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2007年10月28日
ソフトウェアに国境はない(?)
最近、あるソフトウェアハウスのWebページを読んでいましたら「使いにくくて高い外国のソフトウェア製品を無理して使うよりも、使いやすい日本産のソフトウェア製品を使いましょう!」という表現がでてきました。
この手の「日本製ソフトを使いましょう」というプロパガンダを時々見かけますが、あまり感心しません。
ソフトウエア開発、関連サービスの提供という意味合いであれば、当然、身近でサービスを提供している会社の方が、外国を拠点でサービスを提供する会社よりは、きめ細かくて、お客さんの期待に沿うサービスを提供できることが期待できます。しかし、ソフトウェア開発とても、オフショアに依頼する傾向になっている時代です。
ソフトウェアそのものもどんどん進化しています。
例えば、私は、Office2007のベータ版を使ってみたとき、Office2003でいつも使っている、使いたいメニューを、Office2007で、どうしても探しだせず、とてもOffice2007は使えないと思ったのですが、ある人と話をしていましたら、Office2007を使い慣れると、今度は、Office2003がとても使いにくく感じるとのことです。
このように、使いやすいかどうかは、慣れの問題ということも大きいでしょうし、外国製ソフトが使いにくく、日本製ソフトは使いやすいというステレオタイプな区分が当てはまるものではないと思います。
むしろ、私などは、ソフトウェアには国境はない、と言いたいのです。その方が、少なくともこのインターネット時代の現実世界をよく現しているように思います。
とはいうものの、今日は、OpenOffice.orgで作った日本語文書を見て、ぎょっとしました。
1.これは、OpenOffice.orgで作成した、和文と欧文の混在した文字列です。
2.こちらは、同じ文字列をXSL Formatterで組版したものです。
いづれも、和文は、MSゴシック、欧文はArialフォントを使用しています。OpenOffice.orgでは、欧文フォントのベースラインと和文フォントのベースラインの位置の調整がうまくできていないようで、欧文が上にずれ過ぎています。
これを見ますと、OpenOffice.orgの日本語組版は極めて品質が低いことがわかります。うーん、組版に関わる限り、「ソフトウェアに国境はない」と言いきれるかどうか、疑問を感じてしまいます。少なくとも、OpenOffice.orgの開発者が日本語組版をあまり研究していない、ということはわかります。
投稿者 koba : 2007年10月28日 08:00
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コメント
国産ソフトといいますと、役所や学校の書類作成で使われる一太郎などがありますが、
技術では、Tex/Dvi PostScript PDF TrueType OpenTypeなど。
企業では、Microsoft Apple Adobe/Micromedia Quark(XPress)など。
DTP/出版のPC分野に関しては、日本国内でもコアをなすのは外資系な訳でして、日本語関連の規格も海外の本社と摺り合わせつつ決めてる現状を見ると、一面的すぎるような気がしますが。
投稿者 ぽん : 2007年11月23日 01:46
さきほど再現しないと書きましたが、特定条件での不具合としてすでに報告されていました。
「和文と欧文のベースラインがずれる」
http://oooug.jp/faq/index.php?faq%2F3%2F8
私の環境でも再現します。解決法も提示されていますが、これは最初から何とかして欲しい感じですね。
投稿者 みん・おり : 2007年10月29日 09:17
「XSL-FOからのINX出力評価2007/10/23-30」という文字列を WindowsXP Pro の OpenOffice.org 2.2.1 と 2.3.0 で試してみましたが、欧文がずれる現象は再現できませんでした。PDFに出力した場合、Word97/2000/XP 形式に変換した場合でも同様です。
出たばかりのころ(1.0 とかのあたり)は日本語が全っ然駄目な印象でしたが、最近は普段使いならあまり問題なさそうに感じます。もちろん、出版に耐える組版ができるとか、そんなレベルではないのですが。
いずれにしても、「組版に関わる限り、『ソフトウェアに国境はない』と言いきれるかどうか」には同意します。特にオープンソースの世界では厳しいようですね。オープンソースプロジェクトはプログラム主体なのである意味当たり前なのですが、組版のようにノウハウやデータの積み重ねを必要とする分野に弱いという印象を受けます。
投稿者 みん・おり : 2007年10月29日 09:10