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2007年10月31日

Movable Typeの限界に到達?

PDF千夜一夜は、連続1000日更新を目指し、「有言実行」で頑張っています。2年前に開始して、今日でもう745話目です。つまり745日連続更新です。

その種を明かしますと、連続更新は、ずっと、自動設定でやっていたのです。大抵、翌日のブログを前日の夜、帰社する前に書き、翌日の朝8:00にブログの記事が自動的に公開されるように「指定日公開」機能をセットして帰ります。

最初のうち、この機能は順調に働いていましたが、最近は、翌日出社しますと、8時を過ぎても公開されていないトラブルがしばしば発生するようになってきました。

先週は、データベースが大きくなりすぎているのかということで、サーバ管理者にデータを圧縮してもらいました。それで、土曜日と日曜日はなんとか自動公開が動いていたようです。

しかし、今週、月曜日、火曜日は、設定した時刻を過ぎても自動公開されていませんでした。そこで、やむなく手動で公開しています。

そんな具合で、このところ、お読みいただいている方の中で「あれ?今日はお休み?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、まだ第三コーナーですから、老体に鞭打って、まだまだ頑張りますよ。

でも、コンピュータ・ソフトなんだから、指定時刻に指定の動作をするのは100%完璧であって欲しいものです。さて、今日(明日)は、どうなっていますか??と心配しながら帰る毎日が続いています。

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2007年10月30日

Acrobat 8.1.1 

もうご存知の方も多いと思いますが、アドビからAcrobatのアップデート版が公開されています。

http://support.adobe.co.jp/faq/faq/qadoc.sv?232607+002

これは、Acrobat 8.0/8.1で見つかった脆弱性・障害を修正するものとされています。一番大きいのは、「セキュリティの脆弱性を修正(CVE-2007-5020)」です。
これは、
2007年10月15日 Adobe Reader/Acrobat 8.1の脆弱性対策が公開されましたで報告しました脆弱性対策を、施したプログラムになります。10月末までにプログラムの修正版を提供すると言っていましたが、予定よりもかなり早く対応できたことになります。

CVE-2007-5020というのは、米国のNISTの「国立サイバー警告システム」に登録されている番号です。こちらです。

http://nvd.nist.gov/nvd.cfm?cvename=CVE-2007-5020
攻撃者が、PDFの仕組みを利用して、任意のプログラム(コード)を実行できてしまうとされています。

標準の危険度(脆弱性)スコアで9.3 危険度:ハイレベルにランクされています。できるだけ早く、アップデート版に入れ替えるべきということでしょう。

ところで、このアドビのページをみますと「この問題は 8.1 でのみ発生します。8.0 以前のバージョンでは発生しません。」という問題が随分沢山(14個)あります。

これは、弊社では「レベルダウン」と言っていますが、以前できてたものが、プログラムを修正した結果できなくなったもの、バグの修正の影響による2次バグの可能性が大です。8.0から8.1は、Vista対応等を含むマイナーなバージョンアップだと思っていましたが、マイナー・バージョンアップでこんなに2次バグがでるとは・・・。

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2007年10月29日

米国で新しいPDFブランドを立ち上げ

アンテナハウスは、近々、米国で新しいPDFブランド「Rainbow PDF」を立ち上げるべく準備中です。

20071029.PNG

2007年08月02日米国事務所を拡張で、米国事務所を拡張し、新しいスタッフを採用というお話をしました。

現在、アンテナハウスのPDF製品英語版は、XSL Formatterと同じサイトの一部になっています。
http://pdf.antennahouse.com/

新しく採用したスタッフの手で、これらを新しいPDF専用サイトに移して、また、今後日本で発売するPDF製品についても、速やかに英語版を用意して、米国を初めとする世界の市場で販売していきたいと考えています。

現在、アンテナハウスの海外売上のほぼすべてがXSL Formatter関連製品です。しかし、単品経営ではリスクも大きいですし、PDF関連製品を、海外売上のもうひとつの柱にしたいと願っています。

『新しき計画の成就は只不屈不撓の一心にあり。さらばひたむきに、只想え、気高く、強く、一筋に』

※この言葉は、稲盛和夫盛和塾塾長の教えですが、原典は、中村天風『研心抄』にあり、第7章潜在意識応用の自己陶治の跋(p.195)に出てきます。

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2007年10月28日

ソフトウェアに国境はない(?)

最近、あるソフトウェアハウスのWebページを読んでいましたら「使いにくくて高い外国のソフトウェア製品を無理して使うよりも、使いやすい日本産のソフトウェア製品を使いましょう!」という表現がでてきました。

この手の「日本製ソフトを使いましょう」というプロパガンダを時々見かけますが、あまり感心しません。

ソフトウエア開発、関連サービスの提供という意味合いであれば、当然、身近でサービスを提供している会社の方が、外国を拠点でサービスを提供する会社よりは、きめ細かくて、お客さんの期待に沿うサービスを提供できることが期待できます。しかし、ソフトウェア開発とても、オフショアに依頼する傾向になっている時代です。

ソフトウェアそのものもどんどん進化しています。

例えば、私は、Office2007のベータ版を使ってみたとき、Office2003でいつも使っている、使いたいメニューを、Office2007で、どうしても探しだせず、とてもOffice2007は使えないと思ったのですが、ある人と話をしていましたら、Office2007を使い慣れると、今度は、Office2003がとても使いにくく感じるとのことです。

このように、使いやすいかどうかは、慣れの問題ということも大きいでしょうし、外国製ソフトが使いにくく、日本製ソフトは使いやすいというステレオタイプな区分が当てはまるものではないと思います。

むしろ、私などは、ソフトウェアには国境はない、と言いたいのです。その方が、少なくともこのインターネット時代の現実世界をよく現しているように思います。

とはいうものの、今日は、OpenOffice.orgで作った日本語文書を見て、ぎょっとしました。

1.これは、OpenOffice.orgで作成した、和文と欧文の混在した文字列です。
200710271.PNG

2.こちらは、同じ文字列をXSL Formatterで組版したものです。
200710272.PNG

いづれも、和文は、MSゴシック、欧文はArialフォントを使用しています。OpenOffice.orgでは、欧文フォントのベースラインと和文フォントのベースラインの位置の調整がうまくできていないようで、欧文が上にずれ過ぎています。

これを見ますと、OpenOffice.orgの日本語組版は極めて品質が低いことがわかります。うーん、組版に関わる限り、「ソフトウェアに国境はない」と言いきれるかどうか、疑問を感じてしまいます。少なくとも、OpenOffice.orgの開発者が日本語組版をあまり研究していない、ということはわかります。

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2007年10月27日

XMLDB NeoCore事業譲渡

専業XMLDBの『NeoCore XMS』が、10月末で、三井物産セキュアディレクション株式会社(MBSD)からサイバーテックに譲渡されることになったようです。『NeoCore XMS』は、約半年前に、三井物産から関連会社のMBSDに譲渡されていますので、1年の間に2回目の事業主体の変更ということになります。混乱を招かねば良いですが。

サイバーテックは、Cyber Luxeon (サイバー・ラクセオン)というXMLデータベースを販売しています。このサイバー・ラクセオンは、旧エクセロンですが、サイバーテックがソニックソフトウエアから2005年に譲り受けたものです。サイバーテックは、XMLデータベースを2つ開発、販売する立場になったわけです。

この後、この2つのデータベースがどういう位置づけになっていくのか興味深いところです。

XML専用データベースは、最近は、東芝ソリューションのTX1が、派手に広告していますし、雑誌などでのケーススタディに取り上げられるようになってきています。これからどういう展開になっていくか、XML専用DBの将来は、興味深深といったところです。興味深深などと、ちょっと、身を引いた表現で関係者には申し訳ないですがね。

XMLビジネス、とりわけドキュメント系のXMLビジネスは、なかなか難しいものです。

XMLの前身であるSGMは、「静かなる革命」といわれて、革命的技術でありながら、あまりにも難しいなどの理由でなかなかブレークしなかったのですが、XMLになってかなり簡単になり、だいぶ普及してきていると思います。

XMLは、それなりに、使われるところには使われていますし、SGMLに比べると実需があります。弊社の関係している分野でも、なかなか良い(自信をもってお勧めできる)ソリューションができるようになってきて、「ああ、漸く、実用的になった!」と思います。

しかし、ブレークといえるかと言いますと、そうでもないようです。そういうなかで、どうやってビジネスを拡大していくか?ここが、知恵の絞りどころ。

私も、来年に向けて、いろいろ、構想を練っているところです。最後は、XMLDBとあまり関係ない話題になってしまいました。

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2007年10月26日

DITA OpentoolKit V1.4 XSL Formatter版を公開

アンテナハウスは、DITA OpenToolKit V1.4 のXSL Formatterバージョンを公開しました。

こちらからダウンロードしていただくことができます。

http://www.antennahouse.com/XSLsample/DITA-OT1.4/ot1.4_axf_1.0.zip
(英語版)

これは、DITA準拠のXML インスタンスをXSL Formatterを使用してPDFに変換するためのオープン・ソース(Apacheライセンス)のスタイルシートです。

DITA OpenToolKitは、DITAのバージョンに合わせて改訂されています。FOP用のスタイルシートをIBMが作成しており、これを元に、カナダのIdeom社がXEP用のスタイルシートを作っています。

上のurlにアップしましたものは、これらを元に、XSL FormatterV4.2用に改造したものです。

オープンソース・ライセンスで公開されているものですので、ご自由にお使いください。

■ご参考
2007年08月23日 DITA Open Tool Kit 1.4 未完成
2007年08月16日 DITA、初のバージョンアップでV1.1となる

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2007年10月25日

e-ドキュメントJapan初日

昨日(24日)は、「e-ドキュメントJapan2007」の初日ということで、ほぼ1日展示会場にいました。

アンテナハウスは、昨年は、同じ会場の「BIZ Innovation 2006」に出展しました。昨年は、展示会場の隅の方のブースだったこともあり、来場者が少なかったのですが、今年は、ブースの場所も良いこともあり、午後になって人通りが増えました。

展示会もブースの場所によって、随分と人通りが変わり、好調・不調があります。
アンテナハウスは、海外のXML関係の展示会は、年間5,6回は出展しており、偶に、海外にお手伝い(あまり役に立てませんが)に行きます。海外の展示会と比べて、いつも感じていましたのは、日本の展示会は来場者数も多いですが、会場がやかましくてなかなかじっくり説明ができないという印象があります。

その点、「e-ドキュメントJapan2007」は、会場が比較的静かで、ビジネスの話もしやすかったと思います。これは良い点でした。

日本の展示会も、昔と比べて、多少は大人になったのでしょうか?

ところで、「e-ドキュメントJanan2007」、「BIZ Innovation2007」を通じて、興味を引きましたのは、Webで情報を共有するシステム:Digital Office [Japan],Inc.の「Do! Cat」、コトブキ企画の「Document Collector」の2つです。

■Do! Cat
http://www.digital-office.co.jp/

■Document Collector
http://www.kotonet.co.jp/dc/
コトブキ企画の松井社長は、私とほぼ同年ですが、本製品を含めて、時々お伺いするアイデア・企画力・構想力は、私より数段上です。

様々なファイルフォーマットの文書をWeb上で公開、共有し、それの一部を組み合わせて再活用することができる仕掛けを提供するWebベースのシステムです。

いづれも大阪の会社で、比較的似かよったコンセプトの商品という印象を受けました。こういう新しいコンセプトは大阪商人の方が、積極的な印象を受けます。

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2007年10月24日

PDF 電子署名モジュールV1.0 改訂1版を公開

本日より、「PDF電子署名モジュール V1.0」の改訂1版(MR1)を公開しました。

改訂1版では、オプション機能の追加として、アマノタイムビジネス株式会社の「アマノタイムサービス3161」を利用することができるようになりました。

■「PDF電子署名モジュール V1.0」のWebページ
http://www.antenna.co.jp/psg/
・国内商用タイムスタンプオプション
http://www.antenna.co.jp/psg/Ja-TSR.htm
・アマノタイムスタンプサービス3161
http://www.e-timing.ne.jp/

ユーザ会社において、タイムサービス3161をご利用いただくには、アンテナハウスの電子署名モジュールのライセンスに加えて、アマノタイムサービス社と、サービス利用契約を締結することが必要となります。

なお、アマノタイムサービス3161には、RFC3161 準拠の無償のタイムスタンプ・サーバもあります。こちらの方は、「PDF電子署名モジュール V1.0」の標準機能のみで接続して、お使いご利用いただくことができます。

今回の改訂版により、「PDF電子署名モジュール」で、PFUタイムスタンプ、ならびにアマノタイムサービス3161の2つの国内商用タイムスタンプのサービスを使って、PDFに署名とタイムスタンプを付ける事が可能になりました。

これから、「e-ドキュメント2007」です。

「電子署名モジュール」と「PDF公開鍵セキュリティ設定ツール」は「e-ドキュメント2007」に出展しますので、会場でご覧いただくことができます。

なにとぞ、よろしくお願いします。


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2007年10月23日

日本のハンコをPDFで実現する方法 続き

3ヶ月ほど前、2007年07月14日 日本のハンコをPDFで実現する方法について、お話しました。

要するに、日本では、見積書に会社印などを押印するとき、文字の上に重ねて押すことが多いのです。ところが、PDFで会社印を押しますと、文字が印影の下に隠れてしまうことが多いと思います。

次の図は、Acrobatのスタンプ機能を使って、スタンプを押したものをAdobe Readerで表示したものです。これを見ますと、文字がスタンプの朱色の下に隠れてしまっています。

200710231.PNG

社印を押したPDFを作ったとして、このように会社名が印影の下に隠れてしまってはまずいと思います。
そこで、ビットマップ画像で作成した印鑑を文字に重ねて押しても、下の文字が見えるような方法で押印できるようにしました。

次の図をご覧ください。

200710232.PNG

こうしますと、会社印をPDFで作成した見積書に押しても、文字が印影の下で見えなくなってしまうことがなくなります。

如何でしょうか?

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2007年10月22日

PDF公開鍵セキュリティの勧め (2)

暗号方式には、さまざまな方式がありますが、大きくは共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式に分けることができます。

共通鍵暗号方式は、いわゆるパスワードを使う方式で代表されます。それに対して公開鍵暗号方式は、公開鍵と秘密鍵のペアを使う方式です。

公開鍵暗号方式については、以前に簡単にご紹介しました。
2007年04月03日 PDFと署名(3) — 公開鍵暗号方式

PDFにはパスワードによるセキュリティ設定機能があることは多くの人が知るところで、様々なツールでもその機能があります。これを実際にご利用されている方も多いと思います。

昨日も申し上げましたが、PDFには公開鍵暗号方式を利用したセキュリティ設定の仕様もあります。

データに公開鍵で暗号化しますと、それに対応する秘密鍵でしか、暗号を解除できなくなります。公開鍵と秘密鍵は1対1対応ですので、PDFに公開鍵セキュリティ設定をすると、それに対応する唯一つの秘密鍵を所有する人だけが閲覧できるPDFを作ることができます。つまり、閲覧できる人を特定できることになります。

さて、前置きが長くなりましたが、PDFに公開鍵セキュリティを簡単に設定する、「公開鍵セキュリティ設定ツール」のβ1版をここに公開します。
http://www.antenna.co.jp/psg/download/10/PubSecTool-B1.zip

但し、このツールは、「PDF電子署名モジュールV1.0」がないと動作しません。

「PDF電子署名モジュールV1.0」につきましては、評価版をこちらからダウンロードしていただくことができます。

http://www.antenna.co.jp/psg/evaluation.htm

パスワード方式のセキュリティと比べて、公開鍵セキュリティは、いろいろと有益な特徴をもっています。
ぜひ、一度、お試しになってみてください。

■ご参考
公開鍵セキュリティ設定ツール(ベータ版)
http://www.antenna.co.jp/psg/PubSecTool.htm

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2007年10月21日

PDF公開鍵セキュリティの勧め (1)

PDF千夜一夜では、以前に何回か、PDFに公開鍵暗号方式をつかってセキュリティ設定する方式について、紹介したことがあります。

2006年11月19日PDFのセキュリティ機能(7)—公開鍵セキュリティ・ハンドラ
2007年07月12日 PDFのセキュリティ機能(8) — 電子証明書によるPDFのセキュリティ設定の例

PDFを公開鍵をつかってセキュリティ設定する方式は、パスワード方式と比べて、次のような点でPDFのセキュアな配布に向いているのではないかと思います。

1.パスワード方式では、例えば、PDFを特定の人だけが開くことのできるようなセキュリティをつけようとしますと、その人だけのパスワードを用意し、そのパスワードで閲覧(開く)セキュリティをつけたPDFを用意しなければなりません。

そうしますと、10人のメンバー向けに10個のパスワードを用意し、10個のパスワードでそれぞれPDFにセキュリティを設定する必要があります。そうしますと、PDFも10個できることになります。

公開鍵によるセキュリティ設定では、ひとつのPDFに10個の公開鍵をつかって、10人分のセキュリティを付ける事ができます。つまりPDFは1個だけでOKとなり管理が簡単です。

2.PDFの暗号を解くための秘密鍵は、Windows証明書ストアにインストールしておけば、Adobe Readerは、その秘密鍵を自動的に認識してセキュリティを解除して表示します。ですので、PDFを開くたびに開くためのパスワードを入力する必要がありません。

3.Windows証明書ストアには、秘密鍵をインポートするとき、秘密鍵をエクスポートできないように設定することもできます。そうすれば、特定のPCでしかPDFを開くことができないようにすることができることになります。パスワード方式のセキュリティ設定では、特定のPCでしか開けないということは実現できそうもありません。

このように、パスワード方式に比べて、公開鍵セキュリティ設定には優れた点が沢山ありそうに思います。

次の資料もご参照ください。
ファイルをダウンロード

公開鍵暗号は、もう20年程使われていて枯れた技術です。問題点としては、あまり知られていないことがあるようです。また、Adobe Reader以外のPDFの表示ソフトで対応しているものが少ないようです。

そこで、PDFに公開鍵セキュリティを設定して配布するための簡単なツールを作ってみました。
24日から開催される「eドキュメントJAPAN2007」でご紹介したいと思っています。

こういうツールを使えば、PDFを安心して配布するための簡単なDRM的システムの実現ができるのではないかと考えています。

サンプルとして、上記のPDFに公開鍵でセキュリティを設定したPDFを作成しました。
ファイルをダウンロード

このPDFは、Adobe Readerで開くことができません。これを開くためには次の秘密鍵をWindows証明書ストアにインポートする必要があります。
秘密鍵ファイルをダウンロード
※このファイルをWindows証明書ストアにインポートする際、パスワードが求められますが、"Test"と入力してください。


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2007年10月20日

「アウトライナー2」ダウンロード版を販売開始

PDF編集・制作業務支援ソフトウェアの最新版「アウトライナー2」のダウンロード販売を開始しました。

19日夕方の時点で、販売開始したダウンロードサイトは以下の通りです。
■ベクター アウトライナー2のページ

ダウンロード販売価格は、22,050円(税込み)です。

なお、ベクターでは、「アウトライナー2」登場記念として、 「書けまっせPDF」「リッチテキストPDF」を期間限定で特価セールを行っています。

「書けまっせ!!PDF2」が、特別定価4,800円(税込み)、「リッチテキストPDF3」が特別定価7,000円(税込み)です。特別価格は、10月31日までのみの期間限定となります。

■So-Net 「アウトライナー2」販売価格22,050円(税込み)

■インプレス 「アウトライナー2」販売価格22,050円(税込み)

■AMISOFT 「アウトライナー2」販売価格22,050円(税込み)

ぜひ、この機会によろしくお願いします。

※10/25価格を訂正しました。

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2007年10月19日

INXCreator Preview

10日ほど前に、2007年10月06日 PDF/A Competance CenterとAIIMが戦略的提携という表題のブログの中でINX Creatorのことを紹介しました。

「XSL Formatterの組版結果を、InDeignのINX形式に出力するINXCreator(仮称)を初めて紹介する予定です。」

フランクフルト・ブックフェアでは、来場者の関心を集めたようで、営業担当者からも良い感触の報告がありました。で、商品化へ向けて、検討を始めていますが、そもそもINXCreatorの用途ってなに?
私的には、前のブログでも次のように書きましたが、必ずしも、良い発想かどうか自信がありません。

「XSL Formatterで組版した結果をPDFではなくて、INXに出力して、修正するなんて、ワンソース化に反してXML自動組版の邪道ではないか、という気もしますが。」

ところが、WebでINXについて検索したところ、INXCreator に期待していただいているブログを見つけました。
http://blog.dtpwiki.jp/dtp/2007/10/foxslformatteri_b36d.html

「FOで組版指示書ける人なら、「あーこれInDesignで加工できたらなー」て思っていたものです。それがこれで実現できるなんてアンテナハウスマーヴェラスです!」と紹介していただいてます。

「PDFに出しちゃう自動組版の欠点は、製版上の問題点を修正しにくい(先のエントリも参考にしてください)つう点なので、アドビ様が出しているチョー高機能ソフトInDesignでいじれるというのはしねるほどアドバンテージあるんですよね。ていうか安心感ていうか。」

うーん、このような考え方もあるのですね。そこで、とりあえず、前向きに、InDesign CSS3を我がPCにインストールしてINXCreatorを使ってみました。

○XSL Formatterで組版したページ

これをINXファイルに出力して、InDesignCS3で読み込んでみました。
○IN Designのページ

こんな感じで、まだ、レイアウトが多少崩れますが、大体ページのレイアウトの再現はできます。

それで、ここに於いて、もう一つの疑問が生まれました。
INXとは、レイアウト表現のためのフォーマットではなく、組版対象を記述するフォーマットのようです。
このためINXを使って、レイアウトを完全に再現しようとしますと、少し無理な使い方になり、編集ができなくなりがちです。

PDFも編集できない形式ですので、PDFに出す代わりに、INXに出すというのは、編集できない(できにくい)形式になるであろうことは、予測が付くことですが。

で、InDesignに、編集しずらい形式を読み込んで何に使うのでしょうかね。
要望してくるお客さんに聞いてみたいのですが、お客さんが外国にいる人ばかりなので、直ぐにはなかなかホンネを聞くことができず、ちょっと困ります。

M.C.P.C.さん、如何でしょうか。

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2007年10月18日

PDF関連仕様:PDF/UA アクセシビリティ

PDF/UA仕様の目的は、アクセシブルなPDFの仕様を作成することにあります。仕様作成の作業は、2004年の暮れ頃から始まっているようです。

仕様書のドラフトを見ますと、導入部分にISOの仕様書の雛形を使っていますので、ISOに提案して標準仕様にすることを意図していると見られますが、現時点では、ISOでの策定作業の段階にはなっていないようです。

仕様作成は米国のDuff Johnson氏が中心になって進めており、PDF/UA Wiki(2006年から)と電話会議によって進行しています。

■PDF/UA Wiki
http://pdf.editme.com/PDFUA

■仕様書のドラフト
PDF/UA 1.0 DRAFT

仕様書は、PDF 1.7をベースとして、それに対する制約事項を記述するプロファイルとして作成しているようです。

ドラフトは31節に分かれており、各節の進捗度合いが表に記入されていますが、これを単純平均しますと、47%になります。

表に記載された進捗の数字(%)が実態を正しく表しているとしますと、完成度50%というところです。Wikiを見ていますと、Duff Johnson氏は熱心に更新していますが、まだまだ先が長いように思います。

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2007年10月17日

PDF関連仕様:PDF/E Engineering

PDF/E は、エンジニアリング・ワークフローにPDFを適用するための仕様とされており、ISOの委員会が設定されています。

■目標
・知的権利の安全な配布
・信頼できる交換、変更管理
・工学的な図面の正確な印刷
・注釈やコメント・データを交換したり・管理すること支援する。
・3次元、オブジェクト・レベルのデータなど複雑なデータをPDFに組み込む。

■スケジュール (2007年3月時点)
・2004年3月1日開発意図が公開され、2004年3月10日に最初の委員会(USのAIIM)
・2005年6月 ISOで委員会の設置。
・最初のドラフトが、2006年5月に批准された。
・ISOのドラフトのファースト・トラックを利用して投票。2007年3月完了。
・ISO標準は、2007年央に完了。

出典:What is PDF-E

この日程からしますと、そろそろ、なんらかのアナウンスがあるはずですね。

ISOのWebページを見ますと次のようになっています。

ISO/PRF 24517-1
Document management -- Engineering document format using PDF -- Part 1: Use of PDF 1.6 (PDF/E-1)

9月3日現在のステータスは、FDIS registered for formal approvalとなっていて、承認段階です。

発行予定時期:Target publication date: 2008-06-30
来年の6月となっています。

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2007年10月16日

PDF/A-2についての情報源

アンテナハウスがWebで公開している次の資料の最終頁でPDF/A-2に関して説明しています。これについて、ISOで策定中の規格について公開するものとして問題視する向きがあるようです。

PDF/Aの概要 (スライドPDF版)

また聞きですので、発言した人の意図を明確に理解しているかどうかわかりません。多分、誤解なのでしょうが、とりあえず、降りかかった火の粉を払う(?!)ために、これらの情報がISOから秘密裏に入手したものではなく、公開された情報に基づいて作成したものであることをまとめてみました。

上記の資料で、PDF/A-2について次のことを述べています。

1.PDF/A-2は、当初、PDF 1.6をベースに策定作業が進んでいたこと。
2.PDF/A-2は、現在、PDF 1.7をベースとして策定されようとしている。
3.PDF/A-2は、ISO 32000をベースに策定されるであろう。
4.ISO 32000は、PDF 1.7の部分集合であること。

以上の4点についての根拠を次に示します。

1.PDF/A-2は、当初、PDF 1.6をベースに策定作業が進んでいたこと。
例えば、USのAIIMのPDF/Aに関するWebページには、米国のPDF/Aに関する会合の記録があります。その記録の2006年の議事録には、「 Work on ISO 19005-2, Part 2 – Application of PDF 1.6」というアイテムが頻繁に現れます。これは、2006年時点では、ISO19005-2(これが、PDF/A-2をさす事は、ISO19005-1を読めば自明です)を、PDF 1.6に基づいて作成する作業を行っていることを意味しています。これは1回だけではありません。なお、PDF 1.7は2006年秋に公開されました。

さらに、PDF標準に関するWikiのPDF/Aのページhttp://pdf.editme.com/PDFAには次のような項目があります。

The ISO committee consists of representatives from ISO TC 171 SC2, Document Management Applications, Application Issues; TC 130, Graphics Technology; TC 46, SC11 ; and TC42, Photography. The committee is currently working on ISO 19005-2 which will be based upon Adobe PDF Reference 1.6 as well as ISO 19005-3 which will address dyanmic electronic documents.

この文章を読むとISO19005-2が、PDF 1.6に基づいて作成されるとあります。このWikiを運営しているのはAIIM、AdobeなどのPDF標準関係者であり、信頼にたる情報と考えられます。

2.PDF/A-2は、現在、PDF 1.7をベースとして策定されようとしている。
AIIMが運営している下記のブログに次の記事がでています。
http://aiimstandardswatch.typepad.com/

August 21, 2007
PDF/Archive to meet in Berlin
Nine members of the US committee for PDF/Archive are on their way to an international working group meeting with colleagues from Japan, Germany, Switzerland, United Kingdom and others. The committee will be discussing the next version of PDF/Archive which brings this important standard current to the PDF Reference 1.7 adding many capabilities to the archive file.

このブログは、AIIMのBetsy Fanning(the director of Standards and Content for AIIM)が書いたものです。AIIMというのは米国で、PDFの標準を進める団体で、彼女の肩書きを見れば、ガセネタでないことは明白でしょう。

3.PDF/A-2は、ISO 32000をベースに策定されるであろう。
これは私の推測であり、推測であると明記しています。私は、ISOから推測に基づく発言を禁止される立場にはありません。私の推測を信じるか否かは、資料を閲覧した人の自由です。

4.ISO 32000は、PDF 1.7の部分集合であること。
ISO DIS 32000の作成については、次の資料が公開されています。
ISO Draft of the PDF 1.7 Reference

ここに、PDF 1.7とISO DIS 32000との相違点が記述されています。これと同じものはAdobeのWebページにも公開されています。

実際に、ISO DIS 32000とPDF1.7を比較しますと、例えば、電子署名関連では次のような箇所が削除されています。これらのことから、ISO 32000はPDF 1.7のサブセットであることが証明できます。この部分、Obsoleteだから削除したとされていますので、証明としてはやや弱いかもしれませんが。

■PDF Ref 1.7 TABLE 8.103 Entries in a signature reference dictionary
DigestValue
DigestLocation
上記の2つのキーは、ISO DIS 32000で削除されています。

■PDF Ref 1.7 8.7.1Transform Methods
Appendix I, “Computation of Object Digests,” describes in detail the algorithm for computing object digests.

Note: All transform methods exclude the signature dictionary from the object digest.

上記の2つの文章はISO DIS 32000で削除されています。

■PDF Ref 1.7 Validating MDP signatures
PDF 1.5 required the calculated value of the object digest at the time of signing to be stored in the DigestValue entry in the signature reference dictionary (see Table 8.103). Therefore, an application can compare this entry to its calculated object digest when validating. If the values are different, the signature is invalid.

上の段落はISO DIS 32000で削除されています。

■Ref 1.7 Appendix I Computation of Object Digests

付録Iを削除。PDF1.7で廃止となったため。

これらの削除理由はISO DIS 32000ではObject Digestを廃止、DigestValue を計算する仕様であるPDF Ref 1.7のAppendix Iが廃止されたためと見られます。PDF 1.7でObsolete(廃止)された仕様は、ISO 32000から削除されると説明されています。実際のところは、アドビの製品では、過去との互換性を維持するためにPDF1.7でObsoleteな機能もサポートされているようですので、アドビのPDF 1.7準拠製品とISO 32000準拠製品は、理論上、完全互換ではないということになります。但し、実際上は、問題視する必要はないと思います。

いづれにしましても、PDF/A-2は現在策定中であり、最終的にどうなるかは、予断を許さないということに注意しなければなりません。

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2007年10月15日

Adobe Reader/Acrobat 8.1の脆弱性対策が公開されました

9月下旬に、イギリスのセキュリティ関連ハッカーPetko Petkov氏が報告した、最新版Acrobatの脆弱性の対策がアドビのWebで公開されています。

■Acrobat8の脆弱性(9月20日報告)
2007年09月30日 Adobe Reader 8.1の脆弱性

■上記脆弱性回避策のWebページ(10月5日) アドビ
http://www.adobe.com/support/security/advisories/apsa07-04.html

対象のプラットフォーム:IE7をインストールしたWindowsXPが対象となります。Vistaは影響ありません。
回避方法:アドミン権限でWindowsのレジストリエディタを使って、レジストリを変更し、Acrobatのmailto:オプションを使用不可とする。

■修正するレジストリキー(Adobe Reader 8の場合)

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Adobe\Acrobat Reader\8.0\FeatureLockdown\cDefaultLaunchURLPerms]
"tSchemePerms"="version:1|shell:3|hcp:3|ms-help:3|ms-its:3|ms-itss:3|its:3|mk:3|mhtml:3|help:3|disk:3|afp:3|disks:3|telnet:3|ssh:3|acrobat:2|mailto:2|file:1"

このmailto:2のパラメータを3にするとmailtoが使用不可になります。

次の図をご参照ください。

○Windowsのレジストリキーの操作は、間違えますと危険です。不安な方は、Windowsについて良く知っている人に依頼してください。

この対策をとれない、一般のユーザのために、アドビは、現在、Acrobat8.1の改訂を行っており、できるだけはやく、セキュリティ対策を施したバージョンをリリースするそうです。10月末までに完了を期待しているとのこと。

なお、アドビは、この脆弱性を重要なものと認識しており、ユーザがこの回避策をとるように勧告しています。

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2007年10月14日

PDF関連仕様: PDF/H PDF for Health care

PDF に関連する仕様のひとつにPDF/H(PDFヘルスケア)があります。副題に「ベスト・プラクティス」が付いています。仕様というよりも実践ガイドというもののようです。

ヘルスケア分野でPDFを使って情報共有するためのPDFに対する制限などを記載したプロファイルです。

目標:
診断メモ、研究レポート、電子フォーム、スキャンした画像、写真、デジタルX線、ECGなどの医療分野での情報を蓄積・交換するための安全な、電子的コンテナを、PDFの特徴や機能を利用して開発する。

PDFの有利性
・長期に渡る成功
・多様なデータタイプのための安全で汎用のコンテナ機能を提供
・プラットフォーム独立
・相互運用性、双方向のデータ交換が可能
・印刷が直ぐにできる

PDF/Aのような仕様との相違点は、使用例を作成すること、実装ガイドを作っていこうとしているようだ。

ASTMのCCR(ケア記録の連続性)、ヘルス・レベル7のCDA(診断文書アーキテクチャ)のような既存のヘルスケア分野の標準や、他の新しく開発されつつある標準との相互運用を可能にする情報を提供する。

ASTM CCRの利用例 2007年初頭
HL7 CDAの利用例 2007年央
HL7/ASTM CCD利用例 作成予定

などとなっています。

AIIMとASTM共同で開発が行われています。


■CCR
CCR,(Continuity of Care Record)は、ASTM International, Massachusetts Medical Society (MMS), Health Information Management and Systems Society (HIMSS)とAmerican Academy of Family Physicians (AAFP)が共同で開発しているXMLベースの標準仕様。医師、看護婦、医療補助者などが記入し、交換すること医療事故を減らすのが目的のようです。

■ASTMインターナショナル
www.astm.org

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2007年10月13日

PDFと署名(47) — PDF/Aで、電子署名を使えるか

最近、何回か、「PDF/Aで電子署名を使えるのでしょうか?」という質問を頂きました。どうも、PDF/Aでは電子署名を使えないと考えている人が多いようです。

PDF/A-1の仕様上は、電子署名を使うことは問題ないと考えられます。

それは、次のような理由からです。
(1)PDF/A-1は、PDF 1.4をベースにして、PDF 1.4の仕様の中で、必須事項、禁止事項、制限事項、無視事項を決めています。

(2)PDF電子署名は、PDF 1.3で導入されており、PDF 1.4の仕様でもPDF電子署名機能は定義されています。そして、PDF/A-1では、PDF電子署名に関わる事項を、禁止も制限もしていません。

以上、(1)、(2)からPDF/A-1ではPDF電子署名を使えるといえるでしょう。但し、若干の注意事項があります。

まず、最新のPDF1.7では、PDF電子署名には、普通署名(Document Signature)、MDP(Modify Detection and Prevention)署名、UR(Usage Right)署名の3種類が定義されています。この中で、MDP署名とUR署名は、PDF1.5で導入されました。

従って、PDF/A-1で使用できるのは、普通署名のみとなります。

■PDFバージョンと署名の機能について

署名フィールド 署名の外観 署名辞書 署名アプリケーション情報
(Prop_Build)
普通署名 MDP署名
PDF 1.3
PDF 1.4
PDF 1.5
PDF 1.6
PDF 1.7

○署名の外観:
Digital Signature Appearances Adobe Acrobat 6.0 May 2003によればAcrobat5(PDF 1.4)までとAcrobat 6(PDF1.5)以降では互換性がない実装となっています。

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2007年10月12日

USBトークン 続き

2007年09月18日 USBトークンで、量販店にUSBトークンを探しに行ってなかったことを報告しました。さらに、他のお店も探してみましたが、結局、量販店では、まだ扱っていないようです。

で、いろいろ画策しまして、技研商事インターナショナル社からiKey1000を借りることに成功!
○技研商事インターナショナル社のiKeyのWebページ
http://www.giken.co.jp/e_security/ikey/index.html

iKey1000というのは、米国のSafeNet社の製品です。SafeNet社のUSBトークンは、iKey1000の他に、iKey2000もあるそうです。

iKeyは、電子証明書(秘密鍵、公開鍵)を保管することができますが、Window証明書ストアに保管するのと違って、iKeyをUSBのポートに刺したときだけ、電子証明書を利用可能になり、USBポートからキーを抜いてしまいますと、電子証明書を使うことができなくなります。そういう意味ではICカードと似ていますが、USBポートを使いますので、ICカードリーダは不要です。その分、ICカードよりは使いやすいのではないかと期待します。

それで、早速、自己署名証明書をiKeyに登録して、「PDF電子署名モジュールV1.0」で、電子署名に使えるかどうかを試してみました。

■結果

とりあえず、iKeyに保管した電子証明書を指定して、電子署名をするのは問題なくできることがわかりました。

SBトークンに入った証明書は標準のWindows証明書ストアにある証明書と同じ扱いがCAPI的には出来ます。但し、完全に同等ではない部分もあるようです。

もう少し、いろいろ調べてみて、「PDF電子署名モジュールV1.0」のWebページに適合性を紹介してみたいと考えています。

PKIもいろいろ試すと面白いものです。

追記:GPKI対応の証明書でも大丈夫なことが確認されました。Windows証明書ストアにルート証明書を置けば、「PDF電子署名モジュールV1.0」からチェーン検証もできます。

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2007年10月11日

第23回多言語組版研究会 「ケーススタディ:XSL-FOによる書籍出版の経験から」 のご案内

来る11月26日(月曜日)ひさしぶりに多言語組版研究会を開きたいと思います。多数の方のご参加をお待ちいたします。

■内容
アンテナハウスでは、9月25日に「Open Office XML Formats入門」を毎日コミュニケーション(マイコミ)から出版致しました。この書籍は、表紙以外全てをXSL Formatterを使って自動組版しPDF化し、マイコミはPDFを印刷会社に渡すという方法で制作しました。

商業出版における書籍の制作はDTPによる方法が主流です。しかし、自動組版により、制作期間やコストを削減することが可能な分野も多いと思います。そのためには、商業出版用の書籍を、XSL-FOで制作する経験を重ねて、ツール、スタイルシート、および仕事の進め方を改善していくことが必要でしょう。

上記の趣旨から、今回のXSL-FOで書籍を制作する過程について報告して、従来の書籍の制作過程との相違点を比較・検討してみたいと思います。

■報告者

(1) コンテンツXMLの作成方法、書籍制作に使用したスタイルシートについての報告
  アンテナハウスXSL Formatter グループ 石野 恵一郎氏

(2) 一般的な書籍制作過程の説明、および、今回のXSL-FOによる制作を振り返って
  株式会社 毎日コミュニケーションズ  出版編集3部 丸山 篤氏

■参加費用
3,150円(消費税込み)

■開催日・時間
2007年11月26日(月曜日)16:00-18:00

■場所
アンテナハウス株式会社 セミナー・ルーム(定員20名)

■お申込みは次のページよりどうぞ。
http://www.antenna.co.jp/ml/kaisai.htm

※「Open Office XML Formats入門」のご紹介
2007年09月16日 「Office Open XML Formats入門」マイコミから出版される

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2007年10月10日

「HTML&スタイルシート レイアウトブック」を読んで

最近、CSSでホームページを作る方法をもう少し勉強しようと思い立ち、「HTML&スタイルシート レイアウトブック」外間かおり著 株式会社ソーテック発行 ISBN978-4-88166-568-8 (定価2300円+税)を買ってきました。

外間かおりさんの本って、アマゾンに35冊もリストアップされます。上記の本は、アマゾンで見て、4星半の評価ですが、評価通り、分かりやすくてなかなか良い本だと思います。

この本には、CSSを使ってWebページを2段組、3段組をする例がふんだんに掲載されています。

この本を購入した動機は、表を使わないでCSSで段組をする方法を学びたいという、かなり単純なことなのです。本を読んでそれは理解できましたし、それ自身は、Webページ作成のテクニックとして参考になります。今度、Webページで活用してみましょう。

それは、良いとしまして、気になりましたのは、この本では、2段組、3段組を、absolute-position、もしくは、floatを使って実現しているということです。メインの左右に配置されるサイド・コンテンツに対して、floatなどを指定するのは良いのだろうと思います。

さらに、本文の段組もfloatやabsolute-positionで指定して、見掛け上2段組、3段組にしているのですが、これは、表を使うよりは良いだろうことには同意します。

しかし、やはり真の段組とは言えないのでしょうね。つまり、真の段組であれば、Windowの幅が狭くなれば、自然に改段の位置が変わる、フローするのだろうと思いますが、floatやabsolute-positionで指定するのは、予め、段毎にdiv要素で区切りを入れて置く必要があります。

結局、段毎のブロックをdivで囲むという形で、レイアウトをコンテンツに反映していることになります。極言するとコンテンツとレイアウトが分離していない、とも言えるわけで、CSSの思想に反してしまいます。

結局、CSS2では、まだ、自然な段組はできないのでしょう。

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2007年10月09日

PDFと長期署名(16)—PDF電子署名としての長期署名とは?

前回、ECOM提案のPDF長期署名は、採用できないということをお話しました。
2007年08月22日 PDFと長期署名(15) — ECOM JIS原案「PDF/Aへの長期署名の適用方法」は採用できない

ここにそのことを整理しています。
http://www.antenna.co.jp/PDF/reference/PDF-DS-Long.htm

このままですと、PDFでは長期署名に対応できないと受け止められかねません。

それに対するひとつの解決策は、PDFを含む任意の電子ファイルに対する長期署名フォーマットを使うということでしょう。この場合、長期署名フォーマットの中に、PDFを単純なバイナリとして埋め込んでしまう、ということになります。これが現時点で考えられる正しい解決策と思われます。

それに対して、PDF電子署名の特徴は、PDFの内部に自分自身に対する署名を取り込んでおり、PDFに電子署名を施した結果もPDF形式であるということです。電子署名を施した結果もPDFであるからには、PDFの仕様であるPDF Reference で定めるところに準拠する必要があります。

では、PDF電子署名としての長期署名は考えられるのでしょうか?

その前に、長期署名の対象とする期間を考えてみましょう。

それは、10年、20年、30年、50年のいづれでしょうか?

とりあえず、30年を想定して、30年後のコンピューティング環境がどうなるか、を考えて見ますと、この長期間は、一つの企業の存続期間を超える可能性があります。ましてや、一つの製品の寿命は遥かに超えてしまいます。

過去を振り返ってみますと、現在の主流であるパーソナル・コンピュータが生まれて、まだ、30年経過していません。約30弱前に8ビットCPUをもって生まれたパーソナル・コンピュータは、16ビットCPU、32ビットCPUと強化され、現在、64ビットCPU時代へ突入しつつあります。

Windowsにしても、まだ開発開始後20年を超えたところです。Windows95が出てから、10数年ですが、この間にWindowsのアーキテクチャは、95系、NT/2000系、Vista系へと3回も大きな変化を遂げています。Vista後は、どうなるのでしょうか?

