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2007年02月28日

低価格ソフトへの疑問

昨年10月20日に1,980円の「リッチテキストPDF2 D&D」をダウンロードで発売し、4ヶ月を経過しました。その後、11月下旬にパッケージ版を発売して3ヶ月が経過しました。

そこで、そろそろ、こうした低価格ソフトの販売について、一回、総括しなければならないと思い見直しています。

低価格ソフトは確かに本数的には、そこそこ出てはいますが、やはり本当に、お客さんと私達ソフトウェア・メーカの両方にとってハッピーなものなのかどうか、ということを考えますと、やはり違うのではないかと考えざるを得ない状況です。

ソフトウェアは、ハードウェアと違って、コピーが無償でできます。従って、製造コストは非常に安いですから、安くしようと思えば幾らでも安くできることになります。

ハードウエアの場合は、無償というのは普通の方法では実現できませんので、ダンピングを別にすれば、おのずと、最低価格があると思いますが、ソフトウェアの場合は、最低価格は無償ということがありうるわけです。で、実際に製品を無償で提供している会社もあります。

そういう中で、適正価格をうまく決めるのは非常に難しいものがあります。

適正価格とは、一言で言いますと、お客様も我々も両方がハッピーだと感じる価格ということになると思います。製品を購入していただいて、大部分の方が「ああ、こういうことがこの位の値段でできるのならば、買って良かった!」ということで満足していただき、我々もある程度の利益を得て、社員も幸せになり、次のより良いものを作る活動を継続できる、という価格が適正価格ということです。

そういう面から考えますと、どうも、税込み1,980円というのは現在のソフトウエア製品の価格としては、安すぎるということを感じます。まあ、それは、発売する前にシミュレーションしてみれば分かるじゃないか、と。確かにその通りなんですが、その辺りがいまひとつ、自分の力を正しく認識できてない、浅ましいというか、いろいろと欲目があって、事前にはうまく予測できないものなのですね。

でやってみると、実際、現実を認識してやはり、そうか、となる次第で。修行が足りなんでしょうね。きっと。

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2007年02月27日

日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(5)

CSS3 のText Moduleの10. Document gridの部分、初めて、ざっと見てみましたがどうも大きな問題がありそうです。このまま仕様になったら大変なことです。以下に簡単に抄訳しておきます。

10.1 ドキュメント・グリッドとはなにか?
中国語や日本語のグリフは、ページの上に1次元または2次元で指定されたグリッドに従って配置するのが一般的である。文字詰め方向のグリッドは、行の中の文字の進行幅を変更することで得られる。

ルーズ・グリッドモード、原稿モード、固定幅モードのようないくつかのモードがあり、line-grid-mode属性でこの進行幅の変更の許可/不許可を切り替え、line-grid-progression属性でその値を設定する。

10.2 line-grid-mode

値:noneまたはideographまたはall

none
 グリッドなしで通常のテキスト配置が適用される。

ideograph
 内容をストリップ(細長い小片)とよぶ単位に分割する。各ストリップは、それを含む最小個数のグリッドの中央に配置される。グリッドの幅は、line-grid-progressionで決まる。

 全角文字はひとつずつでストリップになる。半角のかなをベースとする文字も一つのストリップになる。イメージのような分割できないオブジェクトもストリップである。その他のものはまとめて一つのストリップである。そして、
・全角文字、半角かなはグリッドの中央に可視化する。
・その他の文字に対応するストリップ(ラテン文字など、つまり英単語などが該当する)は、それを含むのに必要な最小個数のグリッドの中央に配置される。
・一つのグリッドに入りきらない全角文字は、それを含むのに必要な最小個数のグリッドの中央に配置される。(1.5倍角の文字は、2個のグリッドの中央に置くという意味)。
このideographモードでは、特別なテキストの均等割付やグリフの幅の調整は不許可になる。


lg-s-ex.gif

all
 この指定は、均一幅のレイアウト用である。ストリップを定義する方法が異なっていて、非結合の基底文字をもつ書記素がストリップになる。結合する基底文字(アラビア文字など)は結合している単位毎にストリップになる。
☆次の例のように、ラテンアルファベットが1文字単位でストリップになるということようです。

lg-f-ex.gif

10.3 line-grid-progression

これはグリッドの幅を指定する方法です。
このサンプルとして、次の図のような縦書か横書の分からないサンプルが出ています。

lgc-exh.gif

lgc-exvi.gif

このような仕様は、JIS X4051の考えとはかなり異なっています。多分、日本語組版の専門家には受け入れがたいのではないでしょうか?

CSS3は、まだ検討中で、構成もかなり変わっています。最新のドラフトでは、このグリッドの仕様がなくなったかと思いきや、ファイル構成が変わって別のところに、まだ、しっかりそのまま生きているようです(最新ドラフトは、W3Cの会員のみ閲覧用で未公開ですが)。これはちょっと問題ではないでしょうかね。

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2007年02月26日

日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(4)

日本語組版では、昨日お話しました、約物の詰め処理、あるいは、和欧文間の文字間隔など基本的な詰め処理や禁則処理などを行います。こうした結果、文字の配置は必ずしも、正方形の枠を並べた状態、すなわちグリッドにうまく入らないことが多くなります。

それにも関わらず、日本語組版はグリッドベースで行われる、と表現してしまうと、次のような問題が起こります。

約物の詰め処理や、禁則処理を説明したとたんに、「そうすると文字がグリッドからずれてしまうがどうするのか?」という疑問を引き起こしてしまいます。

これは、まさに、昨年のXSL-FO 2.0 の会議で経験したことです。

昨年10月18日のXSL-FO 2.0 の会議で、プレゼンテーションが終わったとたんに、グリッドベースと矛盾する、約物の詰め処理や、禁則処理をどうやって定義するのか?と質問の嵐になりました。

それだけではなく、10月19日のミーティングでもそのことをいろいろと説明を求められたわけです。

要するに、グリッドベースということで、縦横に引いた線に合わせて文字を配置する、と言うことを頭に思い浮かべるのに、その後で、詰め処理を説明すると、これは論理的に矛盾していることになりますので、聞いた方が混乱してしまうことになります。

これに類する話は、CSS3の仕様案にも盛り込まれています。CSS3のText Module(このモジュールの最新は、現在、Webには見当たりません。)の古いバージョンには、一見もっともらしい、次のような定義があります。

10. Document grid
10.1. What is document grid?

It is very common for the glyphs in documents written in East Asian languages, such as Chinese or Japanese, to be laid out on the page according to a specified one- or two-dimensional grid. The concept of grid can also be used in other, non-ideographic contexts such as Braille or monospaced layout.
(中国語や日本語のグリフは、ページの上に1次元または2次元で指定されたグリッドに従って配置するのが一般的である。)

原典:CSS3 Text Module W3C Candidate Recommendation 14 May 2003

そして、この文章の後ろの方には、JIS X4051的に見ますと、まったくでたらめな次のような文字配置が規定されています。

20070226-2.PNG

上の図は、厳密なグリッド・モードと言うらしいですが、これはグリッドを優先して和文をグリッドに合わせて配置し、和文と欧文の間隔は、和文文字用グリッド端と欧文の単語の始端・終端の間隔にすることになります。しかし、このような文字配置は、現実の日本語組版では決して行われないでしょう。この仕様は、日本語組版はグリッドベースで行われるという公理(!?)から、論理的に導き出されていると思われます。しかし、これは現実には適合していません。

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2007年02月25日

日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(3)

昨日は、XSL-FOやCSSにJIS X4051で定めている、日本語組版における基本的な文字配置を設定できるようする必要があると言いました。そのためは、具体的にどういうことが必要でしょうか?

これは、簡単に言いますと、2007年02月23日 日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(1)の最後の二つの図にある式に出てくる変数を設定できるようにすれば良い、ということになります。

ここで、グリッドという言葉を持ち出す必要はありません。むしろ、グリッドを持ち出すのは有害です。

なぜ、グリッドは有害なのでしょうか?以下にそのことを説明したいと思います。

このため日本語組版特有の詰め処理ということを見てみます。

日本語の組版では、句読点や括弧類を約物と呼び、文字と文字の間の空き量に特別の配慮をします。

(1)約物の詰め処理
200702251.PNG

この図の一番下の例は、閉じ括弧と句点が連続したとき、半角(二分)詰めることを意味しています。つまり、行の中で句読点や括弧類が連続したとき、その連続する約物の組合せによって特別の処理をしなければならないことを示しています。この文字の種類の組合と字詰めの規定がJIS X4051の表5に掲載されています。

(2)約物の詰め処理 続き
20070225-2.PNG

この図は、行の先頭に始め括弧類が来たとき、その空き量をどうするか、幾つかの方法があることを示しています。

(3)和欧文間の空き
この他、空き量の調整としては、漢字やひらがなのような和文と、ラテンアルファベットのような欧文の間には1/4の空き(四分)を取ることも表5から分かります。

JIS X4051にはこのような日本語の文字を配置していくときの規則が事細かに規定されています。

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2007年02月24日

日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(2)

日本語文書の組版方法については、さまざまな出版社毎のルールがあると思いますが、JIS X4051は、専門家が集まって長いこと議論を重ねて標準として定めたものですので、やはりそれに準拠するのが良いと思います。

このJISの「4.1行に配置する文字の基本的な配置位置」は、欧文系の仕様ではあまり標準的な考えではありません。

その前に簡単にここで使う用語を説明します。次の図をご覧ください。
200702241.PNG

まず、日本語の漢字や一般のひらがななどは、一つ一つが正方形でデザインされています。文字の外枠の大きさ(高さ)が文字サイズとなります。そして、文字と文字の間隔を文字間と言います。JIS X4051では定義されていませんが、ここでは文字を1文字ずつ進める幅を文字ビッチと言います。

さて、「4.1行に配置する文字の基本的な配置位置」では、
a.行送り方向は、それぞれの文字の中心を揃えて文字を配置する。
b.字詰め方向は、行頭、行末および隣接する文字間に表5に規定する空き量を確保して文字を配置する。

とあります。表5を見ますと、普通の漢字やひらがなでは、空き量はゼロ(文字間なし)となります。つまり、日本語の横書きでは文字をその外枠をつけて左から順に並べていくことになります。

そして、昨日の図にありましたように、指定した文字数分並べたら、新しい行に進み、次の行の先頭から文字を並べます。

従って、ワープロでJIS X4051準拠の日本語組版をしようと考えたら、左余白を指定し、それから文字のサイズを指定し、それから文字数を指定する、というページ設定ができなければなりません。

例えばMicrosoft Wordなどでは、特別に注意しないでページ設定をしますと、左余白、右余白を設定し、その結果として本文の入る幅が決まります。一行の文字数は、文字のサイズを決めると結果的に決まることになります。但し、Microsoft Word 2003のページ設定ダイヤログには、(1)左余白を設定し、(2)文字数と行数を設定、(3)標準の字送りを使用することで、右余白が計算して設定される機能があります。これを使いますとJIS X4051に準拠する文字の配置ができると思います。このようにMicrosoft Wordは日本語組版を研究して、その方式で設定可能な機能を用意している点はさすがです。

ところが、現在のXSL-FOやCSSには、そのような指定方法は用意されていません。Microsoft Wordの標準と同じで、左右余白を設定する方式です。そこで、まず、このような設定を簡単にできる機能を用意してもらわなければならないということになります。

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2007年02月23日

日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(1)

この間の多言語組版研究会で、ちょっと気になったことをもう少し突っ込んでみます。
それは、「日本語組版はグリッドベースで行う」と言う表現についてです。

昨年のXSL-FOV2.0のワークショップで、ジャストシステムの大野氏が、日本語組版からXSL-FOへの要求事項ということでプレゼンテーションを行いました。このことは、既にブログでも触れています。
2006年12月12日 XSL-FO 2.0 Workshop続き先日のPage2007でも、2月9日の「D6XMLと高度な日本語組版の実現」というセッションで、報告がありましたので、お聞きになった方も多いと思います。

そのプレゼンテーションのスライドに次の図があります。
20070223-10.PNG

この図は、まさしく、日本語組版はグリッドベースで行うということを言っていると思います。XSL-FO 2.0 Workshopでも、Page2007 でもそのプレゼンテーションを聞きながら、この表現が内包している問題点に気が付かなかったのですが。先日の研究会で初めて気が付きました。

それに対して、多言語組版研究会で、小野澤氏は次の図と式を示されました。
20070223-21.PNG


20070223-31.PNG

20070223-41.PNG

この図と二つの式の一部を説明しますと、

横組みにおいては、のどの空き量を指定し、版面の寸法(幅)は文字数×文字サイズで計算し、小口の空き量は成り行きとなる(結果的に決まる)と言っています。

上の用語は分かりにくいと思いますので、皆さんが普段使っているワープロの用語でワープロで言ってみましょう。

そうしますと、見開きページでは内側の余白を設定し、さらに文字の大きさと文字数を指定します。

その結果、文字の大きさと文字数から本文領域の幅がきまります。そして、外側の余白は、ユーザが明示的に指定するのではなく、紙の幅から、内側の余白と本文領域の幅の和を引いた値となります。

これが、小野澤氏の説明、すなわちJISX4051が定めている、日本語組版における文字を流し込む領域の指定方法です。

つまり、JISX4051が定める日本語組版では、横組みの時は、右ページなら、左余白を指定し、本文領域の左から文字を一つづつ置いていき、文字数分まで達したら、そこで行を折り返すというわけです。

このことは、もし、文字が全部同じ大きさで、括弧類や、句読点が無ければ、結果的に文字がグリッドに入れたようになる、ということになります。すなわち、グリッドはあくまで結果的にできるものであって、最初からグリッドを想定して、決して、各グリッドのセルに文字を入れていくものではない、ということです。

ところが、欧米人に対して、まずグリッドありきという表現をしてしまったために、おかしなことが起きてしまったように思います。

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2007年02月22日

コンポーネント・ソースの日本国内トップ10開発元の受賞

21日朝、メールを見ましたら、「ComponentSource Bestselling Publisher in Japan Awards 2006」というのを受賞したという連絡が入っていました。

コンポーネント・ソースは、開発者向けのツールを主にオンラインで販売している会社です。本社は英国ですが、日本にも子会社があり、最近積極的に販売活動をしているようです。弊社では数年前から同社で、システム製品を販売してもらっていますが、受賞は初めてです。

いままで、20有余年、アンテナハウスはコンバータなんていう地味なソフトを開発・販売してきましたので、あまり、いろんな受賞とは縁がなかったのですけれども。

賞は、なんでもうれしいですね。というわけで、早速、受賞ロゴをWebに飾ってもらいました。

ここにもひとつ掲載しましょう。
Top-10-Pub-2006-J-Small.gif

Webページはこちらです。
ComponentSource ベストセラー 開発元 アウォーズ2006

この選択基準は、開発元の全ての製品を合わせた日本円による総売上高で、対象期間は、2006年1月1日から2006年12月31日だそうです。

他の受賞会社を見ますと、次のような顔ぶれです。
1位 グレープシティ株式会社
2位 インフラジスティックス・ジャパン株式会社
3位 株式会社エージーテック
4位 株式会社ネットワールド
5位 株式会社チェンジビジョン
6位から10位はアルファベット順で詳細な順位は非公開だそうです。
アドバンスソフトウェア株式会社
アンテナハウス株式会社
日揮情報システム株式会社
株式会社エイチオーエス
株式会社ニュートン
多分、6位以下は差が小さいのでしょうね。

いずれも、開発者以外の人には、日ごろなじみのない会社が多いと思いますね。プログラム開発者向けのツールの世界は結構独自の市場領域なんでしょうか?

ちなみにアンテナハウスでは、企業内システムやWebシステムを構築するときのソフトウエア部品として「システム製品」という製品分類にしています。

アンテナハウスシステム製品の総合案内はこちらをどうぞ。
システム製品総合情報

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2007年02月21日

雛形PDFにデータを差し込みして、新しいPDFを作成

XSL Formatterは、XSL-FOでレイアウト指定されたドキュメントを組版してページを作りだし、その結果をPDFに出力するソフトです。

XSL Formatterではページの背景(ページの一部を含む)にイメージ画像だけでなく、PDFもそのまま使うことができます。この背景画像として、PDFで作成されたフォーム(帳票)を使えば、PDFで作成した雛形帳票にデータを書き込むソフトとしても使えることになります。

XSL-FOをサーバサイドで、ダイナミックに生成して、それを雛形PDFに書き込んで、新しくPDFに出力すれば、それは、そのままPDFにデータを差し込みして、新しいPDFを作成するソフトとして使えます。

実は、このアイデアをデスクトップ製品として実現したのが、「書けまっせ!!PDF2」なのです。

ところが、最近は、「書けまっせ!!PDF2」で、帳票のバッチ処理をしたり、あるいは、「書けまっせ!!PDF2」のような機能をサーバサイドで使いたいという問合せがちょくちょく入ってくるようになりました。

そこで、原点に帰って、「XSL FormatterでPDF用紙に差し込み印刷」という簡単な資料を作成してみました。

詳しくはこちらをご覧ください。
「PDF資料室」
「XSL FormatterでPDF用紙に差し込み印刷」

この資料を作るのに2時間くらいかかってしまいました。それにしても最近XSL-FOをほとんど忘れかけています。(もっとも、もともと、そんなに詳しい訳ではないのですがね。)

XSL-FOを使えば、こんなこともできるんだということを知っていただきたいと思います。それで、皆さん、もっとXSL-FOを勉強しましょう。世界標準XSL-FOについて、もっといろいろな用途に応用したり、新しいアイデアで活用できる人が増えて欲しいものです。

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2007年02月20日

第22回多言語組版研究会 — 「縦組の組版方法と組版指定交換形式」を開催しました

本日は、久しぶりの多言語組版研究会を「縦組の組版方法と組版指定交換形式」というテーマで開催しました。

講師をお願いしましたのは、前印刷技術協会、元写研の小野澤さんです。小野澤さんには、XSL Formatterを発売してから、印刷技術協会にお尋ねして、製品を紹介させていただいた時に、初めてお会いしましたが、あれからもう5,6年経過してしまったように思います。XSL Formatterについて、印刷技術協会のセミナーなどで紹介させていただくなど、大変お世話になりました。

研究会用にパワーポイントのスライド46枚のとても充実した資料を作っていただいたのですが、1週間掛りとお聞きしました。恐縮です。

資料はこちらにアップしましたので、これは、ぜひ、多くの方にご覧いただきたいと思います。
第22回多言語組版研究会:「縦組の組版方法と組版指定交換形式」について
当日の配布資料(一部略)PDFファイル

実は、この資料を一番説明してみてもらいたいのは、W3CのXSL-FOのワーキング・グループやCSSのワーキング・グループです。

XSL-FOのワーキング・グループで仕様を決めている人たちは、日本語組版を綺麗に行うための要求条件について、ほとんど知識をもっていないようです。CSSのワーキング・グループも、ほとんど同じような状況で、現在、W3Cで進められているCSS3のドラフト仕様にも、相当におかしな日本語組版の仕様やサンプルが掲載されています。

特に、CSS3の仕様を作っている人達の間では「日本語組版はグリッドベースで行う」、という思い込みがあるようで、ページを縦横の升目に区切ってその升目に文字を配置するというような仕様案が掲載されています。

これは、恐らくは、Microsoft Wordで、文字をグリッドに合わせて配置するというページ設定のモードがあり、このモードに基づいているのではなかろうかと思われるのですが、あまり頂けません。
20070220.PNG

もっとも望ましいのは、JIS X4051を完全に英語に翻訳して提供することではないかと思いますが、残念ながら、JIS X4051の公式な英訳は存在しません。特にCSS3の仕様などは、将来的には、ブラウザなどに実装され、日本人がWebで文章を読む際に、大きな影響を与える可能性が大きいと思います。

日本からの積極的な情報提供や発言が望まれます。

参考資料
JIS X4051:2004 日本語文書の組版方法 

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2007年02月19日

PDFデスクトップ・パッケージソフトは何種類位?— 2004年以前分

アマゾンやWebのパッケージ販売サイトで売られているPDF関係のデスクトップ製品の大半は、2005年から2006年に発売されたものです。2004年以前に発売された製品も、少数ですが、あります。

◎2004年以前に発売されたデスクトップPDF製品(一部、旧バージョンを含む)
----------------------------------------------
PDF高速王 2 ~PDFinder 3.0~ (2001/03/16)
PDFNavi Ver4.0 (2002/07/18)
あそべるつくれるPDF (2003/07/11)
いきなりPDF (2004/03/12)
ePware2003 XeloPDF生成ドライバーバンドル版 (2004/04/21)
pdMaker for Office Win (2004/04/23)
エキスパート PDF 2 Professional版 (2004/04/23)
まとめて瞬間PDF (2004/10/21)
なんでもPDF (2004/11/05)
----------------------------------------------

WindowsXPのパッケージ版が発売されたのが2001年で、この間、デスクトップ用のWindows環境は比較的変化がなかった時期です。デスクトップ製品のほとんどはWindows用ですので、Windowsが変わらなければ、アプリケーションもずっと使えるという意味合いで、この数年は安定期だったと言えます。

ところが、今年はWindows Vistaが登場ということになり、アプリケーション・ソフトを動かす方の環境が激変してしまいました。

そんなことからPDFデスクトップソフトも、今年の早い時期に、Windows Vista対応が必要となっています。今年の早い時期に、Windows Vista対応版が出ないPDFソフトは落ちこぼれということになります。アンテナハウスでは、既に、中核のコンポーネントは、Windows Vistaで動作確認済みの状態ですので、これから、新しいバージョンを、順次、ご案内する予定です。恐らく、他のメーカも同じような状態と思います。

約60種類のPDFデスクトップ製品地図が、今年中にどう変化するか、楽しみでもあります。同時に、それだけではなく、PDFの新しい応用を切り開くようなソフトの登場も待たれますね。

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2007年02月18日

PDFデスクトップ・パッケージソフトは何種類位ある?— 2005年分

さて、2005年はどうでしょうか?同じように、アマゾン、ヨドバシドットコム、ムラウチドットコムなどで販売されているPDF関係のデスクトップ製品をリストアップしてみました。

そうしますと、次の表のように22種類です。2006年よりも数の上では少ないようです。

ソースネクストの「いきなりPDF」シリーズが5種類、メディアドライブの「やさしくPDF」シリーズが5種類とこの2つのファミリーで半分を占めています。

Adobe Acrobat 7.0 Standard 日本語版 Windows版 (2005/01/21)
ファイルコンパクト Central Edition (2005/02/25)
いきなりPDF Professional (説明扉付きスリムパッケージ版) (2005/03/04)
Acrobat Elements 7.0 日本語版 Windows版 (2005/04/22)
リッチテキストPDF 1.0 (2005/06/01)
いきなりPDF Professional 2 (説明扉付きスリムパッケージ版) (2005/06/24)
いきなりPDF Expert Pack 2 (説明扉付きスリムパッケージ版) (2005/06/24)
いきなりPDF 2 (説明扉付きスリムパッケージ版) (2005/08/26)
ScanPaper for PDF (2005/08/26)
かんたんPDF編集 (2005/08/26)
ScanPaper for PDF エキスパートパツク (2005/08/26)
やさしくPDF OCR v2.0 キャンペーン版 (2005/10/14)
やさしくPDF OCR v2.0 pdfFactory 2付属 キャンペーン版 (2005/10/14)
やさしくPDFへ文字入力 PRO v.5.0 (2005/10/21)
PDFOCRv1.x キャンペーン版 (2005/11/11)
クセロ PDF Tools Ver.3.x (2005/11/28)
すごい位置あわせPro2 (2005/11/25)
やさしくPDFへ文字入力 編集・校正用 v.3.0 (2005/12/02)
やさしくPDFへ文字入力 フォーム入力用 v.3.0 (2005/12/02)
リッチテキストPDF 1.1 (2005/12/15)
いきなりPDF to Data Professional (説明扉付きスリムパッケージ版) (2005/12/16)
いきなりPDF EXPERT PACK 2 DX (説明扉付きスリムパッケージ版) (2005/12/16)

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック

2007年02月17日

お詫び

本日正午頃から21時半頃までの間、本サイトへのアクセスができない状態となっておりました。
復旧作業に手間取り長時間に渡りご迷惑をお掛けいたしました。

現時点で、昨日のエントリー以外に関しては一部画像を除き復旧しております。
今後は迅速に復旧できるよう努めて参りますので、今後とも【PDF千夜一夜】をよろしくお願いいたします。

サイト管理人

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投稿者 john : 21:57 | コメント (0) | トラックバック

PDFデスクトップ・パッケージソフトは何種類位ある?— 2006年発売分

PDFソフトは、日本で毎年一体何種類位発売されているのでしょうか?PDFソフトといっても、サーバで動くソフトからデスクトップで動くソフトまで様々な種類があります。また、PDFは、現在では、紙の代わりに使われています。従って、PDFソフトをどのように定義するかで、結果はかなり変わってくると思います。

そこで、ここでは一般に広く売られている、デスクトップ用PDFのパッケージソフトで見てみることにしました。印刷業界用の専門的なものも沢山あると思いますが、とりあえずそれは除きます。

まず、アマゾン、ヨドバシドットコム、ムラウチドットコムなどのサイトで販売されているPDFのパッケージソフトを発売時期別にリストアップしてみました。

まず、2006年分ですが、次の表の通りで、33種類が見つかりました。
書けまっせPDF for Windows (2006/01/17)
Justsystem PDF Suite for Windows CD-ROM (2006/02/10)
Adobe Acrobat 3D 日本語版 Windows版 アップグレード (Acrobat 7.0 Pro) (2006/02/17)
いきなりPDF from スキャナ (説明扉付きスリムパッケージ版) (2006/03/03)
いきなりPDF Professional 2 PLUS (説明扉付きスリムパッケージ版) (2006/04/07)
いきなりPDF EDIT! (説明扉付厚型スリムパッケージ版) (2006/05/01)
PDF TOOLS All PDF (2006/06/29)
PDF TOOLS easy PDF (2006/06/29)
PDF TOOLS Freebird (2006/06/29)
PDF TOOLS Jade (2006/06/29)
PDF TOOLS Magellan (2006/06/29)
PDF TOOLS PDF Explorer (2006/06/29)
速攻!PDFビルダーPro (2006/07/07)
リッチテキストPDF 2 (2006/08/23)
速攻!PDF from Paper (2006/09/01)
速攻!PDF to Data (2006/09/01)
速攻!PDF to Data & from Paper (2006/09/01)
速攻!PDFビルダー Pro & Tools (2006/09/01)
速攻!PDFビルダー Standard (2006/09/01)
これなら使えるバリューパック2 for Windows (2006/09/02)
新撰セレクト5まとめて瞬間PDF・超簡単バックアップ2 (2006/09/08)
いきなりPDF COMPLETE 2 (説明扉付厚型スリムパッケージ版) (2006/09/29)
いきなりPDF from スキャナ 2 (説明扉付スリムパッケージ版) (2006/09/29)
いきなりPDF PACK (説明扉付スリムパッケージ版) (2006/09/29)
いきなりPDF Professional PACK (説明扉付スリム辞書ケース版) (2006/09/29)
いきなりPDF to Data 2 (説明扉付スリムパッケージ版) (2006/09/29)
いきなりPDF to Data Professional 2 (説明扉付スリムパッケージ版) (2006/09/29)
PDF2Office Standard Version3.0 (2006/11/17)
PDF2Office Personal Version3.0 (2006/11/17)
リッチテキストPDF2 D&D for Windows (2006/11/24)
Adobe Acrobat 8 Professional (2006/11/30)
Adobe Acrobat 8 Standard (2006/11/30)
書けまっせPDF2 for Windows (2006/12/22)

まだ他にもあるとは思いますが、主だったものはカバーしていると思います。数の上では多いように見えますが、ソースネクストの「いきなりPDF」シリーズ9種類、マグレックスの「PDF TOOLS」シリーズ6種類、クロスランゲージの「速攻!PDF」シリーズ6種類で21種類になります。

アンテナハウスは、
・これなら使えるバリューパック2 for Windows
・リッチテキストPDF 2
・リッチテキストPDF2 D&D for Windows
・書けまっせPDF for Windows
・書けまっせPDF2 for Windows
の5種類です。

ですので、出版元数で見ますと、意外に少ないようです。

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2007年02月16日

Page2007、PDF/X -J Plus 協議会ミニセミナーなど

Page 2007 が終了してから、早いもので、既に1週間を経過してしまいました。今年のPageでは、例年通り、アンテナハウス・エクスイズムの共同で出展しましたが、ブースが文化会館2階になったこともあり、大変盛況だったようです。来場いただいた皆様、ありがとうございました。

自社ブースの他、PDF/X-PlusJ 推進協議会ブースの特別展示ブースでのミニセミナーに参加しました。PDF/X-PlusJ協議会の方も、大変盛況だったようです。協議会のWebページに、そのミニセミナーの様子が報告されています。

ここに、アンテナハウスのミニセミナーでのプレゼンテーションのPDFをアップしておきます。
XSL Formatter V4.1のPDF/X、タグ付きPDFサポート等

アンテナハウスのブースでは、一通り商品を実演しましたが、やはり、「書けまっせ!!PDF」や「リッチテキストPDF2」への関心が高かったようです。

「書けまっせ!!PDF2」に付いては、「PDFに書き込むことができるんだ!」という感嘆の言葉を漏らす人が多かったと、実演の担当者から報告がありました。Page2007のような印刷業界の展示会に来訪する人達でも、PDFは内容を固定化してしまって、紙の代わりに使うものであって、変更できないのというイメージを持っている人が多いようです。

また、「リッチテキストPDF2」については、「予想していたよりも変換精度が高い!」という感想を漏らす方が多かったとのことです。今のベストセラーになっている、S社の「PDF to Data」の変換は劣悪ですからねえ。あんな製品を販売して恥ずかしくないのでしょうか?

最近、弊社への問合せメールには、「リッチテキストPDF2」を買う前に、変換精度を評価してみたいという要望が増えています。S社の製品を買って痛い目を見た人は、同ジャンルの製品への不信感をもってしまうと思います。困ったものです。

【お詫び】この文章は、2月16日よるから2月17日のハードディスククラッシュで、原文が消失しました。記憶に基づいて再度記入しましたが、最初とは少し違っているところもあると思います。ご容赦くださいますよう。

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2007年02月15日

中国語による索引のソートライブラリー(オープンソース)の公開

XSL Formatterで中国語(簡体字、繁体字)を組版して本を作り、その索引を作成したときに使える索引語ソート・モジュールをオープンソースとして公開しました。

こちらからダウンロードしていただけます。
Download I18N Support Library (about 5,694 KB).

このライブラリーを公開しているWebページはこちらです。
http://www.antennahouse.com/XSLsample/XSLsample.htm

ライブラリーについての簡単な説明は「I18N Support Library」の見出しの部分をご覧ください(申し訳ありませんが、英語のページしか用意できていません)。

このライブラリーのオリジナルは、アメリカのパートナーであるInnodata ISOGENが開発したものです。

概要は、Extreme Markup Languages 2002で発表されており、こちらで簡単に紹介しています。
「XSL Formatting Objectsのための国際化した巻末索引 」
※現在、オリジナルの論文PDFは、Web上では公開されていないようです。上のページのリンクをたどることができません。

2002年当時、XSL-FOの仕様には、巻末索引語の重複を削除する機能がありませんでした。Innodata ISOGENのJAVAライブラリーでは、索引語のソートや、索引語の重複削除などを行っていました。現在、XSL-FO V1.1仕様は、索引作成に関する仕様がかなり充実していますので、索引語の重複削除はXSL Formatterが自動的に行います。

しかし、索引語のソートは、XSL Formatterの標準機能にはありません。アンテナハウスでは、ある会社の多言語マニュアル組版システムを開発したのですが、中国語の索引のソートが必要になったため、Innodata ISOGENからライブラリーを入手して、中国語(簡体字、繁体字)のソート(並び替え)を行う部分を改造しました。

このライブラリーはもともとLGPLで提供されているものです。そこで、LGPLのルールに従い、このたび、改造したプログラムをLGPLライセンスのオープンソースとしてWebで公開したものです。ご活用いただければ幸いです。

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2007年02月14日

Microsoft Office のOffice Open XMLのISO化は難航?

Microsoft Office2007のXMLファイル形式である、Office Open XML形式のISO化が難航するかもしれない、というニュースが流れていますね。

『Open Office XML』形式の ISO 標準化に障害あり?

Office文書ファイル形式の標準をめぐる争いは、SunやIBMとMicrosoftの代理戦争のようなもので、政治的な話。本当にユーザの立場に立った議論なのかどうかいつも疑問を感じています。

そういえば、XSL-FOの標準化でも、「2006年12月12日 XSL-FO 2.0 Workshop続き」で、昨年10月のハイデルベルグでのXSL-FO 2.0 Workshopのことをお話しました。12月12日の時点では、アンテナハウスの要望がちゃんとWebに掲載されていたのです。しかし、今見ると、取り下げになっています。取り下げたつもりはないのですが。

20070214.PNG

うーーん。これも規格戦争の一旦?

でもちゃんと、サーバには残っているようで、ここからPDFを落とせますよ!

http://www.w3.org/Style/XSL/2006-Workshop/AntennaHouse_XSL_and_CSS_Proposal.pdf

こういうのをきっと頭かくして尻隠さずというのでしょうね。それにしても、CSSとXSL-FOの整合性を取るほうが、長期的にみれば好都合なことは明らかなのに、なぜ、この分かりきった提案を採用できないのか?あきれた話です。よほどやりたくない人がいるんでしょうね。

最近、Webページをxhtml+CSSで作っていて、やはりCSSの方が、XSL-FOより遥かに分かりやすいと感じます。無論、XSL-FOにはそれなりの意義があります。しかし、XSL-FOはやや専門的なので、CSSの方が採用されやすいだろうということです。

今日からPDF総合案内のページを更新しました。このページは、完全にxhtml+CSSです。

アンテナハウスPDF製品総合情報

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2007年02月13日

「書けまっせ!!フォーム」の提供を開始しました。

アンテナハウスでは、このほど、「書けまっせ!!PDF2」で使用できるPDFテンプレート「書けまっせフォーム」の提供を開始しました。

「書けまっせ!!フォーム」の第一陣は、オフィスなどで使用できる様々な用紙300点をPDF化したものです。次のWebページからご自由にダウンロードしてお使いいただくことができます。

アンテナハウス「書けまっせ!!フォーム」のページ

使い方は簡単です。「書けまっせ!!フォーム」のWebページでは、用紙内容がサムネイル画像で表示されていますので、お使いになりたい用紙の種類を選んで、ダウンロードします。
20070213-1.PNG

ダウンロードしたPDFファイルを、Adobe Readerで表示しますと、次の図のように、「見本」という透かしが表示されます。

20070213-2.PNG

しかし、この同じPDFファイルを、「書けまっせ!!PDF2」で開きますと、透かしが消えます。
20070213-3.PNG

あとは、「書けまっせ!!PDF2」でご自由に文字や図形を書き込んでPDFにしたり、印刷したりしてお使いいだたくことができます。

なお、「書けまっせ!!PDF」の旧バージョンで読み込んでも透かしは消えませんのでご注意ください。

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2007年02月12日

日本語の文字についての用語について(11) — 字体と書体 再考

昨日(11日) 第5回もじもじカフェ「正字体の正体とは?!」で、大熊 肇さんの話を聞きました。お話の内容は、全体としても大変興味深いものでしたが、特に、「字体」と「書体」について、大熊さんのお話をお聞きしながら、いままで考えていた定義が偏っていたことに気が付きました。まったく、眼から鱗が落ちる思いとはこのことかと。

2007年01月11日 日本語の文字についての用語について(1)で、「表外漢字字体表」の字体と書体の定義を紹介しました。

この表外漢字字体表の考え方は一言で、字体は抽象的な文字の骨格であり、字体を統一的スタイルでデザインして具体化したものが書体である、というものです。これは、常用漢字表の考え方を踏襲しています。

また、JIS文字規格は字体をまず考え、包摂する異体字を含めて、コードポイントを与えるもの。いわば、字体中心と言えると思います。

つまりこうした考え方は、抽象的な概念である字体がまずある、という考えに基づくもののように思います。少なくとも私は、そう思っていました。

ところがそうじゃない、ということなんですね。漢字の生い立ちから遡って考えるとどうも違うのではないかということなのです。

現代の印刷書体は、明朝体、ゴシック体、教科書体というような書体に分類されます。

これに対して、もじもじカフェで大熊さんは、最初に、正書体、行書体、草書体について次のように説明されました。

正書体 — 石碑などに彫るかしこまったものにつかう書体。秦の篆書、漢の隷書、唐の楷書を指す。
行書体 — 日常の筆記体(通行体)
草書体 — 省略体。草書の字体は、前漢の時代に発生した。

そして、唐の時代に作成された楷書の字体が正字体というものだそうです。

このあたりで、どうも書体についての考え方がかなり違う、ということをなんとなく感じました。

大熊さんは書家ですので、お客さんから、字体を示されて特定の書体で書いてほしいという依頼を受けるそうですが、ところが要望に応えることのできない文字が偶にあるのだそうです。つまり、ある字体を隷書で書いて欲しい、という依頼があっても、その字体を隷書で書くと、まったくおかしなもの、つまり、そのような隷書の文字は存在していなかったもの、あるいはまったく格好悪いものになってしまう、というお話をされました。

その話を聞いていまして、「表外漢字字体表」の書体の定義は、どうもそういう現実から考えると、逆じゃないか?ということに気が付いたわけです。書家的には、あるいは、歴史的には、まず、書体があるのですね。つまり、格好よく文字を書く、あるいは、その時代の政治的な意図で、まず書体ができ上がり、その書体向きの字体が固定化した、という考え方になるのだろうということです。現実的にはこちらの方が妥当なように感じました。

【参考資料】
TONAN's Web
字体・字形・書体・字種

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2007年02月11日

北京でのソフト開発10年を振り返って (2)中国での販売のこと

アンテナハウスの北京の子会社北京紅櫻楓軟件有限公司(HYF)では、アンテナハウスの製品の中国での販売、また中国独自製品の中国市場での販売も行っています。

中国国内販売は、最初、あまり成果が上がらなかったのですが、昨年は、ようやく中国国内売上がHYFの総売上の35%になりました。

特にPDF関係がやはり中国でも売上が伸びています。

また、XMLについても、一部の大手企業での導入は進んでいます。XSL Formatterは中国の大きな保険会社の外交員向けのシステムに組み込まれており、数万台の端末で使われています。中国の大企業には、米国帰りのIT責任者が在籍している場合があり、そういう場合は、日本よりもむしろ進んでいるケースもあるのです。

中国では汎用のパッケージソフトはほとんど売れません。10年前から比べると表向きはともかく、実態はまだ不正コピーが氾濫しているようです。ユーザ側では、無料で使える方法があるのにお金を払う必要がないという意識があるようで、そういう世界ではパッケージソフトはまったく売れないでしょう。中国市場で、パッケージソフトを売ろうとしたら絶対に違法コピーできないような仕組みが必要だろうと思います。

結局のところ、各企業ユーザ向けに個別カスタマイズ版を提供していくという方法を取ることになります。大きな案件がとれれば良いのですが、ひとつひとつの案件が小さいと、これはあまり生産性の高い方法ではないように思います。

あとは、日本と同じようにソリューションを開発するという方法でしょうか?但し、HYFでは、現状、ソリューションの開発はわずかですので、この方法でうまくいくかどうかは分かりません。

また中国製の携帯電話上で使える文書ビューアを開発して、中国の携帯電話メーカにライセンスを提供しています。携帯電話用のソフトであれば不正コピーはないだろうと考えていたのですが、甘かったようです。今度は、携帯電話メーカからなかなかライセンス料金を支払ってもらえません。販売本数分のライセンスを払うという契約を結んで、売れたという報告をもらっても、なかなかお金を払ってもらえません。ある大きな携帯電話メーカ向けの契約では、1年近い交渉で漸く、お金を払ってもらいました。他に1年経ってもまだ代金を払っていない会社もあります。これは、契約を元に粘り強く、取れるまで諦めずに交渉するしかないと思いますが、それにしても骨が折れます。

このように、お金が回り難い状態だと、なかなか企業が成長できないのではないかと思いますが、他の中国企業や日系企業はどうしているのでしょうか?他の会社のホンネを知りたいものです。

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2007年02月10日

北京でのソフト開発10年を振り返って (1)通貨のこと

2月7日に北京空港について、まず、通貨交換の窓口で、円から元に少し転換しました。このレートは1万円が621元で、1元が16円となります。

10年前は、確か、670元程度だったように記憶しています。つまり、10年間でせいぜい元が1割高くなったの程度ではないかと思います。

このように通貨の交換レートが10年も同じようなレベルで固定しているのは、中国の経済力の変化とはかなりかけ離れているように思います。つまり、中国の経済が大きく成長して、国際的な収支も大幅な黒字になっているにも関わらず、元が高くなっていないのです。これは中国が、元とドルのレートをまだ自由化していないためで、現状では、中国元はかなり不自然に安く設定されていると感じます。

中国のソフトウエア産業の2005年の輸出額は約36億ドルで、60%が日本向けだそうです。2004年と比べて45%の増加だそうです。

また、北京の市内を走ってみるだけでも、10年前と比べて、沢山のビルやマンションと思われる新しい建物が建設されています。北京は来年のオリンピックに向けて、様々な施設が、非常に活発に建設されています。

こうした活発な経済活動には、安く設定され、自由に交換できない元に支えられている部分があるのではないでしょうか?

中国に進出した日本の子会社では、いま、現地の日本人社員の給与を本社で負担していることが問題になっているとのことです。つまり、現地に出向している日本人社員の給与を、日本の親会社が負担しているところが多いのです。しかし、中国の子会社が力をつけて、利益を出し始めるにつれ、現地法人が日本人社員の給与を負担すべきではないか、と考えられ始めているのだそうです。

しかし、日本人社員に元で給与を支払っても、その給与を日本円にして持ち帰ることができません。一方、利益を出している子会社の社員の給与を、親会社が負担するのは、やはりおかしいということで、これをどうするかという問題に直面しているというわけです。子供がかなり大きくなったにも関わらず、依然として親が面倒を見ているようなもので、いずれはやり方を変更しなければならないでしょう。

こうした不自然さも、元を外貨と自由に交換できるようにすれば解消します。しかし、そのとき、交換レートが意図的に安く設定されていることのつけが回ってくる危険がありそうです。

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2007年02月09日

北京でのソフト開発10年を迎えて

2月7日と8日の2日間北京に行ってきました。アンテナハウスの北京の子会社である北京紅櫻楓軟件有限公司(HYF)の董事会と2007年経営計画発表会と懇親会のためです。

アンテナハウスは、1996年に100%出資の子会社としてHYFを設立、1997年2月から実際の業務を開始しました。月日が経つのは早いもので、この2月で満10年となります。営業開始時は、総経理以下5名でスタートしたのですが、半年後にはその中の3名が退社してしまい、一体どうなることかと前途に不安を感じたものです。当時から、そして今でも入社してから短時間で止めてしまう技術者が多いのですが、これはHYFだけでなく、北京のソフトウェア会社はどこも技術者の流動性の高さに悩んでいるようです。

単に給与の高い会社に移ってしまうだけでなく、優秀な技術者にはカナダやオーストラリアなどに行ってしまう人も多いようです。これは、カナダはIT技術者に対して広く門戸を開放していて、比較的簡単に市民権を取ることができるためで、HYFで働いていた技術者で、カナダへ移住してしまった人も数名は知っています。

この10年を振り返っての最大の困難は、技術者の流動対策にあります。最初の頃は、技術者の流動性の高さに、まるで砂の上に楼閣を作っているのではないかという印象さえも持っていました。こうした中で、総経理を中心に、技術者に愛社精神をもってもらい、長く働いてもらえる会社にしようと、様々な試みを行ってきました。経営計画発表会を始めたのも、会社の実状、経営理念、今後目指す方向を社員に伝え、理解してもらい、一緒にがんばってもらおうということが、その目的の一つです。

こうした努力の甲斐があり、現在は30名を少し超える人数となりました。また、今回の経営計画発表会では、入社10年表彰対象者が数名でましたし、6年以上継続勤務者もだいぶ増えてきました。

10年前のスタート時を振り返りますと、感慨ひとしおです。

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2007年02月08日

テキストファイル考(3) — XMLの場合

さて、具体的な例として、XMLを取り上げて見ます。

拡張可能なマーク付け言語 (XML) 1.0

によると、XML文書の構成は、次のように規定されています。

「XML文書は実体という記憶単位から成り,実体は構文解析されるデータ又は構文解析されないデータから成る。構文解析されるデータは,文字から成り,その一部は文字データを構成し,一部はマーク付けを構成する。」

これを見ますと、XMLの構成単位の中心は、文字のみのデータ(テキスト系データ)であることが分かります。

そして、構文解析されないデータについては、次のように書かれています。

「解析対象外実体は,内容がテキストでもそうでなくともよいリソースとする。」ということで、XML文書にはバイナリ系データを含んで良いということになります。

そして、テキストとは次のように定義されています。

●テキストは、文字の並びであって,マーク付け又は文字データを表してもよい。
●文字 は,テキストの最小単位であって,[ISO/IEC 10646]に規定されている。使用できる文字は,タブ,改行,復帰及び(Unicode及びISO/IEC 10646に規定する)図形文字とする。

XMLの実体は、ファイルなどの形で保存されたり、交換されますが、そのとき、どういう方法で保存されるかが、文字符号化方式です。

「XML文書内の外部解析対象実体は,それぞれ別の文字符号化方式を用いてもよい。すべてのXMLプロセサは,UTF-8で符号化した実体,及びUTF-16で符号化した実体を処理できなければならない。」

例えば、Unicodeでは、文字に固有の番号を割り当てています。この番号は、Unicodeのコードポイントであって、ファイルなどに書くときは、符号化方式という計算式をつかって、別の番号のシーケンスにして交換します。Unicodeには、多数の符号化方式が提唱されていますが、一番ポピュラーなのが、UTF-8またはUTF-16となります。

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2007年02月07日

テキストファイル考(2) — データ交換形式としてのテキスト

昨日のお話は、取り扱うデータの種類という観点でのものです。

これらデータは、コンピュータ内部では、すべてバイナリ(0-1の組合せ)で取り扱われます。さて、それを、コンピュータの外部に出して交換するときはどうするかということですが、そのときもまた、テキスト系とバイナリ系という分類ができます。一応、これらに、テキストシーケンスとバイナリシーケンスという言葉を当てはめて見ましょう。

次の図のようになります。
20060706-3.PNG
【お詫び】この図誤っていましたので、2月11日に差し替えました。

注意していただきたいのですが、扱うデータがバイナリ系かテキスト系かということと、外部交換形式としてのテキストシーケンスとバイナリシーケンスかということは、1対1対応ではありません。次の図をご覧ください。

20070206-4.PNG

インターネット以前のパソコン通信では、バイナリファイルやテキストファイルを圧縮して、圧縮したファイルをIshでASCII文字のみのテキストに変換してデータを送受信していたものです。これは、通信路やソフトウェアの中に、ASCII文字のみのテキストしかうまく通さないようになっている箇所があったためです。

20070206-5.PNG

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2007年02月06日

テキストファイル考(1) — テキスト系データとは

Wikipediaを読んでいたら、テキストファイル、プレーンテキスト、バイナリファイル、マルチスタイルテキスト(この言葉は、私は始めて見ました。)というような用語の説明が出てきて、私の考えとは少し違うなと思うところがありますので、自分なりの考えをちょっと整理して見ました。

まず、最初に私の考えを簡単にまとめてみます。

1.コンピュータで扱うデータ
コンピュータで扱うデータを大きく分けると、人間の目でみて理解できる文字列で表すデータとプログラムでしか理解できないデータがあります。これを、一応、テキスト系データバイナリ系データと分けて見ます。
20070206-1.PNG

テキスト系データをさらに分けますと、次のようなものがあるだろうと思います。例えば、数式、ベクトルグラフィックス、さらにはPostscriptやPDFを持ち出し始めますと、実際のところ、テキスト系データとバイナリ系データの区分はかなり曖昧なように思います。

20070206-2.PNG

時代の流れとしてテキスト系データ、とりわけ書式付テキストデータの表現方法が非常に豊かになってきたことが挙げられます。20世紀はTeX、RTF、CGMのような制御単語とコンテンツ・テキストが混在していた方式が中心でしたが、21世紀はXMLのような制御単語をメタ言語で表現して、コンテンツ・テキストをマークアップする方式に移行しています。

オフィス文書の表現方法としてOffice Open XMLが出てきたこともその一つです。RTFは21世紀にはWordprocessingMLにとって代わられることになるのでしょう。

また、あえて言えば、数式表現としてのTeXは、だんだんMathMLに、そして文章表現としてのTeXはXSL-FOにとって代わられることになるものと思います。

PDFもどちらかというと20世紀の技術に属すると思います。大胆に予測しますと、いづれは、PDFのXML表現(Mars)、またはXPSの時代が来るのではないかと思います。

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2007年02月05日

FrameMaker 復活?

