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2007年11月10日

ソフトウェアのビジネスモデル(4)

11月12日号の日経コンピュータは、特集「ここまできたSaaSの実力」です。最近、日経の雑誌が届くたびに、表紙にSaaSという言葉がでて来るなど、今、日本のメディアでは、SaaSということばが真っ盛りです。

そこで、私も、弊社のシステム製品のライセンスのページにSaaSを登場させました。と言いましても、ほんの一行ですが。
http://www.antenna.co.jp/SYS/SYS_license.htm

ところで、いよいよ、MSのWindows Liveが始まりましたね。
http://promotion.msn.co.jp/

SaaSブームの一例とも言えますが、これは、ビジネスモデル的にはどうなっているのか関心があります。おいおい研究することにしたいと思います。

ところで、昨日のブログをオータムマガジンから参照していただいだようです。
http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20071109142719

このNTT東日本の副社長の発言の記事:
パートナー企業のNTT東日本の副社長が、MSを批判

ここに「歴史的に見て、MSはWindows95やVistaを出すたびに世界的な発表を行い、厚さわずか数ミリのCD―ROMを3万円だ、4万円だと売った。分厚い説明書と共に、空気と発泡スチロールを大きな箱に詰め込んで売るのは、本当はおかしいと思う」のくだりですが、本当にそんなことを言ったのでしょうかねえ。

一般的に、ものやサービスの値段を決める方法には、二通りあると言います。

第一は、原価積み上げ方式
第二は、市場競争価格方式

第一の原価積み上げ方式で価格を決めることができるのは、一般的にはメーカに価格決定権がある場合です。ところが、開かれた市場では、価格は、どちらかというと競争によって決まると思います。実際には、市場は完全にオープンではないですし、個人の選好もあり、あるいは、消費者が神のごとくすべてを知ったうえで選択する訳ではありませんので、完全な市場価格が成立するということも少ないと思いますが。

ソフトウェアの場合、原価は人件費が大部分なのでかなり固定的な費用となります。このため、原価積み上げ方式による価格は、複製本数=ライセンス数が何枚になるかによって非常に大きな違いがでます。複製枚数が膨大になれば、原価積み上げ方式の価格は相当に安くすることが可能となるでしょう。

そこで、実際の市場価格を、原価積み上げによる想定価格よりもかなり高い状態に維持できれば、そのメーカには大きな利益がもたらされることになります。ソフトウェア・ビジネス(にかぎらず、複製物を販売し、かつ複製原価の安いビジネス)ではそれが実現可能です。そのキーポイントは膨大な複製枚数です。

MSの高収益の現状は、こうした理由で説明できます。で、これが暴利かと言いますと、必ずしも暴利といえるかどうかは疑問です。

いずれにせよ、私にはNTT東日本の古賀哲夫副社長が、なにを論拠でMSを批判しているのか、まったく理解できません。

投稿者 koba : 2007年11月10日 08:00

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