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2007年10月05日

フォントサイズゼロのフォントの扱い

今日、たまたま、XSL Formatter のサポートに面白い問合せが来ていました。PDFでフォントサイズゼロを設定したらどうなるか?というものです。

この問合せされた方の目的は、見えない位置にジャンプするしおりを作りたいことのようです。それで、見えない文字を配置してそこにジャンプするしおりを作ったらどうかとお考えのようです。この目的自体は、XSL-FO V1.1のしおりの標準仕様の範囲内で実現できます。

で、どうもフォントをサイズゼロにしますと、Acrobat8で正しくサイズを認識しないようだ、ということになり、興味半分で試して見ました。

このPDFは、ラテン文字にフォントサイズを0ポイントから1ポイントまで指定して作成したものです。
ファイルをダウンロード

PDFをAcrobat8.1で表示した画像

Acrobat8.1で、テキストのタッチアップ機能を使って文字を選択して、プロパティを見ますと、0.1ポイントまでは、プロパティに正しいフォントサイズが表示されます。次の図をご覧ください。

0.1ポイントの文字列を選択してプロパティを表示

しかし、0ポイントの文字のありそうな箇所を選択してフォントのプロパティを表示しますと、フォントサイズが1ポイントと表示されます。

以前、PDFの線にLine Widthゼロが指定されているとき、1ピクセルの幅になるということをお話しました。こちらをご参照ください。
2006年02月18日 線の太さについてのPDFの仕様

それと同じような話なのかもしれませんね。

ところで、これをPDF/A-1aで出力してみました。

Acrobatのプリフライト機能でPDF/A-1aとして適合しているかどうかチェックしますと、適合となります。

PDF/A-1では、透明は禁止で、透明テキスト付きPDFは作成できない、と思っていました。しかし、サイズゼロを指定した見えないフォントは問題ない、ということなのでしょうか。だとしますと、透明テキスト付きPDFの透明テキストの部分をフォントサイズゼロで指定することで、PDF/A-1適合の透明テキスト付きPDFという裏技が使えてしまいそうです。

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投稿者 koba : 00:00 | コメント (0) | トラックバック