月別アーカイブ: 2010年8月

AH Formatter V5.2リリース!

XML自動組版ソフト Antenna House Formatter がマイナーバージョンアップして V5.2 になりました。

バージョンアップ内容は、AH Formatter V5 改訂情報を御覧ください。

W3C世界標準のページ出力用XMLスタイルシート仕様 XSL-FOCSS3ページ媒体用仕様など CSS Level 3 をサポートする AH Formatter を、これからもさらに進化させていきます。どうぞよろしくお願いします。

『バッチ組版のためのXSL-FO指南』、
『ページ組版のためのCSS指南』好評発売中!

AH Formatterを使いこなすためのお勧めの教本です。編著者は自動組版のエキスパート藤島雅宏氏。私も監修をお手伝いしてます。詳しい紹介は(株)エクスイズムのこちらのページへ。


EPUB次期仕様策定の札幌会議に参加しました

EPUB EGLS (Enhanced Global Language Support)札幌会議(8月3~4日)に参加しました。
コーディネーターである村田真さんのブログ記事「EPUBの国際化と札幌会議」に書かれているように、日本、台湾、韓国、アメリカのエキスパートが集まり活発な議論が行われました。Twitterで実況されたのがまとめられてます:第1日目2日目午前2日目午後
私の役目は、W3C CSSWGのメンバーとして、EPUB国際化と関係するCSS3仕様策定の状況について、特に縦書きに関係するCSS3 Text Layout仕様がまだこれから仕様を議論して作っていかなければならない段階であることを説明し、EPUB次期バージョンで縦書きなど未完成のCSS3機能をどうやって取り入れるべきかという案を示すことでした。詳しくは、次のプレゼン資料を御覧ください:

この発表と会議での議論により見えてきた方向性としては、前回のエントリ「EPUB仕様の日本語組版拡張案のためのメモ」で書いたように、EPUB次期バージョンでは未完成のCSS3のプロパティを採用するのではなく、EPUBのパッケージ情報を記述するOPFの中に組み方向とページ進行方向の情報を入れることや、縦書きの中での横書き部分の指定や、圏点の指定などはXHTMLのクラス名を定義するという案が受け入れられ、今後はその詳細の仕様策定をしていくことになるだろうということです。
未完成のCSS3プロパティをEPUBで直接指定することは避けるとしても、該当するCSS3仕様が完成したときに両者が互換性のあるものにならなくてはなりません。W3C CSS仕様とIDPF EPUB仕様が調和していく必要があります。
札幌会議の直前に私のプレゼン資料を W3C CSSWG の議長の Bert Bos と CSS3 Text Layout などのメインのエディタ Elika Etemad (fantasai)に見てもらったところ、次のようなコメントをもらっています:

「ありがとう! EPUBがCSS3に注目しているのは良いことだ。EPUBはHTML/CSSの重要な応用だと思う。
プレゼンは完璧だ。CSS3の状況と論点についてとてもよくまとめられている。
あとで参加者の意見はどうだったかどういう結論が得られたかを知らせてほしい。」(from Bert)

「この複雑な問題を説明する良い仕事をしてくれてありがとう! EPUBコミュニティが問題を解決してCSS3仕様策定を助けてくれることを期待します。私たちはその成果をCSS仕様に組み入れることになるでしょう。」(from fantasai)

このように、W3C CSSWG側もEPUBに注目しているということです。
以下、IDPFのEPUB次期仕様策定についての情報がまとめられているサイト: