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2007年07月06日

PDFによる決算公告の増加 — 続き

会社や組合が行わねばならない公告について、昨日に続けて少し調べてみました。

まず、公告については、(1)決算公告と、(2)会社の分割や合併など決算公告以外に分かれます。
○会社法に基づいて、会社・組合等の各種法人等が行う主な公告は次のものです。
* 合併に関する公告
* 会社分割に関する公告
* 組織変更に関する公告
* 解散公告
* 資本金の額の減少及び準備金の額の減少公告
* 基準日設定公告
* 定款変更等通知公告
* 組織再編等通知公告
* 株券等提出公告
* 外国会社の全ての日本における代表者の退任公告

公告対象と公告の手段についてはこちらに一覧があります。
http://www.gov-book.or.jp/contents/user/koukoku/5_kaisya_kumiai.html
これを見ますと、半分位は官報で行うことになっているようです。残りの半分が、定款で決めればその他の方法でも良いということになります。

その他の方法のひとつとして電子公告が位置づけられることになります。

電子公告制度については次に概要があります。
○電子公告制度について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji81.html

電子公告の中で決算公告は別扱いとなります。特に、法人登記すべき事項についての公告は、調査機関に調査を委託して、調査機関が正しく公告されたかどうかを調査し、その調査報告書を法人登記の申請書に添付する必要があります。

○決算公告の特例
・決算公告では、調査機関の調査は必要がありません。
・電子公告を公告方法とする場合、官報や日刊紙に公告する場合と違って、全文を掲載しなければなりません。これは、なぜか理解できませんが、官報などでは要旨のみで良いので公開する側にとっては望ましくないかもしれません。
・決算公告は公開は定時株主総会の終結の日から五年を経過する日までの間継続して行わないといけない。5年継続してやっていることをどうやって証明するのでしょうね?
・自己のWebページでも良いですが、URLを登記する必要があります。
・決算公告は法律で義務付けられていて、違反は100万円以下の過料処分です。う~ん。

電子決算公告を掲載するサービスを提供しているWebには、昨日の電子決算公告推進協議会のほか、CSCがあります。電子決算公告推進協議会の料金は分かりませんが、CSCの場合は、料金が5年間で10数万円になりますので官報よりは高くついてしまうようです。これだけですとあまりメリットを感じません。

○会社の合併などは登記するために調査機関の調査報告が必要です。
調査機関は現在5社が登録されています。
登録された電子公告調査機関一覧

調査費用は、1件20万円前後から30万円くらいです。

調査会社に調査を依頼しますと、法務局に通知がいきますので、法務局で電子公告掲載中の会社の公告の情報を把握できるようです。Webで検索できます。

・法務省電子公告システム
http://e-koukoku.moj.go.jp/

実際に検索してみますと、公告情報は全てPDFになっています。
調査機関は、調査期間中、PDFが改竄されていないことをチェックしなければなりません。各調査会社はどのように改竄の有無をチェックしているか分かりませんが、これはPDF電子署名を使うと一番良い場面です。この場合のPDF電子署名は内容の改竄のチェックということになりますので、タイムスタンプでも良いでしょう。

しかし、検索してみたところ、実際はPDFにオーナー・パスワードセキュリティ(編集禁止など)をかけているだけで、電子署名をつけている企業はほとんどありません。

オーナー・パスワードセキュリティだけで改竄されてないことを立証するのに十分なものなのでしょうか?調査会社はそのことをどうやって保証しているのでしょうか?

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック