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2007年02月20日

第22回多言語組版研究会 — 「縦組の組版方法と組版指定交換形式」を開催しました

本日は、久しぶりの多言語組版研究会を「縦組の組版方法と組版指定交換形式」というテーマで開催しました。

講師をお願いしましたのは、前印刷技術協会、元写研の小野澤さんです。小野澤さんには、XSL Formatterを発売してから、印刷技術協会にお尋ねして、製品を紹介させていただいた時に、初めてお会いしましたが、あれからもう5,6年経過してしまったように思います。XSL Formatterについて、印刷技術協会のセミナーなどで紹介させていただくなど、大変お世話になりました。

研究会用にパワーポイントのスライド46枚のとても充実した資料を作っていただいたのですが、1週間掛りとお聞きしました。恐縮です。

資料はこちらにアップしましたので、これは、ぜひ、多くの方にご覧いただきたいと思います。
第22回多言語組版研究会:「縦組の組版方法と組版指定交換形式」について
当日の配布資料(一部略)PDFファイル

実は、この資料を一番説明してみてもらいたいのは、W3CのXSL-FOのワーキング・グループやCSSのワーキング・グループです。

XSL-FOのワーキング・グループで仕様を決めている人たちは、日本語組版を綺麗に行うための要求条件について、ほとんど知識をもっていないようです。CSSのワーキング・グループも、ほとんど同じような状況で、現在、W3Cで進められているCSS3のドラフト仕様にも、相当におかしな日本語組版の仕様やサンプルが掲載されています。

特に、CSS3の仕様を作っている人達の間では「日本語組版はグリッドベースで行う」、という思い込みがあるようで、ページを縦横の升目に区切ってその升目に文字を配置するというような仕様案が掲載されています。

これは、恐らくは、Microsoft Wordで、文字をグリッドに合わせて配置するというページ設定のモードがあり、このモードに基づいているのではなかろうかと思われるのですが、あまり頂けません。
20070220.PNG

もっとも望ましいのは、JIS X4051を完全に英語に翻訳して提供することではないかと思いますが、残念ながら、JIS X4051の公式な英訳は存在しません。特にCSS3の仕様などは、将来的には、ブラウザなどに実装され、日本人がWebで文章を読む際に、大きな影響を与える可能性が大きいと思います。

日本からの積極的な情報提供や発言が望まれます。

参考資料
JIS X4051:2004 日本語文書の組版方法 

投稿者 koba : 2007年02月20日 08:00

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