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2007年11月24日

xfyの未来は?(2)

半年ほど前に、ジャストシステムのxfyとそのビジネスについてお話しました。

2007年05月26日 xfyの未来は?

11月22日ジャストシステムの2008年3月期の中間決算(4-9月業績)が発表されました。それを見ますと、xfyの売上について、次のように説明されていました。「今期は新規で6社に導入されましたが、基本的には今後の大型導入を想定した試験的な導入が中心でしたので、売上高は28百万円にとどまりました。」

日経新聞を見ましたら、「売上目標2億円に対して、実績28百万円」とありましたので、大変な見込み違いです。

前回もお話しましたが、XMLドキュメントはなかなか大変なビジネスです。特に、上流工程ではスキーマの設計などに長い時間がかかりますし、システム開発も長い期間が掛かることが多いものです。ですので、短期間に大きな売上を立て、ビジネスを急速に成長させるのはなかなか難しいと思います。XMLドキュメント・ビジネスがだめということを言っているのではなく、急角度で増やすのが難しい。大変難しく、高いスキルも必要なため、緩やかにしか増やせないのではないか?ということです。

ジャストシステムのこの中間期の決算を見ますと、まさしくその通りになっています。

下期の業績、ひいては通年の業績がどうなるかは、いま、仕掛かり中の案件が、どの位あるか、それが年度末までにどの位売上に繋がるかによりますので、なんともいえません。6月から「事業の立ち上がりの時間を要したことの反省から」ソリューション・パッケージのビジネスの方向に方針を転換していると報告されています。

この中間決算を見てもxfyビジネスが難航しているのが分かります。XMLドキュメントのビジネスは、相当慎重にやらないと危険だと改めて感じました。

XMLドキュメントのシステムは開発に長い時間が掛かります。弊社の経験でも、Word2003を使ってXMLコンテンツをオーサリングし、FormatterでPDF化する製造業の多言語マニュアル制作システムがあります。このシステムは、某社で全世界の制作者が使っているようですが、大変、うまく行った例だと思います。このケースでは、確か2003年から検討を開始、2004年に設計を始めて、稼動するまでに1年以上掛かっていたはずです。

この時間を短縮することはできると思いますが、そのためには、類似のケースの繰り返しで、経験、ノウハウ、技術を蓄積することが必要でしょう。つまり、何もノウハウのない会社が、いきなり最初から、短時間で実現するのは大変難しいと思います。

ところで、決算書を見て、私が一番気になりましたのは、固定的なコストであるはずの「従業員給料手当」です。前期通年で28億円。上期13億円ですので、引き算すると前下期が15億円ということになります。それが、今期は半年で18億円です。半年毎に13億→15億→18億と、赤字続きの中で人件費が膨らんでいます。連結決算の数字なので海外かもしれません。赤字を脱却するには売上を増やすと同時に、固定的なコストを下げないといけないのではないでしょうか?

経営管理の基本は、盛和塾・稲盛塾長が常におっしゃっているように、「売上を最大に、コストを最小に」だと思います。「売上を増やすためにはコストを増やしても良い」、という考え方だと赤字体質から脱却できないと思います。

外野席からいろいろ発言してすみませんが、それだけ心配しているということですので、ご勘弁ください。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック