« 2007年02月10日 | メイン | 2007年02月12日 »

2007年02月11日

北京でのソフト開発10年を振り返って (2)中国での販売のこと

アンテナハウスの北京の子会社北京紅櫻楓軟件有限公司(HYF)では、アンテナハウスの製品の中国での販売、また中国独自製品の中国市場での販売も行っています。

中国国内販売は、最初、あまり成果が上がらなかったのですが、昨年は、ようやく中国国内売上がHYFの総売上の35%になりました。

特にPDF関係がやはり中国でも売上が伸びています。

また、XMLについても、一部の大手企業での導入は進んでいます。XSL Formatterは中国の大きな保険会社の外交員向けのシステムに組み込まれており、数万台の端末で使われています。中国の大企業には、米国帰りのIT責任者が在籍している場合があり、そういう場合は、日本よりもむしろ進んでいるケースもあるのです。

中国では汎用のパッケージソフトはほとんど売れません。10年前から比べると表向きはともかく、実態はまだ不正コピーが氾濫しているようです。ユーザ側では、無料で使える方法があるのにお金を払う必要がないという意識があるようで、そういう世界ではパッケージソフトはまったく売れないでしょう。中国市場で、パッケージソフトを売ろうとしたら絶対に違法コピーできないような仕組みが必要だろうと思います。

結局のところ、各企業ユーザ向けに個別カスタマイズ版を提供していくという方法を取ることになります。大きな案件がとれれば良いのですが、ひとつひとつの案件が小さいと、これはあまり生産性の高い方法ではないように思います。

あとは、日本と同じようにソリューションを開発するという方法でしょうか?但し、HYFでは、現状、ソリューションの開発はわずかですので、この方法でうまくいくかどうかは分かりません。

また中国製の携帯電話上で使える文書ビューアを開発して、中国の携帯電話メーカにライセンスを提供しています。携帯電話用のソフトであれば不正コピーはないだろうと考えていたのですが、甘かったようです。今度は、携帯電話メーカからなかなかライセンス料金を支払ってもらえません。販売本数分のライセンスを払うという契約を結んで、売れたという報告をもらっても、なかなかお金を払ってもらえません。ある大きな携帯電話メーカ向けの契約では、1年近い交渉で漸く、お金を払ってもらいました。他に1年経ってもまだ代金を払っていない会社もあります。これは、契約を元に粘り強く、取れるまで諦めずに交渉するしかないと思いますが、それにしても骨が折れます。

このように、お金が回り難い状態だと、なかなか企業が成長できないのではないかと思いますが、他の中国企業や日系企業はどうしているのでしょうか?他の会社のホンネを知りたいものです。

投票をお願いいたします

投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック