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2008年05月22日

PDFによる情報保存の法的な有効性 (7) — 電子取引と印紙税

前日、電子取引にして、その電磁的記録を保存すれば、紙を保管する必要がないというお話をしました。

2008年05月07日 PDFによる情報保存の法的な有効性 (3)
2008年05月08日 PDFによる情報保存の法的な有効性 (4)

それで、弊社も注文書や請求書などは、今後、全部電子化していこうかと考えています。ある取引先の方にそんなことをお話しましたら、「注文書はPDFにするとして、では、請書はどうしましょうか?請書は印紙が必要なので、書面にしないといけないでしょうか?」という質問を頂きました。

会社法の電子定款について調べていましたら、電子定款にするメリットとして印紙を貼らなくて済むことを訴えているWebページが随分あります。

例えば、
収入印紙・印紙税ガイド
電子定款どっとこむ

要するに、印紙税法では、第2条で「文書」に印紙税を課す。第3条で「文書」の作成者は印紙税を納税する義務がある、としています。

しかし、電磁的記録は文書でないから、電子定款は印紙税の対象にならないという論法のようです。

確かに、国税当局は書類とは紙でなければならないという認識のようですから、彼らの論法ではそうなります。この論法に従えば、請書をPDFで作成すれば、印紙税は不要になるのでしょう。

印紙税法

但し、電磁的記録は文書でないといえるかどうか?これは疑問です。私は、PDFは文書の記述形態の1種であり、PDFで記述された文書を紙にプリントしたものが、書面であると考えています。PDFで文書を表し、その文書を紙という媒体に可視化するのであって、紙は単なる媒体なのです。

契約書は文書の1種類で印紙税の対象ですが、PDFで契約書を表すこともできます。そして、これはすなわち国税関係書類でもあり、印紙税の対象でもあると考えるべきと思います。

以上は、私の考えです。

しかし、繰り返しますが、電子帳簿保存法などの論理構成は違います。紙になっていないと国税関係書類とは看做さないという考えです。この論法に従えば、請書をPDF化したら、印紙税の適用対象外だと思います。

悪法も法だから従うといって、印紙税を払わない?それとも、正しい道を歩むべきといって印紙税を払うか?どうしたら良いでしょうか?

もっともPDFには収入印紙を貼ることができませんから、少なくとも収入印紙を貼ることはできません。

投稿者 koba : 2008年05月22日 08:00

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