FrameMakerは、2002年にバージョン7がリリースされて以来、ずっと、メジャーバージョンアップがなされず、2005年に漸くV7.2がリリースされるという状態で、AdobeはFrameMakerを止めるのではないか、という噂が絶えませんでした。

私も、そういう噂を何度も聞いたことがあります。どうなるのだろうと、気をもんでいる人も多いと思います。

一方で、FrameMakerは積極的にDITAをサポートしているようで、DITAツールキットを出しています。ですので、やめてしまうということではないんだろうなとも予想されます。

ところが、どうやらAdobeは、今年、FrameMakerのメジャーバージョンアップを図っているようです。最近、AdobeのFrameMakerQ&Aには、次のようなQ&Aが現れました。

●FrameMakerの将来計画は?
  新しいメジャーバージョンを開発中。

●どんな機能が追加になるでしょうか?
  3Dコンテンツやアニメーションなどの新しい媒体を統合したいと考えている。

●次の新しいバージョンはいつ手に入るか?
  2007年前半と予想している。

ということです。まだ、発表前にこういう情報をリークしたのは、FrameMaker撤退の噂を打ち消すためのものと思いますが、どうなることでしょうか。

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2007年02月04日

スキャナで作成したPDFについてご注意、他

土曜日に仕事をしてましたら、お客さんから電話が掛かってきて、「PDFからExcelに変換できないのだけど。」と泣きつかれてしまいました。

よく聞いてみますと、「リッチテキスト・コンバータ2007パーソナル」を購入された方なんですが、取引先から紙で送られてきた見積書をExcelにして、なにか文字を書きたいのだそうです。

販売店の方が、それなら、プリンタ付属のスキャナーで読み込んでPDFにして、そのPDFを、「リッチテキスト・コンバータ2007パーソナル」で、Excelに変換したらどうか、と薦めてしまったようです。

でも、スキャナで作成したPDFは、「リッチテキスト・コンバータ2007パーソナル」じゃExcelには変換できないんです。ご注意ください。

PDFの作り方にもいろいろあり、スキャナで作成したPDFは画像なので、OCRソフトなどで処理するしか方法がありません。この場合、販売点の人は、やはりOCRソフトを推奨するべきだったんでしょうね。

ところで、「書けまっせ!!PDF2」ですが、1月26日にベクターでダウンロード販売を始めましたが、2月1日にベクター「新着ソフトレビュー」で紹介していただきました。

n0702012icon.gif書けまっせ!!PDF2 新着ソフトレビュー

おかげで、販売本数が増えまして、現在、ベクターのダウンロードソフトのランキング13位です。

ベクターのランキングは毎日変わります。というわけで、証拠の画像を残しておきます。
20070203.PNG

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2007年02月03日

第22回多言語組版研究会 — 「縦組の組版方法と組版指定交換形式」について

2月19日に、久しぶりの多言語組版研究会を開催致します。

テーマは、「縦組の組版方法と組版指定交換形式」についてということで、社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)の縦組スタイルシート作業部会の「縦組の組版方法と組版指定交換形式」(作業原案)について、原案作成者の小野澤氏に下記の点を中心に原案概要の説明をしていただきます。

・縦組スタイルシート作業部会について
・版面・用紙
・行組版
・改頁・改段・見出し・注の処理
・図・写真等の処理
・表組・漢文の処理
・版面又は段への行の配置と領域調整処理

「縦組の組版方法と組版指定交換形式」は、現在の時点では、まだ原案ということで、これから作業部会での議論などの過程で変更になるものと思われます。

JAGATの縦組スタイルシート作業部会の成果は、将来、W3CのCSSやXSL-FOの作業委員会の方にも提案されるものと思います。

一方、W3CのCSS3の作業委員会では、新しいCSSの仕様の策定が進んでいます。
これから、両方の作業が平行して進むものと思いますが、XSL-FOの方は、現在、XSL-FO 2.0の作業開始へ向けて準備中のようです。

JAGATの作業と、W3Cの二つの仕様の作業が平行して進んでいますので、その間でうまくベクトル・タイミングが合えば良いのですが、会わないとばらばらになってしまうのでそのあたりが気になっています。

まあ、私が気にしてもあまり意味がないのですが。とりあえずは、研究会を開いて皆で勉強しましょう、ということを考えています。関心をお持ちの方はぜひご参加ください。

ご案内の詳細とお申し込みはこちらからどうぞ。
http://www.antenna.co.jp/ml/kaisai.htm

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2007年02月02日

PDF Driver V3.1MR1 と PDF Tool V2.5 MR1 をリリース

アンテナハウス株式会社は、Antenna House PDF Tool V2.5MR1 の公開・販売を開始しました。

Windows Vista に対応した PDF Driver V3.1MR1 は、既に OEM のお客様向けには出荷していましたが、この度、一般のお客様向けも V3.1MR1 になります。また、これに同期をとって、PDF Tool V2.5MR1 をリリースしました。

今回は特に新機能の追加はなく、Windows Vista 対応と前バージョン以降に報告された障害の修正ですが、PDF Driver や PDF Tool をまだお試しでない方は、ぜひこの機会に評価版をお試しください。
※ PDF Tool に同梱されている PDF Driver は、単体販売しているものと同一製品です。

 PDF Tool 評価版ダウンロードページ


◆ 詳しい情報は下記ページをご覧ください。
◇ ウェブページ
 Antenna House PDF Driver
 Antenna House PDF Tool

◇ アンテナハウス直販ページ
 Antenna House PDF Driver
 Antenna House PDF Tool

PDF Toolは、V2.5より価格を改訂しました。1月末まで期間限定で半額キャンペーンを行っていましたが、2月から新価格となります。ご了承くださいますよう、よろしくお願いします。

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2007年02月01日

Windows Vista 対応の状況について

いよいよ、Windows Vistaが一般向けに発売になりました。

そこで、アンテナハウスの主な製品のWindows Vista対応状況について、簡単に報告します。

1.OEM部品
OEM部品のWindows Vista対応を優先的に進めてきました。現状で、OEM部品については、ほぼ、Vista対応はできたと思います。

(1)Antenna House PDF Driver
・現在、様々な製品に同梱されているAntenna House PDF Driver V3.1以前のバージョンは、Windows Vistaを含む未知のOSにはインストールできません。
・1月24日より、OEMのお客様向けに、Windows Vistaにインストール可能、動作確認済みのAntenna House PDF Driver V3.1MR1の提供を開始しています。

(2)自在眼SDK
・Windows Vista対応の自在眼10SDKを、1月30日よりOEMのお客様向けに提供開始しました。しかし、自在眼10SDKは、Vista対応よりも、むしろ、新開発ビューアの方をアピールしたいところです。Microsoft Word, Powerpoint用のビューアを全面刷新、PDFの表示につきましても、PDF Viewer SDK V1.3に入れ替えて、高速化・表示精度の大幅な向上を実現しています。

(3)その他
PDF Viewer SDK、サーバベース・コンバータ、Text Porterは、Windows Vistaでも問題なく動作します。

OEM部品の情報は、こちらをどうぞ。
各種ソフト部品OEM総合情報

2.デスクトップ製品
「リッチテキスト・コンバータ」、「リッチテキストPDF」、「自在眼」の3つのデスクトップ製品のWindows Vista 対応版の発売は3月のバージョンアップを予定しています。それ以外の製品につきましては、その後のバージョンアップ時になります。それまでは、Windows Vistaではお使いいただくことができません。恐れ入りますが、しばらくお待ちください。

3.システム製品
Antenna House PDF Tool V2.5 のVista対応版は、昨日リリースしました。サーバベース・コンバータ、Text Porterは問題ありません。その他のシステム製品のVista対応はアップグレード時に個別に、順次、対応していく予定です。詳細は、システム営業グループ(sis@antenna.co.jp)までお問合せください。

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