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2006年07月09日

PDF/X 規格策定の原則・ガイドライン

PDF/Xには、なぜ、沢山の種類があるのでしょうか?

ISO 15929 では、PDF/Xの規格策定の原則について説明しています。以下に説明を要約してみます。

A1 Introduction
「PDF/Xの策定にあたり、ISO/TC 130/WG2のメンバーは、印刷・出版産業のニーズは、地域と、新聞・出版・カタログ・商業印刷など応用領域によって変化することを認識した。

このような広範なニーズに答えるために、複数の部分から構成されるISO標準を作るアプローチを選んだ。

また、アドビのPDFが進化しているので、PDF/X標準が、異なるPDFのバージョンを参照しても良いものとした。」

このようなさまざまな異なる条件をカバーするということです。

では、ニーズの違いとは具体的にどんなことでしょうか?

A.3 一般的要請
「次のようなニーズの違いに対応することを考える。
・送り手と受け手の間で技術的なコミュニケーションが最小ですむようなブラインド交換と、事前に技術的な合意をした上で行う交換
・一回の交換で必要な要素を入手するか、それとも、一部の要素は受け手のサイトに存在したり、あるいは、別途交換するか(完全な交換、または、部分交換)
・CMYKデータの交換、または、他のカラー空間による符号化
・送り手が期待する印刷の見栄えを指定するか、それとも、送り手が完全な全域データを提供し、受け手が実際の印刷の条件設定に責任をもつか
・オブジェクトに対して外部の参照ファイルを使うか、すべてのオブジェクトがPDFファイルに中に符号化されるか」

上のようなさまざまなニーズを考えて、複数の仕様が作成されたということです。

各仕様では、PDFの中で使用してよいオブジェクト、あるいはオブジェクトの使用に関して制約を追加しています。

A.4 コンフォーマンスの原則
「幾つかのコンフォーマンスレベルが定義されます。

PDF/Xを活用するソフトウエアには、リーダ、ライタ、ビューア、などを含みます。

PDF/Xを生成するアプリケーションは、各コンフォーマンスレベルにおいて、一部の機能のみをサポートすることが許されます

一方、PDF/Xを読むアプリケーション(ビューア、あるいは検証ソフト)は、当該のコンフォーマンスレベルの全機能を読んで、正しく処理しなければならない、とされています。」

これを見ますと、どうやら、PDF/Xのリーダを作る方が大変なようです。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック