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2008年05月23日

PDFによる情報保存の法的な有効性 (8) — 首相の国会答弁

「電子取引では印紙税は対象外」というのは、既に、行政府が公式に認めていました。

国会では、平成17年に民主党の桜井氏が質問をされています。
「電子商取引で添付ファイルなどの形で交わされる電子文書については印紙税の課税対象外となっている。同じ契約書などであるにもかかわらず、文書か電子文書かで印紙税の課税・非課税を判断することは税の基本原則に反している。」
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/162/syuh/s162009.htm

それに対する当時の小泉首相の答弁では、
「事務処理の機械化や電子商取引の進展等により、これまで専ら文書により作成されてきたものが電磁的記録により作成されるいわゆるペーパーレス化が進展しつつあるが、文書課税である印紙税においては、電磁的記録により作成されたものについて課税されないこととなるのは御指摘のとおりである。
 しかし、印紙税は、経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求める文書課税であるところ、電磁的記録については、一般にその改ざん及びその改ざんの痕跡の消去が文書に比べ容易なことが多いという特性を有しており、現時点においては、電磁的記録が一律に文書と同等程度に法律関係の安定化に寄与し得る状況にあるとは考えていない。」
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/162/touh/t162009.htm

と言うのがありました。

現状では課税対象では無いと認めているようです。

ところで、私としては後段の「電磁的記録が一律に文書と同等程度に法律関係の安定化に寄与し得る状況にあるとは考えていない」という文言に含まれた技術と時代に関する認識の遅れが気になります。日本は世界の先頭に立つ電子政府を実現しようと考えているわけですが、この文言は、言行不一致じゃないでしょうか。

投稿者 koba : 2008年05月23日 08:00

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