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2007年11月30日
PDFのページ境界とXSL-FOの設定方法
今日の会議で、営業担当の報告を聞いていましたら、お客さんから「XSL FormatterでPDFを出力する際に、トンボの外側に情報を出すことができるかどうか。」という質問を受けて戸惑っていたようです。
そこで、ちょっと調べて整理してみました。
○PDF ReferenceではPDFのページ境界について、次のような項目が設定できることになっています。
※PDF Reference 1.7 pp.962-966
(1)メディアボックス:ページを印刷する用紙の物理的領域
(2)クロップボックス:ページの内容の範囲領域、通常はメディアボックスと同じ
(3)ブリードボックス:書籍・雑誌などの出版物を仕上げるときの絶ち落とし分を含む領域
(4)トリムボックス:書籍・雑誌などの出版物の仕上げページ領域
XSL-FOではページをfo:simple-page-masterで指定します。ページのサイズはそのpage-width属性で幅を、page-height属性の値で高さを指定します。fo:simple-page-masterは、PDF上ではトリムボックスの大きさとして指定することになります。XSL-FOの仕様では、クロップボックス、ブリードボックスに相当する領域の設定方法はありません。
アンテナハウスのXSL Formatterでは、独自拡張により、PDFのクロップボックス、ブリードボックスを指定することができます。いずれも、fo:simple-page-masterの属性として次のように指定します。
クロップボックス:axf:crop-offset, axf:crop-offset-top, axf:crop-offset-bottom, axf:crop-offset-left, axf:crop-offset-right属性の値で、トリムボックスの外側へのはみ出し距離を指定します。
ブリードボックス:axf:bleed, axf:bleed-top, axf:bleed-bottom, axf:bleed-left, axf:bleed-right属性の値で、トリムボックスの外側へのはみ出し距離を指定します。
また、トンボを指定することができます。
トリムボックスの外側には、グラフィックスをSVGで指定できます。SVG形式であれば、テキストや、任意の画像を指定することもできます。SVGでカラーチャートを出すこともできます。
次に、サンプルのFOとPDFがありますので、ご参照ください。
・ファイルをダウンロード(FOファイル)
・ファイルをダウンロード(PDF)
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2007年11月29日
PDFと署名(49) — PDFの電子署名問題
PDFと署名(48) — PDFの電子署名とタイムスタンプの相互運用性で、PDF電子署名とタイムスタンプに相互運用性が必要だと申し上げました。これに関連して、次のような意見をいただきました。
「アドビの仕様以外の各社の独自仕様は各社のツールが検証できるようにするだけで良いのでは?」
これは、たぶん、電子署名を昔からやってきて、Acrobat上に独自仕様のプラグインを開発して提供している人たちの共通の考えだと思います。
この件について、少し詳しく説明してみます。これは、問題の例としてアドビ以外のツールでつけた電子署名を、Acrobat(Reader)に内蔵している標準ハンドラが検証してしまうことがあります。
Acrobatのデフォルト署名ハンドラが、「検証できない」と言ってくれれば良いのですが、検証してしまって、エラーのレポートを出してしまうことが往々にしてあります。
これは、Acrobatだけではありません。
A社のツールでつけた署名を、A社のツールとB社のツールで検証した結果、異なるレポートが出てしまうという問題です。
A社のツールでつけた署名をA社のツールで検証すると、「署名後変更されていません」とレポートが出るのに、B社のツールで検証すると、「署名が壊れています」、あるいは、「署名後に変更されています」、などと報告されてしまう事態が起きてしまうという問題です。
こうなりますと、どちらを信用したら良いか分からない、ということになります。
PDFの電子署名仕様は、かなり複雑なので、PDFの署名フィールドの設定が少し違うだけでこういう事態が起こる可能性があります。
結局、最初にご紹介しました、「アドビの仕様以外の各社の独自仕様は各社のツールが検証できるようにするだけで良い。」という考え方は、閉鎖されたグループの中では適用できるものの、開いた・オープンなグループには適用できないということだろうと思います。
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2007年11月28日
書けまっせ!!PDF — 新バージョン・プレビュー(3)
今日は、遠路はるばると、あるOEM取引先の方がお見えになりました。
で、本題の商談のあと、「書けまっせ!!PDF」の説明をしたのですが、なかなか、PDFへ文字を書き込む、ということに、どういう意味があるのかを認めてもらえないようです。いろいろな人に話を聞いていますと、やはり、PDFというものに対する温度差がかなりあるようで、メーカとして商品の狙いと、PDF活用の実態とにずれがあることを感じます。
商品を作る方の立場では、かなり熱中して熱く作っても、PDFの利用環境の方がなかなか追いつかないと言いますか、あるいは、新しいコンセプトの商品がなかなか理解していただけないのか・・
そういう意味では、大切なのは、ライバルの存在。1社だけで市場を開拓する、オンリー・ワンも良いですが、ライバルと切磋琢磨しながら、市場を盛り上げていくのも大切です。
前置きが長くなりましたが、どうやら、「書けまっせ!!PDF」のライバル「やさしくPDFへ文字入力」が、新バージョンになるようです。
「やさしくPDFへ文字入力」は、こんどPRO v.6.0になるようです。
発売は12月21日金曜日です。
やさしくPDFへ文字入力 PRO v.6.0
定価12,800(税込13,440円)
やさしくPDFへ文字入力 PRO v.6.0 ダウンロード版
定価8,320円(税込8,736円)
同日、他の2製品は販売中止とのアナウンスもありました。うーん、どうしたのでしょうか。
PDF書き込みソフトも、年賀状宛名書きソフトのように、沢山の製品が入り乱れて戦って市場が盛り上がるという風になると良いですが。
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2007年11月27日
多言語組版研究会:XSL-FO による書籍の自動組版 開催終了
昨日、第23回多言語組版研究会「XSL-FO による書籍の自動組版」が無事終了しました。
約20名強の方にご出席いただきまして、大変ありがとうございました。
また、講師をお願いしました、毎日コミュニケーションズの丸山様にも、改めてお礼申し上げます。
今回、ご案内から比較的短期間で、満席になってしまいまして、ご参加を希望されながら、ご出席いただくことができなかった方もいらっしゃると思います。
そこで、取り急ぎ、ここに昨日発表された内容をアップいたしました。
(1) 一般的な書籍制作過程の説明、および、今回のXSL-FOによる制作を振り返って
株式会社 毎日コミュニケーションズ 出版編集3部 丸山 篤氏
当日の配布資料:PDF形式
(2) コンテンツXMLの作成方法、書籍制作に使用したスタイルシートについての報告
アンテナハウスXSL Formatter グループ 石野 恵一郎
当日の配布資料:HTML形式
PDF形式(A4)
この配布資料のPDFは、XSL Formatterで組版されています。この組版のためのソース(XHTML形式)ファイル、およびスタイルシートもこちらにあります。
今回は、印刷会社、出版社、制作会社の方のご参加が中心でした。
「書籍は、最近、販売部数が全体的に減る傾向がある中で、印刷費・紙代の価格引下げも限界に来ている。部数を減らしても価格を上げないようにするためには、今後は、DTPコストを減らすという選択肢しかない。」、という丸山氏のお話に、現在の出版界の課題が端的に表現されていたように思います。
XSL-FOによる自動組版がそのためにお役に立てれば幸いです。
多言語組版研究会は、今年は、2回しか開催できませんでしたが、2008年はもっと積極的に回数を増やしていきたいと考えています。
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2007年11月26日
書けまっせ!!PDF — 新バージョン・プレビュー(2)
「書けまっせ!!PDF」の新バージョンでは、これまで扱うことのできなかった、画像形式の帳票を扱って、背景イメージとして文字を入力して、文字と画像を重ねて新しいPDFとして出力することができるようになります。
また、PCにスキャナが接続されている場合、記入用紙などの雛形をスキャナで取り込んで、そこに文字を書き込むことができます。
「書けまっせ!!PDF2」の申込み用紙(紙)を読み込んでみました。
○スキャナーから「書けまっせ!!PDF2」の申込用紙を読み込み
この用紙にテキストボックスを設定し、そこに、桁割り機能を使って、文字を配置していきます。用紙の上の枠に、簡単にピッタリと文字を配置できることをご覧いただけます。
○スキャナーから読み込んだ申込み用紙に桁割り機能で文字を入力中
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2007年11月25日
書けまっせ!!PDF — 新バージョン・プレビュー(1)
アンテナハウスでは、「書けまっせ!!PDF」シリーズの新バージョンを開発しています。
「書けまっせ!!PDF3」は、現行の「書けまっせ!!PDF2」の強化版ではなく、完全にゼロからプログラムを作り直しました。ユーザインターフェイスを含めて抜本的に変更になります。
特に、「書けまっせ!!PDF3」の計画にあたり、現行バージョンである「書けまっせ!!PDF2」の登録ユーザを対象にアンケート調査を行い、機能追加要望の多い項目の中で、製品コンセプトに沿いながら、優先的に実装項目を決定しました。
ちなみに、次の図は、「書けまっせ!!PDF2」の登録ユーザ様の機能追加項目です。ご希望の多い順に項目を並べています。
この中で、黄色のマークを付けた項目は、次のバージョンで機能強化されます。黄色のマークの無い項目は、諸般の理由から、「書けまっせ!!PDF3」では開発課題として採用しませんでした。
一番、ご要望の多いのは、「テキストボックスに文字を入力するとき入力時と見た目を一致させる」という機能でした。
そこで、新バージョンでは、新しいテキスト入力コントロールを開発し、これを実現しました。次の図は、新しいテキスト入力コントロールで縦書きを設定したテキストボックスに文字を入力中のところです。
現行バージョンでは、「リッチエディット・コントロール」というWindowsの標準機能を使っていたためこのような入力ができず、入力する文字が確定した段階で、テキストボックスに文字が配置されるようになっていました。
新バージョンでは、新しいテキスト入力コントロールにより、申込み用紙などの上の文字の位置を合わせて入力することが格段に簡単になるでしょう。
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2007年11月24日
xfyの未来は?(2)
半年ほど前に、ジャストシステムのxfyとそのビジネスについてお話しました。
11月22日ジャストシステムの2008年3月期の中間決算(4-9月業績)が発表されました。それを見ますと、xfyの売上について、次のように説明されていました。「今期は新規で6社に導入されましたが、基本的には今後の大型導入を想定した試験的な導入が中心でしたので、売上高は28百万円にとどまりました。」
日経新聞を見ましたら、「売上目標2億円に対して、実績28百万円」とありましたので、大変な見込み違いです。
前回もお話しましたが、XMLドキュメントはなかなか大変なビジネスです。特に、上流工程ではスキーマの設計などに長い時間がかかりますし、システム開発も長い期間が掛かることが多いものです。ですので、短期間に大きな売上を立て、ビジネスを急速に成長させるのはなかなか難しいと思います。XMLドキュメント・ビジネスがだめということを言っているのではなく、急角度で増やすのが難しい。大変難しく、高いスキルも必要なため、緩やかにしか増やせないのではないか?ということです。
ジャストシステムのこの中間期の決算を見ますと、まさしくその通りになっています。
下期の業績、ひいては通年の業績がどうなるかは、いま、仕掛かり中の案件が、どの位あるか、それが年度末までにどの位売上に繋がるかによりますので、なんともいえません。6月から「事業の立ち上がりの時間を要したことの反省から」ソリューション・パッケージのビジネスの方向に方針を転換していると報告されています。
この中間決算を見てもxfyビジネスが難航しているのが分かります。XMLドキュメントのビジネスは、相当慎重にやらないと危険だと改めて感じました。
XMLドキュメントのシステムは開発に長い時間が掛かります。弊社の経験でも、Word2003を使ってXMLコンテンツをオーサリングし、FormatterでPDF化する製造業の多言語マニュアル制作システムがあります。このシステムは、某社で全世界の制作者が使っているようですが、大変、うまく行った例だと思います。このケースでは、確か2003年から検討を開始、2004年に設計を始めて、稼動するまでに1年以上掛かっていたはずです。
この時間を短縮することはできると思いますが、そのためには、類似のケースの繰り返しで、経験、ノウハウ、技術を蓄積することが必要でしょう。つまり、何もノウハウのない会社が、いきなり最初から、短時間で実現するのは大変難しいと思います。
ところで、決算書を見て、私が一番気になりましたのは、固定的なコストであるはずの「従業員給料手当」です。前期通年で28億円。上期13億円ですので、引き算すると前下期が15億円ということになります。それが、今期は半年で18億円です。半年毎に13億→15億→18億と、赤字続きの中で人件費が膨らんでいます。連結決算の数字なので海外かもしれません。赤字を脱却するには売上を増やすと同時に、固定的なコストを下げないといけないのではないでしょうか?
経営管理の基本は、盛和塾・稲盛塾長が常におっしゃっているように、「売上を最大に、コストを最小に」だと思います。「売上を増やすためにはコストを増やしても良い」、という考え方だと赤字体質から脱却できないと思います。
外野席からいろいろ発言してすみませんが、それだけ心配しているということですので、ご勘弁ください。
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2007年11月23日
アドビジャパン社長のインタビュー
日経PC21の1月号にアドビシステムズの日本法人社長のインタビューが掲載されています。
PDFの技術について、「標準化団体を通じて広く技術を公開し、ほかの会社も利用できるようにしています。」という文章冒頭の部分は、現時点では、正しくはありません。
但し、現在、ISODIS32000が投票中が投票中で再来週には投票締め切りなので、来年には正しくなる可能性が大きいですね。と思います。もしかすると、この日経PC21、2008年1月号だから来年の予測で言っているのかな?
「低価格ソフトや無償ソフトが登場して、アクロバットの売上は減るどころか増えている。」というのは、事実かもしれません。
「低価格ソフトはまったく脅威ではありません。」と言っていますが、本当にそうかな?米国では恐らくアドビPDF製品のシェアは、私の推測では、金額ベースでも3割程度のものじゃないでしょうか。
日本市場では、その逆に、アドビPDF金額シェアは、私の推測では恐らく7割以上だろうと思います。日本人の品質への拘りや、ブランド信仰がその理由と思いますが、サードパーティの努力不足もありそうです。
それから、「1万円近辺のゾーンにマーケットがある事実をつかむことができた。」と言っていますが、この発言は意味深長です。
現在、アドビPDFのプライスゾーンは、かなり高いところにあります。一方、低価格ソフトは、数千円レベルにひしめいています。なので、確かに、1万円近辺の価格帯に空き席があるんですね。
このゾーンを山の中腹(5合目)としますと、5合目でコストパーフォーマンスの良い製品を出すには、開発費をつぎ込む必要があるのです。しかし、低価格ソフト・無償ソフトでは開発費を稼げないので、山の1合目、2合目あたりまでしか登れないのですね。それが、低価格ソフト・無償ソフトの発想ではだめな最大の理由です。
アンテナハウスは、なにがなんでも5合目まで登って1万円近辺のマーケットへ向かいます。市場は大きいですから、できるだけユニークな付加価値を提供したいと思っています。
こんなに手のうちをばらして大丈夫ですかって?
大丈夫です。
大体、次製品の開発は終盤で、そろそろご案内が近くなってきました。乞うご期待です。今度は自信があります。
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2007年11月22日
XSL Formatter Java Interface について
先日、XSL FormatterのJavaインターフェイスについて問題が報告されていて、調査したところ、Javaインターフェイス自体には特に問題がなかったということをお話しました。
2007年11月19日 バグほど高いものはない。バグ一匹20万円也
調査結果には、Javaインターフェイスを使う人にとって参考になるところがあると思いますので、ここに少し紹介しておきます。
まず、最初に仕組みを簡単に説明しますと、JavaインターフェイスはJavaVMの上で動きます。一方、FormatterはC++のプログラムですので、JavaVMとは別のメモリ空間で動作します。Javaインターフェイスの方ではXSLTを動作させて、XMLをXSL-FOに変換します。この処理はJavaVM上で行われます。XSL-FOをFormatter側に受け渡して、FormatterがXSL-FOからPDFに変換します。
XSL-FOの受け渡しは、弊社のサンプルプログラムでは、バイトの配列としてメモリ上に展開したものを受け渡します。
このJavaインターフェイスを使ってFomatterを、Webアプリケーション・サーバ(Tomcat)で動かしているとメモリがなくなった(OutOfMemory)というエラーになって、Tomcatが動かなくなってしまうという問題です。
JavaVM上のメモリの余地がなくなってしまうという現象が起きているのですが、システムとしては、Fomatterで組版している最中にFormatterが動かなくなったように見え、Formatterの問題として報告されます。
解決策は、JavaVMのメモリを調整すること、FOをメモリに展開しないで、テンポラリのファイルに吐き出すようにすることなどがあります。
こういうことは、最初のうちはなかなか分からず、いろいろ試行錯誤してみて解決した後で、そうだったのか、ということが分かることが多いと思います。そういう意味ではシステムを作った経験の蓄積が多いと、問題の解決も早くなるだろうと思います。
ベンダーとしては、こういうノウハウ的な情報をもっと集めて公開することが必要と思います。
ところで、JavaVMの上でメモリがどのように使われているかの調査結果がありますので、公開しておきます。
1.XMLをXSL-FOに展開するXSLTプロセサのメモリ使用量
XSLTプロセサ:Xalan
FOファイルを作成した際のJavaのガベージコレクション(GC)の状況をグラフ化したもの。
1度の変換処理に約10MBのメモリを使用しています。
XMLファイル:約3.42MB
FOファイル:約4.81MB
上の図で、階段の1段が1回のXSLT変換に相当します。2回のXSLT変換に1回の割合でJAVAのフルGCが行われています。
2.FOからPDFへ(但し、JavaVM上のみ)
1スレッドから連続して、PDFファイルを生成した際のGCの状況です。
1度の生成処理に約1.5MBのメモリを使用しています。
FOファイル:約4.81MB
PDFファイル:約2.55MB
上の図で、階段の1段が1回のFOからPDF変換に相当します。こちらの方は、20回に1回程度の割合でJavaのフルGCが行われます。
FOからPDFへの変換の大部分は、C++のプログラムになりますので、処理の実体は、JavaVMの外部で行われていることになります。
こうした図をみますと、XMLをFOに変換する処理にかなり大量のメモリが使われているということがわかります。また、JavaのフルGCは1回の処理毎ではなく、何回かの処理毎に行われますので、一時的にですが、かなり大量のメモリを必要とする瞬間があるということがわかります。
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2007年11月21日
オープンソースって優れているから脅威なの?
「ウェブ時代をゆく」(梅田 望夫著 ちくま新書)を読んでいます。この本は、著者の梅田氏の仕事感・職業観についての本です。
対象の読者は、恐らく、30才代以前の年齢の人達だろうと思いますが、この本にはアイデアが溢れています。特に、「ロールモデル思考法」なんて、今まで考えてみたこともありませんでした。私にとっては、それだけで、読む価値があります。
ところで、ひとつだけ、文句を言いたいことが。
梅田氏は、オープンソースを盛んに持ち上げています。特に、例えば「リナックスのように成功するオープンソース組織は強固なものとなり、成果物たるソフトウェアの性能や品質が、営利組織によって作られたものを大きく凌ぐという摩訶不思議な現象を引き起しているのである。」(p.182)というような記述が何回も出てくるのは、ソフトウェア・メーカの経営に携わるものにとって、率直に言って、まったく我慢できません。
私は、リナックスが、Windowsより優れていると思ったことは、過去に一度もありません。また、例えば、弊社のXSL Formatterと競合するオープンソースにFOPというのがありますが、恐らく、XSL-FOの専門家100人に聞いて、FOPがXSL Formatterより優れているという人は、居るかもしれませんが、極僅かなことは確かでしょう。
プログラムには、無論、出来の良し悪しがあります。オープンソースで良いものもあるでしょうし、営利組織の作った製品で良くないものもあると思います。しかし、恐らく、全体としていえば、オープンソースの方が玉石混交で、使えないものが多いでしょう。私の経験ではオープンソースで、本当に良いと思ったソフトウェアはないとは言いませんが、極少ないです。営利組織の方が平均すれば品質は良いのではないでしょうか。
まあ、こういうことは、検証可能な数字で議論しないと水掛け論ではありますが。
「オープンソースが産業界にとって脅威」という言葉もでてきました。確かにオープンソースは脅威ではありますが、その理由は、私の立場からは「オープンソースは無償なので、マーケットがデフレ構造になってしまう。」という理由です。「オープンソースが優れているから脅威だ。」と思ったこともあまりありませんね。
という訳で、「面白い!」「腹が立つ!」の繰り返しで読んでいる本。そういうにはめったに出会えませんね。梅田さんありがとうございました。
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2007年11月20日
PDFと署名(48) — PDFの電子署名とタイムスタンプの相互運用性
PDF電子署名やタイムスタンプについて、弊社の製品やAcrobatと他社の製品との相互運用性を調べていますが、製品間で結構、細かいところの実装が異なっているようです。
電子署名とかタイムスタンプは、署名・タイムスタンプを付与した人と、署名・タイムスタンプを検証する人は、必ず、異なる人になります。
長期署名になれば、多分、署名を付与したアプリケーションと、署名を検証するアプリケーションが、同一である可能性は極めて小さくなるでしょう。
そういうことを考えますと、PDFの電子署名アプリケーションには、相互運用性を保つ責任があるといえるはずですが、どうも実態はそうなっていないようです。
サードパーティは、各社各様に実装してしまっているというのが現実で、これはかなり困った問題です。どうしたら良いものかと思案中。
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2007年11月19日
バグほど高いものはない。バグ一匹20万円也
先月までの数ヶ月で、XSL FormatterのサポートにJAVAインターフェイスに問題が出ているという報告が数件溜まりました。片手間の調査を進めても、なかなか原因が判明しません。しかし、社内の担当者を調査専任にアサインする余裕がありませんでしたので、取引先で一番優秀なエンジニアに常駐してもらい、2週間ほど徹底的に調査・デバッグをしてもらいました。
その結果、JAVAのインターフェイス自体には問題が見つかりませんでしたが、JAVAのサンプル・プログラムに問題があることと、マルチスレッドがらみのバグが2つ見つかり修正しました。JAVAインターフェイスを使いますと、Formatter本体はマルチスレッドで動かすことになりますので、このあたりが問題の原因だったのかもしれません。
マルチスレッドがらみのデバッグは大変難しいと言われています。従って、2週間で2個の障害発見は、大きな成果ともいえます。それは、良かったのですが。
今は、デスクトップでソフトウェアを動かす時代から、サーバサイドでソフトウェアを動かす時代になっています。弊社の売上も、既に、デスクトップ製品よりも、サーバ製品(システム製品)の方が多いかもしれません。
サーバ製品の場合、24時間稼動が当たり前になっており、デスクトップ製品と比べて格段の信頼性と安定性が求められることになります。
しかも、システムが複雑になりますし、使い方が良くない可能性もあります。クレームが来ても、どこに問題があるか特定し、その問題を発見するのが大変難しくなります。
北海道のお菓子屋さん「柳月」の田村社長は、ケーキ1個160円で売るために、従業員に「ケーキ1個壊すと、16個分の利益が吹っ飛ぶ」と教えているそうです。そういう意識をもってもらってコストダウンを図っているということです。
今回、バグ1個の修正コスト20万円也についたわけですが、バグほど高いものはありません。コストを下げるためには、最初から、バグを埋め込まないように作るのが一番です。
先週末、「PDF Tool V2.6MR1」をリリースしました。これも、バグ修正版です。ふーー。蛾の悪夢を見てしまいそう。
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2007年11月18日
ソフトウェアのビジネスモデル(5)—Google Spreadsheetの利用例
先日、Google Docsのワープロ機能を調べて、この1年間でまったく進歩してない、とお話しました。
2007年11月16日 Google Docs は進歩しているか? — ワープロ文書の場合
で、次は、Google Spreadsheetを調べてみる番です。そんなことを思いながら、金曜日、弊社の伊那支店に行きました。で、たまたま海外営業担当者のところに行き、ふと、デスクトップPCの画面を見て仰天!な、なんとGoogle Spreadsheetの画面が見えるではありませんか。
びっくりして、「えーー、どうしたの?Google Spreadsheetを何に使っているの?」と尋ねましたところ、海外の売上を米国の営業担当者と共有している、との答えです。
どうやら、海外売上を、米国の現地会社の営業管理の女性が入力し、それを、セールス担当者と伊那支店の担当者の3人で共有するのにGoogle Spreadsheetを使っているようです。セールス担当者は、米国と欧州を飛び歩いていて、この2週間はドイツに出張しています。で、Google Spreadsheetでオーダーの状況を共有すると便利と考えたようです。
まさに、灯台下暗しというやつで、私が必死でGoogle Docsのビジネスモデルを考えている間に、社内で、既に、実践利用が始まっていたわけです。
そうか、そういう使い方があるのか、Google Spreadsheet恐るべし!と教えられた次第です。
考えて見ますと、このケースでは公開できない情報内容(コンテンツ)です。このコンテンツを見るのは数人に限られますので、媒体としてはオーディエンスが少なすぎます。また、コンテンツを検索エンジンに検索させるわけには行きませんから、検索のキーワードと広告を連動させる仕組みを使うわけにもいきません。
ですので、広告収入で、ビジネスを成立させるモデルは成り立ちませんね。やはり、有料のSaaSモデルで行くしかないでしょう。このあたり、Googleのビジネスとは合わないところじゃないでしょうかね。
そういえば、インフォテリアが、先日、表計算をSaaSモデルで提供開始しましたね。さすが、良い着眼点と、改めて感心しました。
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2007年11月17日
検索キーワードとしての”PDF”
いつも思うことなのですが、Googleで”PDF”で検索しますと、ファイル形式[PDF]の検索結果が混ざっています。しかもそれが上位に多数出てきます。ちなみに20番目までの中で、テーマ(トピック)としての”PDF”という事柄に関連するWebページは、9件しかありません。
検索のキーワード:"PDF" GoogleでWeb全体から検索。1,850万件の上位1~20番
--------------------------------------------------
1 Adobe - Adobe Readerのダウンロード - すべてのバージョン
2 Portable Document Format - Wikipedia
3 PDFとは 【Portable Document Format】 - 意味・解説 : IT用語辞典
4 クセロPDF/瞬簡シリーズ
5 [PDF] IT 政策パッケージ-2005
6 PDFとは - はてなダイアリー
7 [PDF] PLAYSTATION 3 2006年11月11日 日本国内発売
8 PDFの作り方 - TeX Wiki
9 [PDF] 東京近郊路線図
10 [PDF] 再 入 国 許 可 申 請 書
11 [PDF] e-Japan 重点計画ー2004
12 ソースネクスト:「いきなりPDF」シリーズ
13 [PDF] - 1 - ノロウイルスに関するQ&A (作成:平成16年2月4日)
14 [PDF] Authoring Tool Accessibility Guidelines 1.0
15 [PDF] 「貸します詐欺」
16 クセロPDF2(WindowsNT/2000/XP/Vista / 文書作成)
17 XLsoft エクセルソフト : activePDF 無料 PDF 作成/変換ソフトウェア ...
18 [PDF] カーネル法による複数のゲノムデータからの タンパク質間機能 ...
20 [PDF] pdf
--------------------------------------------------
[PDF]が付いているのは、ファイル形式がPDFであって、主題はPDFとは無関係と思われます。どうしてこういう検索語とはあまり関係ないと思われる項目を除外できないのかな。
一方、Yahooで”PDF”で検索しますと、次のような結果になります。Googleとは違って、ファイル形式が[PDF]のページは検索結果にはでません。
検索のキーワード:"PDF" Yahoo(ジャパン)でWeb全体から検索。上位1~20番
--------------------------------------------------
1 Adobe - のダウンロード - すべてのバージョン
2 PDFの作り方 - TeX Wiki
3 Adobe - Reader
4 Portable Document Format - Wikipedia
5 クセロPDF/瞬簡シリーズ
6 PDF Conference On the web
7 PDF総研
8 PDF|PDFに簡単変換してダウンロードできる「BS-PDF」
9 PDFとは - はてなダイアリー
10 印刷通販のPDF印刷
11 PDF Adviser: ホーム
12 ライブPDF
13 無料PDF変換作成ソフトXeloPDF
14 PDF無料活用クラブ
15 PDFと帳票システムのYSS
16 PDFとは 【Portable Document Format ...
17 ソースネクスト・ドットコム/PDF作成ソフト/いきなりPDF ...
18 新・フリーソフトで作るPDF!
19 PDF、文書変換と表示、XSL-FO組版のアンテナハウス株式会社
20 ソースネクスト・ドットコム/PDF作成ソフト/いきなりPDF
--------------------------------------------------
この結果だけで見ますと、GoogleよりYahooの検索結果の方が適切な(妥当な)ように思います。「ひょっとすると、Yahooの検索エンジンの方が妥当な検索結果を返すようになってきているのかもしれないなあ。そろそろ普段使う検索エンジンをGoogle一辺倒から見直しする方が良いかな。」と思うこの頃です。しかし、習慣とは恐ろしいもので、なかなか、Google頼みから抜け出せません。
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2007年11月16日
Google Docs は進歩しているか? — ワープロ文書の場合
先日、Google Docsを1年振りに触ってみましたところ、1年前はワープロ文書と表計算だけでしたが、今は、プレゼンテーションも作成できるようになっていたこととお話しました。この点では、進歩しているといえるのですが、その後、たまたまワープロ文書を少し触ってみました。どうも、ワープロ文書は全然進歩していないような印象を受けます。それどころか、以前よりも悪くなっているのではないかという印象すら受けます。
例えば、ワープロ文書をひとつPDFにしてみました。
まず、文書をパブリッシュしてみました。
http://docs.google.com/Doc?id=dxspw42_184d7zj8c
この文書をPDFに保存したものがこれです。
○アドビ・リーダの画面
○PDFファイル
ファイルをダウンロード
このPDFをご覧いただきますと分かりますが、日本語の文字の配置がかなり異常になっています。
PDFのプロパティを見ますと、PDFの生成はOpenOffice.orgを使っていますし、日本語フォントは依然として東風明朝です。
※ご参考
2006年10月17日 Google Docs/Spreadsheetsを初体験(4) — Kochi-Minchoで、東風明朝の問題を指摘しました。
ざっとみまして、ワープロ文書については、この1年間でほとんど進歩していないような印象を受けます。
ワープロ文書の編集メニューは、昨年とまったく変わっていないようです。次の画面は、昨年のブログで紹介した文書を、もう一度、ローカルPCからアップロードしたものです。
この画面を昨年のブログの画面と比較しますと、全く変わっていません。
2006年10月16日 Google Docs/Spreadsheetsを初体験(3)
この文書を、PDF保存してみました。このPDFの文字が画面上とずれている度合いも、昨年と全く同じです。
ファイルをダウンロード
従って、ワープロ文書編集、PDF出力に関する部分については、昨年からほとんど変わっていない、と言えそうです。
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2007年11月15日
CSS仕様の熟成度合い
W3CのCSSブログにCSS仕様の熟成度合いに応じてレベル分けした説明が出ていました。
http://www.w3.org/blog/CSS/2007/11/01/css_recommendation_track
1.探索段階
まだ、未完成で、大幅に変わる可能性あり。
* CSS Grid Layout
* CSS Advanced Layout
* CSS Generated Content
* CSS Tables Level 3
2.書き直し
仕様の大きな部分を書き直し。
* CSS Text Level 3
* CSS Text Layout Level 3
* CSS Fonts Level 3
3.洗練させる段階
仕様の範囲や機能がほぼ完成した段階。しかし、また出版、査読などのサイクルが必要。
* CSS Backgrounds and Borders Level 3
* CSS Multi-column Layout Level 3 この段階の終わりに近い
* CSS Values and Units is almost at this stage
* CSS Box Module Level 3
4.安定化段階
勧告候補の準備が出来ている。
* CSS Ruby
* Media Queries
* CSS Paged Media Level 3
* Selectors Level 3
* CSS Namespaces
5.実装を呼びかけ
* CSS Color Level 3 sections 3.3, 3.4, 3.5, 4.5.2
6.勧告
* CSS2.1
* CSS Color Level 3 (3.3, 3.4, 3.5, 4.5.2を除外)
* Selectors Level 3
7.完成
なし
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2007年11月14日
IPAフォント(続き)
昨日、Microsoft Word 2003を使って作成した、IPA明朝/ゴシックと、MS明朝/ゴシックを指定した文章では、文字送り幅は同じになっているが、行送り幅が異なっていることをお話しました。
それで、今度はXSL FormatterV4.2で同じことをしてみました。XSL Formatterで組版して出力したPDFがこちらです。
ファイルをダウンロード
※オリジナルのXSL-FO
ファイルをダウンロード
そうしますと、XSL Formatterで作成したPDFでは、IPAフォントとMSフォントで文字送り幅も、行送り幅もまったく同じになっていることが分かりました。次の図をご覧ください。
この結果を見ますと、Microsoft Wordで、IPAフォントとMSフォントで行の送り幅が異なってしまうのは、フォントの文字の大きさ(高さ)が異なるのではなく、なにか別の項目が影響しているようです。
具体的にはなんなのかは分かりませんが、不思議です。
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2007年11月13日
IPAフォント
10月1日から、IPAフォントの一般利用者向け無償ダウンロードが始まっていました。
以前は、IPAフォント自体の単体配布は認められておらず、GRASSなど他のソフトウェアに同梱して配布する必要がありました。10月1日から、フォント自体に単体配布が可能となり、さらに、商用・非商用を問わず、再配布が可能となりましたので、弊社のXSL Formatterのような商用組版ソフトウェアに同梱して配布することも問題ないと考えられます。
早速、ダウンロードしてWindowsXPにインストールしてみました。Microsoft Wordで日本語の簡単な文章を作ってPDF化してみました。こちらです。
これを見まして、一番先に気が付くことは、IPA明朝とMS明朝(V2.3)、IPAゴシックとMSゴシック(V2.3)は、漢字の部分が随分似ているということです。
ひらがなは、幾つか異なる文字があります。
また、日本語の文章をWordで表示する限り、IPA明朝/ゴシックとMS明朝/ゴシックで改行位置が全く同じになります。すなわち、2つのフォントでは文字の幅が全く同じということです。
このようなことから、恐らくこの2つのアウトライン・フォントの漢字は同じ字母から作成されたのではないか、という推測が成り立ちそうです。
但し、改行幅が異なります。
次の図は、IPA明朝とMS明朝、IPAゴシックとMSゴシックを横に並べたものです。
これを見ますと、IPS明朝/ゴシックを指定したページの方が、MS明朝/ゴシックを指定したページより行送り幅が広くなっています。なぜなんでしょう。
文字の横幅は同じになっていますので、文字が正方形であれば行送り幅も同じになるはずなんですが。そうなっていません。ということは、どちらかのフォントが正方形ではないということになるのですが。
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2007年11月12日
WikipediaにPDF/Aを追加
今日は、たまたま、ちょっと時間があったので、ちょっとばかりWebページの整理にとり組み、ついでに、WikipediaにPDF/Aの項を追加しました。
PDF/A(Wikipedia)
Wikipedia英語にはPDF/Aの説明がありますが、私の書いたのは翻訳ではなく、まったくのオリジナルです。
だれか、英語の情報も元にリライトしていただければ幸いです。
ところで、先日、Wikipedia について、3~4ヶ月で閉鎖?という記事が2月に出ていたことを目にしました。
Wikipediaを閉鎖させないために必要な金額はいくらなのか?
この記事にある情報が正しいなら、既に、閉鎖されていなければならないはずですが、どうなっているんでしょうね。未だに、閉鎖されずに続いているのを見て、一瞬、昔一世を風靡したローマクラブの「成長の限界」の予測を思い出しました。
Wikipediaのような販売収入のない=ビジネスモデル的には存在し得ない事業(ビジネスではないと言っても良いと思います)が、一体今後どこまで継続できるものなのか、将来どうなるか、寄付だけで賄うことができるものなのか、これもなかなか予測がつきにくいことです。但し、Wikipediaのコストは、人件費と、サーバのコストと、通信コストなどで、いわゆる製造コストがないと思われますので、そんなに巨額にはならないでしょうから、寄付で賄うのは不可能ではないと思います。
これで、連想するのがワシントンDCのスミソニアン博物館です。あの大きな博物館群も入場無料ですが、開設・運営コストは寄付で賄われたと聞きました(記憶があまり確かじゃありませんが)。アメリカのお金持ちは半端じゃないですし、誰かお金持ちがスポンサーになりさえすれば、Wikipediaの財政難は、簡単に解消できるレベルでしょう。
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2007年11月11日
DWFx AutoCADのXPS出力
先日、AutoCADの新しいファイル形式がXPSベースになっているという話を聞きました。
調べてみましたところ、AutoCADにはDWFという配布形式がありますが、DWFのXPS版としてDWFxというのができているようです。
DWFファイルを表示するには、これまでDWF専用のビューアが必要でしたが、XPSベースになることで、WindowsVistaなどでは特別なビューアを使うことなくAutoCADの配布形式を表示できるようになるそうです。
DWFx:マイクロソフトと DWF テクノロジーでコラボレーションを強化
ところで、DWF:設計情報のパブリッシュに最適のファイル形式というホワイト・ペーパーを見ますと、DWFとPDFを比較して設計情報の表現のためには、PDFよりもDWFの方がずっと良いという、なんとなく、挑戦的な説明がなされています。
いままでそういう見方をしたことがなかったのですが。というよりも、設計情報の分野にはあまり詳しくありませんので、考えたこともなかったのですが。しかし、それならなぜ、マイクロソフトと協力して、XPSベースのDWFxを作ったのでしょうね。
でも、DWFxは少しばかり気になる存在になりました。
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2007年11月10日
ソフトウェアのビジネスモデル(4)
11月12日号の日経コンピュータは、特集「ここまできたSaaSの実力」です。最近、日経の雑誌が届くたびに、表紙にSaaSという言葉がでて来るなど、今、日本のメディアでは、SaaSということばが真っ盛りです。
そこで、私も、弊社のシステム製品のライセンスのページにSaaSを登場させました。と言いましても、ほんの一行ですが。
http://www.antenna.co.jp/SYS/SYS_license.htm
ところで、いよいよ、MSのWindows Liveが始まりましたね。
http://promotion.msn.co.jp/
SaaSブームの一例とも言えますが、これは、ビジネスモデル的にはどうなっているのか関心があります。おいおい研究することにしたいと思います。
ところで、昨日のブログをオータムマガジンから参照していただいだようです。
http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20071109142719
このNTT東日本の副社長の発言の記事:
パートナー企業のNTT東日本の副社長が、MSを批判
ここに「歴史的に見て、MSはWindows95やVistaを出すたびに世界的な発表を行い、厚さわずか数ミリのCD―ROMを3万円だ、4万円だと売った。分厚い説明書と共に、空気と発泡スチロールを大きな箱に詰め込んで売るのは、本当はおかしいと思う」のくだりですが、本当にそんなことを言ったのでしょうかねえ。
一般的に、ものやサービスの値段を決める方法には、二通りあると言います。
第一は、原価積み上げ方式
第二は、市場競争価格方式
第一の原価積み上げ方式で価格を決めることができるのは、一般的にはメーカに価格決定権がある場合です。ところが、開かれた市場では、価格は、どちらかというと競争によって決まると思います。実際には、市場は完全にオープンではないですし、個人の選好もあり、あるいは、消費者が神のごとくすべてを知ったうえで選択する訳ではありませんので、完全な市場価格が成立するということも少ないと思いますが。
ソフトウェアの場合、原価は人件費が大部分なのでかなり固定的な費用となります。このため、原価積み上げ方式による価格は、複製本数=ライセンス数が何枚になるかによって非常に大きな違いがでます。複製枚数が膨大になれば、原価積み上げ方式の価格は相当に安くすることが可能となるでしょう。
そこで、実際の市場価格を、原価積み上げによる想定価格よりもかなり高い状態に維持できれば、そのメーカには大きな利益がもたらされることになります。ソフトウェア・ビジネス(にかぎらず、複製物を販売し、かつ複製原価の安いビジネス)ではそれが実現可能です。そのキーポイントは膨大な複製枚数です。
MSの高収益の現状は、こうした理由で説明できます。で、これが暴利かと言いますと、必ずしも暴利といえるかどうかは疑問です。
いずれにせよ、私にはNTT東日本の古賀哲夫副社長が、なにを論拠でMSを批判しているのか、まったく理解できません。
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2007年11月09日
ソフトウェアのビジネスモデル(3)
先日、といっても、もう半月ほど前ですが、猪瀬直樹の「眼からウロコ」 というシリーズで、
「タダは国を滅ぼす〜高速道路も年金もタダにできるわけない (2007/10/23)」
という記事が出ていました。
何でもタダが良いという風潮が蔓延している例を挙げた上で、
・高速道路も年金もタダでできるはずがない。
・受益者負担を明確にすべき
・タダは人を腐敗させる
というかなり過激な論説でした。まさしくそのとおりと喝采を送りたかったのですが、ついでに、「ソフトウェア」をタダにするのも一緒に批判して欲しい、と痛切に感じました。
品質の高いソフトウェアを開発する、というのは決して小さなコストで済むものではありません。ソフトウェアを開発する技術者の人件費だけではなく、テスト担当者、ドキュメント制作担当者、サポート担当者などのコストを含めますと、小さなソフトウェアであってもかなり大きなコストがかかるのは絶対的な事実です。まさしく、「タダでできるはずがない」のです。
それをビジネスとして成立させるには、使用者からライセンス・フィーを頂くのが一番直接的ですが、そうでなくて、それを利用して広告収入を得たり、あるいはコンテンツとセットで販売するなどの様々な工夫を凝らす、新しい方法を模索する努力は必要だろうと思います。
しかし、タダが当然という考え方、あるいは、国の税金を使ってそのコストを埋め合わせることには、どうしても賛成できません。
汗を流して一生懸命働き、そうして得た対価によって、自分の欲しいものを自分できちんと代金を払って購入する、という意識を国民全体がもつことが必要なのではないでしょうか。
猪瀬さん、もう少し頑張って!と言いたいところでした。
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2007年11月08日
PDFのパスワード・セキュリティについて
PDFのパスワードによるセキュリティには、(1)PDFファイルを開くパスワードと(2)PDFの利用制限を設定するパスワードがあることは良く知られていると思います。
(1)PDFファイルを開くパスワードはユーザーパスワード、(2)PDFの利用制限を設定するパスワードはオーナーパスワードまたはマスターパスワードということもあります。
このPDFには、(1)PDFファイルを開くパスワードとして”OpenPWD”、(2)PDFの利用制限を設定するパスワードとして”PermitPWD”が設定されています。
このファイルをダウンロードして、アドビ・リーダなどで表示する際には、パスワードの入力が要求されます。そこで、OpenPWDを入力すれば開いて内容を見ることができます。
では、ファイルを開くパスワードのダイヤログで、誤って、PermitPWDと入力したらどうなるのでしょうか?
これを試してみますと、PDFを開いてみることができることが分かります。
つまり、PDFの利用制限を設定するパスワードは、オールマイティのパスワードなのです。
では、もうひとつ、(1)PDFファイルを開くパスワードと(2)PDFの利用制限を設定するパスワードに同じ値を設定することはできるのでしょうか?
実際に試して見ますと、Acrobat8.1では、この2つに「同じパスワードを設定することはできません」、として拒絶されてしまいます。役割が違うものに同じ値を設定できないのは当然といえば当然ですけどね。
■ご参考
PDFの標準セキュリィティ機能
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2007年11月07日
ソフトウェアのビジネス・モデル (続き)
前回、2007年11月02日 ソフトウェアのビジネス・モデルでは、
・ASP/SaaSが、新しいビジネスモデルとして、今後増えていくのは間違いのないところ、ということまでをお話しました。
もう一つの新しいビジネスモデルとして広告収入モデルがあります。広告収入モデルの最大の成功例は、Yahooであり、あるいはGoogleです。Yahooの場合は、インターネットを広告媒体としたことにありますが、Googleは検索結果と表示される広告をマッチさせるという新しい方式を実現して、ロングテール型の広告主を開拓したことで、検索エンジンに大きな広告媒体価値をつけたという点が画期的だと思います。
検索エンジンというソフトウェアと、無料で収集したインターネットのコンテンツを使って広告事業を行っているのがGoogleの現在のビジネスモデルだといえます。
ここまでは良いとして。では、同じ広告収入モデルが、検索エンジン以外のソフトウェアでも実現できるかどうか?ここが分からないところです。
そんなことを思いながら、丁度1年前に使って、そのままになっていた、Google Docsをまた試してみました。1年前(2006年10月14日~10月17日)に、アカウントを作成して、少しいじってそのままですが、1年ぶりのURLは、そのまま有効で、アカウントもそのまま有効です。
http://docs.google.com/
左上のロゴの脇に、小さく、「BETA」と書いてあります。まだ、正式サービスになっていないということなのでしょう。1年前と比べて、大きな違いは、「プレゼンテーション」が追加になったことです。
早速、サンプルとして、9月7日のX-over Dev Conで使用したパワーポイント・ファイルをアップしてみました。プレゼンテーション・ファイルは10MBまでアップロードできます。この位使えると実用的だと思います。
レイアウトが少し崩れますが、34ページのスライドを無事アップすることができます。
ファイルを「パブリッシュ」する機能を使って、下記に公開してみました。
http://docs.google.com/Doc?id=dxspw42_45fpbp2q
この公開ファイルをご覧になるには、Google Docsのアカウントが必要と思いますが、アカウントをもっていれば、プレゼンテーションファイルをご覧頂くことができるはずです。
アカウントがあり、ログインするようにセットされているとEditorの画面になってしまいますが、アカウントがなくても表示されます。
実際に使ってみますと、操作性はまだデスクトップのパワーポイントには及びません。しかし、操作性や機能が向上するのは時間の問題のように思います。
となりますと、やはり課題はビジネス・モデルということ・・
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2007年11月06日
Page Rank について
Page Rank という言葉をご存知でしょうか?
Webの検索エンジンについて詳しい人は、研究済みかと思いますが、これはGoogleが使っている(商標です)ものですが、0から10までの数値で、そのWebページの重要さを表します。Googleツールバーをインストールすることで、Webページを見るごとにそのページのランクをチェックすることができます。
ちなみに、アンテナハウス(日本語)のWebページのPage Rank は6となっています。
ページランクの概念については、例えば、ここに簡単に説明されています。
ページランク - Wikipedia
GoogleのPage Rankについて、いままで、Webページをあるキーワードで検索すると、その結果は、ページランクの高い方が順位が上に表示されると思っていましたが、どうもそう簡単ではないようです。
ちなみに、ここに「PDF」で検索したときの検索結果の中で、PDFファイルがヒットしたものを除いて、上位から15のWebページの表示順位とPageRankを示しました。
PDF千夜一夜のPageRankは、「5」となっています。
上位から7つのページのPage Rankの平均値は5.33、9番目から16番目のページのPage Rankの平均値は4.63ですので、一応、上位のページのページランクの方が高くなっていますが、完全にリニアな関係でもないようです。
PageRankが高くなると、検索結果で上位に表示されるのは確かだと思いますが、そうしてみますと、PageRankというのは検索結果の表示順位にどのように加味されているのでしょうか?
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2007年11月05日
米国で新しいPDFブランドを立ち上げ(続き)
米国で新しいPDFのブランドを立ち上げということで、10月31日から11月4日まで、米国に行って現地の社員と打合せしてきました。
アンテナハウス米国法人は、現在、社員が6人です。米国法人については、ここ(http://www.rainbowpdf.com/about.php)に住所が記載されていますが、MarylandのBethesdaでは2名がFormatterを中心に技術サポートを担当しています。Bethesdaは、WashingtonDCとMarylandの境目にあたり、地下鉄のBethesdaという駅の直ぐ近くでとても便利なところです。しかし、やはりWashingtonDCは、オフィスを初めとして価格が割高です。
第二のセールス・オフィスはデラウエア州のGreenvilleというところにあります。Greenvilleというのは、Phiradelphia国際空港から車で30分、アムトラックの駅があるWilmingtonから車で10分程度の場所です。
Wikipediaで見ますとcensus-designated place(CDP)とあります。
http://en.wikipedia.org/wiki/Greenville,_Delaware
CDPとは一体なんなんでしょう?現地の人はコミュニティと言っていました。インターネットや、オープンソースなどでも、コミュニティという言葉を良く見たり聞いたりしますが、私にはこのコミュニティという感覚がいまひとつよく分かりません。
それにしても、Greenvilleのあたりは素晴らしく美しいところです。地面は広大な芝生がありとてもゆったりしていて、またあたりの木々は、秋ですので季節柄、日に日に紅葉が増えています。特に、日本から米国に行きますと土地が豊かなのが、毎度のことですが、うらやましい限りです。
このあたりのオフィス賃料は、1平方フィート年間25ドル程度だそうです。
1平方フィート: 0.09290304平方メートル。ということは、月当たり坪74ドル=8510円(115円/ドルで計算)になります。賃料は東京の1/3~半分程度でしょうか。
オフィスの中はこんな感じです。
また、米国のスタッフの給与は、日本より多少安いくらいになります。こうしたことを含めて、ざっと言いまして、米国で事務所を開いて運営するのは、恐らく日本より安くできるだろうと思います。もっともPDF製品が売れないと、いくらコストが安くても意味がないので、ここ2年程度が勝負!
日曜日夕方、成田空港に着きました。
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2007年11月04日
Rainbow PDF 公開
アンテナハウスは、米国において新しいPDFのブランドとして、「Rainbow PDF」を立ち上げました。
http://www.rainbowpdf.com/index.php
現在、新しいWebページで公開されている製品は、Rainbow PDF Desktop Converterと、Rainbow PDF Server Based Converterの2種類ですが、近日中に、PDF電子署名モジュールの英語版を発売する予定です。
今のところ、Webページを作って、Webサイトからダウンロード販売を可能にしたのにとどまっています。今年末から来年(2008)年の前半に掛けて、日本で発売する新しい製品を同時に英語版としても発売し、PDF製品の品揃えとWebサイトの充実を図っていく予定です。
さらに、米国で開催される展示会などにも積極的に出展してPDF製品の販促に取り組んでいき、数年内には日本よりも多くの売上を上げるようにしたいと考えています。
本来、PDFのような世界共通仕様のソフトウェアは、世界の市場で販売するべきものと思います。世界の市場で販売することで、売上を増やし、開発費をより多く投じることができるようになるはずです。
世界の市場で競争して勝ち残ることで、結果的に、日本のお客様にもより良い製品をより適切な価格でご提供することができるようになる、と信じています。
・Rainbow PDF Desktop Converter:「リッチテキストPDF3D&D」の同等品
・Rainbow PDF Server Based Converter:「サーバベース・コンバータ」の同等品
ところで、いま、今週後半は、米国の事務所でスタッフに、拙い英語で製品のデモや説明をしたり、あるいは、現地のスタッフにいろいろプレゼンテーションをして貰いました。その中で、特に、現地社員のプレゼンテーション技術(演技力)には、大変、感心しました。単に、経済的な点のみでなく、こういう新しい経験を得られるのも、海外ビジネスの面白い点です。
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2007年11月03日
XSLスクール+XSL-FO指南徹底解説セミナー開催
来る、12月7日(金曜日)に「XSLスクール + FO指南徹底解説」のテーマでセミナーを開催します。
弊社では、これまで、18回XSL Schoolとしてセミナーを開催してまいりました。今回は19回目に相当しますが、「バッチ組版のためのXSLFO指南」が発売されたことから、作者の藤島氏にXSL-FOに関する部分の説明をお願いすることになりました。
セミナーは単なる講義ではなく、普段お使いのノートPCを持ち込んでいただいて、実際にスタイルシートを作成しながらの実技セミナー形式です。講義形式での解説を聞くだけでは、なかなか分からないことも実際にご自分でスタイルシートを書いて体験してみることにより、よりご理解が深まるものと思います。
時間も従来の「XSL School」よりも延長し、7時間の密度の濃いセミナーとなります。
お申込みはこのPDFファイルにご記入いただいた上、エクスイズムまでお送りください。
申込み用紙をダウンロード
XSL-FOに取り組んでみたいとお考えの方は、この機会にぜひともご参加くださいますよう、よろしくお願いします。
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2007年11月02日
ソフトウェアのビジネス・モデル
1980年代のパソコン・ソフトのビジネスモデルは、デスクトップ・ライセンス販売、フリーソフト、シェアウエアというモデルで、非常に簡単だったかと思います。
その後、サーバライセンス/サーバライセンス+クライアント・アクセスライセンスが普及しました。また、オープンソース・ライセンスが増えてだんだんと複雑になってきました。
2000年代の新しいライセンスとしては、ASP(最近はSaaSという事が多いようです)モデルが脚光を浴びています。
ASP/SaaSは、特に新しいビジネスモデルではなく、1970年代にはデータ通信サービスとしてサービスが提供されていたと思います。もう、遥か昔のことのように思いますが、私も、DEMOSという電電公社のデータ通信サービスを使って、紙テープで統計計算を行ったことを思い出します。
近年、ASP/SaaSが有力なサービス形態となっているのは、ネットワーク・インフラが強力になってきたことが大きな理由と思います。
有力なソフトウェアの機能が、ASP/SaaSとして提供されるようになれば、ユーザの方はソフトウェアの使用料やシステム構築費用を低減できますので、大きなメリットがあります。従って、経済合理性から単純に判断して、ASP/SaaS型のビジネスが徐々に増えていくのは間違いがなさそうに思います。
さて、そうなりますと、ソフトウェアのエンドユーザ・ライセンス契約(EULA)の契約数を増やそうというビジネスはその影響を受けて減少することになるだろうと予想されます。
そんな訳で、アンテナハウスは、システム製品について2007年の新規のEULAから「ASP/SaaSに使用する場合は別契約で」、とお願いをしています。
日本のパッケージソフトのライセンス販売している会社の間には、ASP/SaaSを別料金にする会社はまだまだ少数のように思いますが、しかし、長期的には別料金化は避けられないのではないかと思っています。
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2007年11月01日
外字(表外字)(3)
Antenna House PDF Driver で外字を埋め込んだ PDF のフォント情報を Acrobat 8 で確認(※)するとフォント名が「00(埋め込みサブセット)」と表示されますが、Acrobat 8 Pro で出力した PDF では「EUDC(埋め込みサブセット)」と表示されます。なぜこのような違いが生じてしまうのでしょうか。
※ Acrobat 8 の「文書のプロパティ」-「フォント」タブで確認します。
・Antenna House PDF Driver V3.2
・Acrobat Distiller 8.1.0
PDF の仕様では、フォント内の name テーブルに PostScript 名が存在すればそれを使用することが推奨されています。EUDC フォントは、フォント内の name テーブルに PostScript 名が「00」と定義されていますので、Antenna House PDF Driver はそれを PDF に使用しています。一方、Acrobat が出力する PDF はこのフォント内に定義されている PostScript 名を使用していないために「00」とならず「EUDC」と表示されているようです。それでは、どこを参照しているでしょうか。EUDC フォントの name テーブルで「EUDC」と定義されているのは、Font Family Name(Name ID = 1)か Full Font Name(Name ID = 4)の2箇所ですので、恐らく Acrobat はこのいずれかを参照していると思われますが、どちらかまではわかりません。
■ これまでの記事
・2007年08月04日 外字(表外字)
・2007年08月09日 外字(表外字)(2)