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2006年07月10日
PDF/X-1, PDF/X-1a (ISO 15930-1:2001)
まず、ISO 15930-1:2001を見てみます。冒頭にPDF/Xは、3つの部分に分かれるとあり、ISO 15930-1:2001は、その第1部にあたります。
第1部 PDF/X-1、PDF/X-1a これはCMYKを中心とする完全交換
第2部 PDF/X-2 印刷データの部分交換
第3部 PDF/X-3 カラー管理されたワークフローに適した完全交換
完全交換と部分交換という言葉をもう少し細かく見てみます。
完全交換と部分交換
印刷された文書は、様々な場所で、様々な組織が作成した部分的なページを集合したものとなります。最終印刷物を作るために用意されたテキスト、グラフィックス、イメージなどを伴う作業単位を複合実体(compound entity)と言います。複合実体は、1ページであったり、ページの一部であったり、あるいは複数のページになります。
完全交換とは、1回の交換の中に複合実体のすべての要素があり、かつ、複合実体を処理するための情報が複合実体の中に含まれるか、もしくは外部の標準で規定されているものです。これに対する概念は、部分交換で、これは複合実体の一部の要素を意図的に除外して交換し、別途入手するものです。
もうひとつ類似の概念として、ブラインド交換 (blind exchange) という言葉があります。
ブラインド交換とは、受け手が、送り手から受け取ったページを、送り手の意図通りにレンダリングするために、事前に技術的な情報の交換を必要としないものです。ISO 15930では、完全交換であれば、ブラインド交換になると考えているようです。
第1部はPDFを使った完全交換を規定します。
このために、交換するPDFファイルには次のものを含まねばなりません。
・フォント、フォントメトリックス、フォントの符号化、カラー空間リソースなどを含むすべてのPDFのリソース
・OPIで外部参照されるファイルはストリームとしてPDF/X-1ファイルに含む
・すべての印刷用の要素が、意図されたひとつの印刷設定のために適切に準備されている
OPI:Open Prepress Interface
もともとAldusが規定したもの。印刷用の高解像度の画像は非常に大きなサイズになるので、印刷用のDTPファイルとは別に保存し、DTPファイルの中には、そのファイルが入る場所を確保し、プロキシとして代わりの低解像度の画像を保存する方式。印刷時にOPIサーバと呼ぶフィルターを通して、高解像度画像と入れ替えます。
PDFでも同じ仕組みがあります。PDFでは、プロキシは画像またはXObjectとして、OPI辞書を伴って保存されます。
※PDF Reference 10.10.6 Open Prepress Interface (OPI) pp. 907~911
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