こうしてみますと、今の時点で30年後のコンピュータ環境がどうなるか、まったく想像できない、というのが正直なところです。ですので、30年後のコンピュータ環境で、現在使用できるアプリケーションがそのまま使える可能性は、ほとんどゼロ%に近いだろうと思います。

従って、PDF長期署名を、30年後に検証するとしますと、全く異なったコンピュータ環境において、署名を付加したアプリケーションとは、全く別のアプリケーションで検証することになるであろうことを前提としなければならないでしょう。

このことを想定すれば、一私企業、一アプリケーションを想定して、長期署名を考えてはならないことがわかります。

そして、長期署名は、まず仕様が完全に記述されていること、まず仕様が完全に公開されていること、製品間の相互運用性は完全に確保されていること、これらを満たすことが最低条件である、といえるでしょう。しかし、現在、上記の条件を満たすPDFの長期署名の仕様も実装も存在しません。

こうしてみますと、現在、PDF長期署名対応をアピールする製品がいかに危ういものであるか想像がつくというものです。その危うさのまま、30年という時の流れに対抗できるものなのでしょうか?

まず、そのことを謙虚に考えてみなければなりません。

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2007年10月08日

Apple Mac OS X のPDF Viewerの電子署名検証機能

Apple のMac OS Xには、PDF表示機能「プレビュー」が組み込まれていることは、良く知られています。
「プレビュー」のPDF電子署名や電子証明書による暗号化機能について質問がありましたので、調べてもらいました。

■環境:
○MacOS-X 10.4.10
○プレビュー 3.0.9(MacOS-X標準の汎用ビューワ)

■結論
標準のプレビューは電子署名や証明書暗号化には未対応

■調査結果
1.証明書暗号化ファイルを開くと開けるが何も表示されない。
  → 暗号化が解けていないようだ。
  → メニューから「ツール/情報を見る」で確認すると暗号化「なし」と表示。

2.パスワード暗号化ファイルはパスワード入力が求められて正しく開ける。
  → メニューから「ツール/情報を見る」で確認すると「暗号化されています」と表示。

 以上より証明書暗号化には非対応のように思えます。

3.電子署名は外観の表示はされているが検証はしていないようだ。

 以上より電子署名にも非対応のように思えます。

という訳で、Mac OS Xの標準PDFビューアは、電子証明書によるセキュリティ設定や、電子署名の検証機能には対応していません。

アドビのAdobe Readerには、Mac OS X版もありますので、電子証明書関連の機能を使うには、Adobe Readerを使うしかないようです。

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2007年10月07日

CSS組版でPDFができる

XHTMLで公開されている、CSS2.1の仕様書を、CSSを使って組版してPDF化したファイルが公開されました。

CSSの提唱者であるHåkon Wium Lie さんがPrinceで作成したものです。こちらからダウンロードできます。
http://www.princexml.com/howcome/2007/css21/css21.pdf

ブラウザで印刷するよりは遥かに綺麗です。
このPDFのレイアウトを指定するためのCSSスタイルシートも公開されています。

http://www.princexml.com/howcome/2007/css21/forprint.css

これを見ますと、W3Cの仕様書のようなものであれば、CSSを使って組版してPDF化することが十分に実用的であることが分かります。

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2007年10月06日

PDF/A Competance CenterとAIIMが戦略的提携

ドイツのPDF/A Competance Centerは、米国のECM(Enterprise Content Management)団体であるAIIMと戦略的提携を結んだそうです。

http://www.pdfa.org/doku.php?id=cc:en:kooperation-pdfacc-aiim
発表資料(英語:PDF)

ドイツ(欧州?)では、PDF/Aに熱心なようですが、ドイツとAIIMが手を結ぶと、残る日本はどうなるのでしょうね?ちょっと気になりました。

そういえば、来週は、フランクフルト・ブックフェアです。アンテナハウスは、XSL Formatterの組版結果を、InDeignのINX形式に出力するINXCreator(仮称)を初めて紹介する予定です。
展示箇所は弊社のリセラー:Doctronicのブース(4.2 G451)になります。

フランクフルト・ブックフェアに行かれる方は、ぜひ、お立ち寄りください。

XSL Formatterで組版した結果をPDFではなくて、INXに出力して、修正するなんて、ワンソース化に反してXML自動組版の邪道ではないか、という気もしますが。

XMLの市場として世界で大きな国は、米国なんですが、その次に大きな市場は、ドイツではないかと思います。

そして、XSL Formatter(XSL-FO)を商業出版物に使おうという動きは、米国よりも、むしろドイツの方が熱心かもしれません。

フランクフルト・ブックフェアでのINXCreatorの反響はどうなるか?少々気になります。

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2007年10月05日

フォントサイズゼロのフォントの扱い

今日、たまたま、XSL Formatter のサポートに面白い問合せが来ていました。PDFでフォントサイズゼロを設定したらどうなるか?というものです。

この問合せされた方の目的は、見えない位置にジャンプするしおりを作りたいことのようです。それで、見えない文字を配置してそこにジャンプするしおりを作ったらどうかとお考えのようです。この目的自体は、XSL-FO V1.1のしおりの標準仕様の範囲内で実現できます。

で、どうもフォントをサイズゼロにしますと、Acrobat8で正しくサイズを認識しないようだ、ということになり、興味半分で試して見ました。

このPDFは、ラテン文字にフォントサイズを0ポイントから1ポイントまで指定して作成したものです。
ファイルをダウンロード

PDFをAcrobat8.1で表示した画像

Acrobat8.1で、テキストのタッチアップ機能を使って文字を選択して、プロパティを見ますと、0.1ポイントまでは、プロパティに正しいフォントサイズが表示されます。次の図をご覧ください。

0.1ポイントの文字列を選択してプロパティを表示

しかし、0ポイントの文字のありそうな箇所を選択してフォントのプロパティを表示しますと、フォントサイズが1ポイントと表示されます。

以前、PDFの線にLine Widthゼロが指定されているとき、1ピクセルの幅になるということをお話しました。こちらをご参照ください。
2006年02月18日 線の太さについてのPDFの仕様

それと同じような話なのかもしれませんね。

ところで、これをPDF/A-1aで出力してみました。

Acrobatのプリフライト機能でPDF/A-1aとして適合しているかどうかチェックしますと、適合となります。

PDF/A-1では、透明は禁止で、透明テキスト付きPDFは作成できない、と思っていました。しかし、サイズゼロを指定した見えないフォントは問題ない、ということなのでしょうか。だとしますと、透明テキスト付きPDFの透明テキストの部分をフォントサイズゼロで指定することで、PDF/A-1適合の透明テキスト付きPDFという裏技が使えてしまいそうです。

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2007年10月04日

PDF/Aの準拠性に関する問題点

PDF/Aに関するベルリンでの会議(ISO TC 171 SC2 WG5 Berlin )の結果、PDF/Aへの準拠性に関するアドホックな委員会ができたようです。

以下、http://pdf.editme.com/PDFA-Conformanceより。

問題点1
PDF/Aのパート1は、PDF/A-1のリーダ、ライタ、検証ソフトでテストする前に出版された。出版された後、この標準を使った結果、誤りが見つかり、訂正版を出さざるを得なくなった。そこで、今後の標準の出版にあたって、最終的に認める前に、テストが必要かどうかを見極めて、そのようなテストを行う方法を勧告する。

問題点2
現在、PDF/A-1リーダ、ライタ、検証ツールが、PDF/A-1に準拠しているかどうかを認証する独立の団体がない。そのような、認証団体が存在しなければ、ソフトウエア・ツールがPDF/A準拠であるといってもそれを保証する方法がない。委員会ではそのような状況のリスクを分析し、対策を検討する。

問題点3
PDF/A標準に直接関わっているソフトウエア・ベンダは、標準に関する問題を認識している。しかし、それらの問題が標準で訂正されるのを待つ代わりに、PDF/A-1ファイルを生成するPDF/A-1ライターを開発し、販売している。そのようなPDF/A-1ファイルは、標準に厳密に準拠していないかもしれない。これらのベンダ自身が、それらの厳密にはPDF/A-1標準に準拠していないかもしれないPDFファイルを、検証してPDF/A-1に準拠していると報告するようなソフトウエア・ツールを開発し、販売している。委員会では、ソフトウエア・ベンダが標準に先行するリスクを分析し、問題に対処する方法を勧告する。

以上、やや雑ですが翻訳してみました。

うーーん。我々ソフトハウスには、耳の痛い、話です。
ただし、W3Cなどと比べると、ISOの標準化プロセスって、閉鎖的過ぎるんじゃないでしょうかねえ。

W3CのXSL-FOメーリング・リストなどでは、関連ツールの準拠度なども時々議論されてます。ツールベンダも巻き込んだ、率直な議論の場が必要だと思いますね。PDFは、いままで、アドビの支配下にありましたが、今後は、ISOで標準となるのであれば、仕様策定もオープンなプロセスが望まれます。

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2007年10月03日

著作権保護とPDFによる情報販売について(3)Fujisan Digital

PDFによる電子雑誌の販売という面では、富士山マガジンサービスの「Fujisan Digital」も見逃せません。

http://www.fujisan.co.jp/digitalmagazine.asp

これは主にコンシューマ向けになると思いますが、雑誌を丸ごとPDFで販売するサービスです。

今年始まったサービスですが、かなり注目を集めていて、既にいろいろなところで紹介されていますので、ご存知の方も多いと思います。

システム的には、アメリカのZinio社のデジタル著作権管理システム(DRM)を使っています。ビューアは、Zinio社のPDFビューアですが、PDF表示エンジンはアドビのOEMだと思います。アドビのPDFライブラリーの上に、Zinio社独自の機能を付加しているようです。

最初に富士山デジタルにユーザ登録して、ビューア(Fujisan Reader)をダウンロードしてインストールする必要があります。

Fujisan Readerでは、PDFを紙の雑誌をめくるような動作でページ読み進めていきます。

次のページへ進むボタンを押しますと、ページをめくります。

このあたりは、電子ブックで一般的なようですが眼が廻ってしまいそうです。

Fujisan Digitalの肝は、ビューアもさることながら、販売システムとDRMだと思います。しかし、デジタル版(PDF版)を購入しようとしても、配送先の住所を入れる画面がでてきたりして良く理解できません。販売システムがあまりまだ電子媒体向けになってない?

また、Q&Aのページを見てますと、【Fujisan Readerのエラーについて】項にシステム的トラブルがいろいろ上がっています。こういうのを見ますと、大勢のコンシューマ向けに販売が始まると結構サポートが大変だろうな、と他人事ながら心配になりますね。

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2007年10月02日

著作権保護とPDFによる情報販売について(2)CSS-net&DjVu

今日、著作権保護とPDFによる有償データの販売システムを調べていたのですが、PDFではなくDjVuで実現しているケースがありました。

インプレスR&Dの「調査報告書オンラインライブラリー」がそれです。
http://library.impressrd.jp/contents/

DjVuはAT&Tの研究所が開発した高圧縮の画像ファイルで、同程度の品質のPDFやJPEGに比べてファイルサイズが5~10分の1だそうです。

上のインプレスオンラインライブラリーはまだ始まったばかりのようです。現在、オープニング・キャンペーン中です。

全体のシステムは、コマツのCSS-Netという電子配信システムを利用しています。

インプレスR&Dの調査資料が、30種類弱ライブラリーに登録されており、有償で閲覧できます。無償のお試しもできます。

早速、実際に試してみました。

まず、FireFoxで、「試読」ボタンを押しましたところ、ダウンロード中の状態になって先に進みません。

諦めて、Webページをもう一度良く見ましたら、
「 OS:Microsoft Windows(2000/XP)、ブラウザ:Internet Explorer 6.0 以上、モニタ解像度:800×600ピクセル以上、JavaScript ON
※ Macには対応していません。
※ Windows Vistaは現在のところ未対応です。今後対応予定です。」

とあります。IE専用なんですね。そこで、やむを得ず、IE7でやり直してみました。ActiveXコントロールをインストールして制御するようです。

ActiveXはあまり好きじゃないですが、やむを得ず、インストールしました。DjVuのビューアがインストールされて、調査報告書を読むことができます。こんな感じです。

表示速度はそんなに速いとは感じません。DjVuの画面上で調査資料を読むのは少しつらいように思います。正直に言いますと、やはり、PDFの方が文字の表示は綺麗で見やすいと感じました。DjVuは、ラスターイメージのためのファイル形式です。アウトライン・フォントは、一定の解像度でラスター・イメージになってしまい、表示の際に拡大しても精度に限界があり、綺麗に見えないようです。このためDjVuはテキスト系資料の表示にはあまり向かないのではないでしょうか。

無償で試すことができますので、関心をお持ちの方はお試しになることをお勧めします。

参考資料:DjVu Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/DjVu

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2007年10月01日

W3Cの日本語レイアウトに関するタスク・フォース活動

W3CのCSSワーキング・グループは、今年の5月から、CSS仕様の開発に関するブログを運営していますが、そこに、日本語レイアウトに関するポストがあります。

Resolutions 2007-09 Beijing Part II: Japanese Layout and Vertical Text
http://www.w3.org/blog/CSS/2007/09/24/beijing_part_2

それによりますと、W3Cには、I18n, XSL, SVG, CSSのワーキング・グループ合同による日本語レイアウトに関するタスクフォースがあり、このワーキング・グループの目標は、日本語文書に関するレイアウト要求を文書化し、それぞれの仕様に反映することだそうです。

タスク・フォースは、主に日本で日本語により会議を行っていますが、最終的には、英語でW3Cノートを作成することです。

現在、第一部の英語化が完成していますが、2007年11月のW3C技術総会までに資料を完成し、発表されることになっています。

W3Cの会員向けのメーリング・リストなどでは、既知の情報ですが、このタスクフォースに関する情報が公開されたのは、このブログが初めてでしょう。

ところで、CSSが提案されて、既に10年を経過していますが、昨日、新宿のジュンク堂に行ってCSS関連の書籍の種類が多いことに驚きました。

W3Cの仕様の中で、CSSは最も成功した仕様の一つであると言っても過言ではありません。HTMLは別格としても。しかし、CSS3はなかなか仕様の策定が進んでいませんね。

CSSに関するブログを読んでいましたら、
Why is the CSS Working Group so slow? Wouldn't being more like the WHATWG speed it up?
CSSワーキング・グループは、なぜ、こんなに遅いの?
という記事がありました。きっと、いろんなところから、「遅い!」と突っ込まれるのでしょうね。

。。最終的には、キーボードをたたく(鳴らす)「スキル×時間」が足りないのだそうです。
http://www.w3.org/blog/CSS/2007/07/02/behind_the_scenes

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