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2007年02月10日

北京でのソフト開発10年を振り返って (1)通貨のこと

2月7日に北京空港について、まず、通貨交換の窓口で、円から元に少し転換しました。このレートは1万円が621元で、1元が16円となります。

10年前は、確か、670元程度だったように記憶しています。つまり、10年間でせいぜい元が1割高くなったの程度ではないかと思います。

このように通貨の交換レートが10年も同じようなレベルで固定しているのは、中国の経済力の変化とはかなりかけ離れているように思います。つまり、中国の経済が大きく成長して、国際的な収支も大幅な黒字になっているにも関わらず、元が高くなっていないのです。これは中国が、元とドルのレートをまだ自由化していないためで、現状では、中国元はかなり不自然に安く設定されていると感じます。

中国のソフトウエア産業の2005年の輸出額は約36億ドルで、60%が日本向けだそうです。2004年と比べて45%の増加だそうです。

また、北京の市内を走ってみるだけでも、10年前と比べて、沢山のビルやマンションと思われる新しい建物が建設されています。北京は来年のオリンピックに向けて、様々な施設が、非常に活発に建設されています。

こうした活発な経済活動には、安く設定され、自由に交換できない元に支えられている部分があるのではないでしょうか?

中国に進出した日本の子会社では、いま、現地の日本人社員の給与を本社で負担していることが問題になっているとのことです。つまり、現地に出向している日本人社員の給与を、日本の親会社が負担しているところが多いのです。しかし、中国の子会社が力をつけて、利益を出し始めるにつれ、現地法人が日本人社員の給与を負担すべきではないか、と考えられ始めているのだそうです。

しかし、日本人社員に元で給与を支払っても、その給与を日本円にして持ち帰ることができません。一方、利益を出している子会社の社員の給与を、親会社が負担するのは、やはりおかしいということで、これをどうするかという問題に直面しているというわけです。子供がかなり大きくなったにも関わらず、依然として親が面倒を見ているようなもので、いずれはやり方を変更しなければならないでしょう。

こうした不自然さも、元を外貨と自由に交換できるようにすれば解消します。しかし、そのとき、交換レートが意図的に安く設定されていることのつけが回ってくる危険がありそうです。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック