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2007年01月20日
日本語の文字についての用語について(7) — Adobe-Japan1の用語
Adobe-Japan1では、CIDは、文字形状の種別に対して付けられている、と説明されています。しかし、実際には、そうではなく、次のようにまったく同じ字形の文字に対して、別のCIDが割り当てられています。
これは、歴史的な要因、およびJIS90規格との互換性を維持するためと説明されています。
また、Adobe-Japan1では、他にも微妙な字形差のグリフが別のCIDで登録されているケースがあります。
例えば、安岡孝一氏が作成した「Adobe-Japan1の漢字(部首画数順)」を見ますと、次の図のようにまったく同じグリフと思われるものが別のCIDになっているものが頻繁に見つかります。
※上図は「Adobe-Japan1の漢字(部首画数順)」より加工
http://coe21.zinbun.kyoto-u.ac.jp/results.html.ja
さらに、半角の文字や括弧類などは、横書き用と縦書き用が別々のCIDに登録されています。
そういう点を考えますと、CID、すなわち、文字形状の種別とは一体何か、意味が大変に分かりにくくなっているように思います。これは、Adobe-Japan1は、標準規格として、きちんとした考証を経て作成されたものではなく、フォントのデザイナの便宜のために字形を収集して適当に番号を付けたもの、なのだからでしょう。従って、このドキュメントでいうグリフという言葉の意味も、また、あまり明瞭でないように思います。
投稿者 koba : 2007年01月20日 08:00
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