。

このシステムでは、加盟店自らが随時Webブラウザから情報を入力できます。Webブラウザから情報を入力するというのは、別に目新しくはないことですが、さらにこのシステムでは入力した情報を即時にレイアウトしてPDF化し、加盟店が自らPDFを見て校了できることが特徴です。

仕組みは次のようになります。

加盟店がWebブラウザから入力した情報は、インターネットを経由してデータ・センターのデータベースに内部情報として、次のようなXML形式で蓄積されます。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<restaurant>
<kana>インショクジョウホウサンプルデータ</kana>
<name>飲食情報サンプルデータ</name>
<type>メキシコ料理</type>
<address>武蔵野市吉祥寺南町2-20-8 NISHIKAWAビル2階</address>
<information>JR吉祥寺駅より徒歩約7分</information>
<tel>
<number>0422-72-0410</number>
<comment />
</tel>
<business_hours type="営">5:30PM~翌5:00AM</business_hours>
<holiday>年中無休</holiday>
<contents>カラフルでエキゾチックなインテリアの店内は陽気でロマンチックなメキシコそのもの。夜はメキシカンバンドの奏でるメロディを聴きながら料理に舌鼓みをうってみては?</contents>
<budget>5,000円~10,000円</budget>
<url>http://www.exism.co.jp</url>
<discount type="1">
<discount_image>image/pricedown.pdf</discount_image>
<discount_type>注文時</discount_type>
<discount_plan>優待ポイント</discount_plan>
<discount_detail> お好みのケーキを1皿サービス <期間> 2/25~3/31 *2名以上のグループに限る*PAGE2006の入場者にはグラスワイン1杯サービス</discount_detail>
</discount>
<icon>
<new_shop>image/new.pdf</new_shop>
<pay1>image/pay01.pdf</pay1>
</icon>
<image type="1">
<image1 >image/A051231034.jpg</image1>
<image2 >image/A051231034.jpg</image2>
<caption>写真のケーキは一例です</caption>
</image>
<edition_code>12345678</edition_code>
</restaurant>

加盟店がデータを入力し終わって、Webブラウザからボタンを押しますと、このXMLは、サーバ側で動くXSL Formatterによって瞬時にレイアウト・PDF化されて、ブラウザに送信されます。

図 加盟店情報レイアウトのサンプル

kameitenInf.PNG

加盟店側では、ブラウザ上でPDFを表示して内容を確認して、OKであれば校了となります。校了となったPDFはサーバ上のコンテントマネジメントシステムに順次登録されます。あとは、カード会社ではPDFを随時確認したり、DM制作時に必要に応じてそれを取り出して、DMを組み立てて印刷に回ります。

自動組版とレイアウトの自由度について
このシステムでは、PDF作成はサーバ側での完全な自動組版となりますので、加盟店側にはWebブラウザ以外にはなにも必要ありません。また、カード会社・印刷会社でも加盟店情報のレイアウト変更には手間をかけることはありません。従って、従来の加盟店情報をレイアウトするオペレータの作業コストは大幅な削減になります。

一方、レイアウトは予めパターン化しなければなりませんので、人間のデザイナーが自由自在にレイアウトする場合のようなフレキシビリティは、残念ながらありません。しかし、例えば、上のレイアウトパターンでは、画像をひとつにすれば文字の配置は自動的に変更になります。

図 加盟店情報レイアウトのサンプル(画像1個の例)

kameitenInf1.PNG

印刷業界向けの自動組版システムの多くは、自動組版と言いながら、実際はオペレータが後で修正することを前提とする、いわば半自動組版を自動組版と呼ぶケースが多いようです。ここで紹介しましたような完全自動組版というのは意外に少ないと思います。

完全自動組版においてはオペレータの人手をゼロにすることになります。オペレータの作業量をゼロにしながら、その中で、どの程度のレイアウトの自由度を実現していくかは、レイアウトを指定するスタイルシートの作成者の腕前とも言えるでしょう。

組版ソフト側も、ソフトウェアに内蔵するインテリジェンスを高めることが求められるのはいうまでもありません。

投稿者 koba : 2006年02月05日 08:00

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