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2008年01月17日

PDFの相互運用性問題 (1) — 相互運用性問題とは?

PDFの規格のISO化が進んでいることは、既に何回もお話しましたので、ご存知の方も多いと思います。これは、私どもPDFのサードパーティにとりましても、大変喜ばしいことです。

PDFのISO規格が制定されれば、日本でもアドビ以外のPDFベンダには追い風になり、サードパーティ製品のシェアがますます高くなることと思われます。

但し、その時の懸念事項として「PDFの相互運用性」があります。

例えば、PDF編集ソフト間の相互運用性を考えて見ます。

多くの場合、PDFはデータの公開出版、つまり、一方通行に使っていると思います。また、以前は、高価なAcrobatでないとPDFを編集できないということで、PDFを編集する機会は比較的少なかったものと思います。しかし、最近は、「いきなりPDF Edit」のような廉価なPDF編集ソフトが発売されていますし、3月には「JUST PDF作成・高度編集」というようなPDF編集ソフトが発売されます。

そうしますと、A社のソフトで作成したPDFを取引先に渡して、B社のソフトで編集したり、その逆のことが行われるようになる頻度が増えてくると思います。

このように、さまざまなメーカのPDF編集ソフトが使われるようになったとき、異なる会社のソフトで作成したPDFをうまく編集できるか、ということが編集ソフトの相互運用性です。

これは、PDF編集だけではありません。以前に、

2007年11月20日PDFと署名(48) — PDFの電子署名とタイムスタンプの相互運用性

でも、お話しましたが、A社の製品で電子署名したものを、B社の製品で検証するという頻度が増えてくることになります。

PDFは、誕生の当初から作成ソフトと閲覧ソフトが別、PDFの印刷利用などでも作成したのとは別のソフトで印刷のための処理をする、という具合に、PDFというファイルを媒介にして、様々なソフトがそれを共有するという性格の強いものでした。つまり最初から相互運用を前提としているものです。

このあたりは、PDFとMicrosoft Officeファイルとで、かなり異なる点です。

しかし、従来は、日本のPDF市場はアドビが支配する市場でしたので、実態としては、様々な会社のPDF関係ソフトの間の相互運用性で問題が顕在化することが比較的少なかったわけです。しかし、今後は、相互運用性問題がかなり大きな問題になってくると思われます。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック