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2007年06月05日
日本語スタイルシート技術の検討のご紹介
日本印刷技術協会(JAGAT)の2006年度活動「縦組みスタイルシート作業部会」の報告が次のところに公開されています。
現在、W3CのCSSやXSL-FOなどのスタイルシート技術を使って電子ドキュメントを組版することが普及し始めています。その際、CSSやXSL-FOには日本語の組版に必要な機能が不足していることから、日本語組版に必要な機能を整理することを行っています。
JAGATのWebページでも説明されていますように、この作業部会の成果の一部は、昨年ドイツで行われたW3Cのプリントシンポジウムで報告されました。
○関連
2006年10月18日 W3C Print Symposium 2006 (1)
2006年10月19日 W3C Print Symposium 2006 (2)
2006年10月20日 W3C Print Symposium 2006 (3) XSL-FOとCSSの互換性
2006年10月21日 W3C Print Symposium 2006 (4) XSL-WG
2007年02月20日第22回多言語組版研究会 — 「縦組の組版方法と組版指定交換形
式」を開催しました
2007年02月23日日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(1)
2007年02月24日日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(2)
2007年02月25日日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(3)
2007年02月26日日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(4)
2007年02月27日日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(5)
2007年03月03日日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(6)
2007年03月04日日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(7)
投稿者 koba : 2007年06月05日 08:00
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コメント
自動組版の歴史を考えると、活版時代に培ったフォーマットをいかに忠実に美しく具現させるかを追い求めてきたように思います。
しかし、DTPの出現でそれまで積み上げてきた美的センスも抛ってしまった反面、素人でも電子ドキュメントが扱えるようになりました。そこにはこれまでの組版では困難だった直し処理と、複製などによる広範囲への配布が、いとも簡単に行えるようになりました。しかも通信を活用して全世界へ発信できるのです。これは大きなメリットです。
XMLの自動組版は、今忘れ去られそうなバッチ処理による組版の復活であり、文書処理の効率化です。そこには最低限の組版体裁に対する気配りがあれば、それ以上の凝った体裁が出来なくても十分だと言い切って良いと考えます。
ルビは漢字で書かれた表記を実際にどう読むかを示さないと、正確な読みにならない日本語の弱点を補うためためには必要ですが、従来の活版による組版規則を完璧に再現しないといけないのでしょうか。割り注も便利な機能ですが、あの体裁でなければ意味が通じないと云うことはあり得ないと考えます。
昔の本の復刻を自動処理で行うために、字体を含めて是が非でも元通りに組まないと行けないと云う理屈はどこにあるでしょうか?元々手書きの原稿から活版の紙面を起こしたのですから、偶々その時の組版システムではそう組めたと言うだけで、元の組版が絶対無比で、如何なる変更もなされるべきではないなどと云われる筋合いはないと思います。
しからば、これからの組版の求める方向は、読み易さのの追求と共に、いかに効率よく組版して、迅速に供給する事と、パソコンなどを駆使して効率の良い索引やリンクを活用し、内容の理解をスムーズに且つ誤解のないようすることではないでしょうか。今や画像や音声をも含めて扱える上、動画やビデをへのリンク機能もあります。
XMLは確かに手続きが大変ですが、一旦XML化されたドキュメントの効率的な活用を考えたとき、もっと活用されてしかるべきではないでしょうか。活版時代に培った文化は尊重されるべきですが、新しい技術を習得できた現代に於いては、やたら複雑な組版ルールの具現化より、新しいドキュメントのあり方を考察する必要があります。
投稿者 masa : 2007年06月05日 21:33