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2006年12月30日

PDFをとりまく環境とPDF製品の2007年展望 (2)

さて、2007年でPDFの世界にもっとも大きな影響を与えるのは、Office 2007の「Save as PDF」機能でしょう。

Microsoft Office 2007を使用している人は、Save as PDFアドインをダウンロードしてインストールすれば、従来のようにAcrobatやあるいはPDF出力ドライバを使って、印刷メニューからPDF保存をしなくても、文書をPDF形式で保存できるようになります。

このアドインは、既に次の所からダウンロードできるようになっています。
2007 Microsoft Office プログラム用 Microsoft PDF 保存アドイン

日本語のWebページでは、「2007 Microsoft Office system のベータ版ソフトウェアの機能を補完するもの」となっていて、正式版についてはなにも書いてありませんが、正式版でもサポートされることは間違いありません。

このアドインを使えば、Microsoft OfficeからPDFを作成するのに、Acrobatを初めとしてPDF生成するソフトウエアは不要となります。

Microsoft Office 2007は、今までのOffice製品と比べて、ユーザ・インターフェイスにあまりにも大きな変更を加えています。このため、既存のOffice ユーザが、Office 2007 に移行するには多少の時間が掛かるものと思います。従って、多少の時間がかかるかもしれませんが、Office 2007の普及に伴い、Office用のPDF作成ソフト(PDF ドライバ等)の市場が縮小していくのは間違いのないところです。

これは、PDF作成ソフトのメーカにとってはつらいところですが、一方、ユーザにとっては朗報でしょう。

Microsoft Officeで誰でも、簡単にPDFを作成できるようになれば、その結果として予想されることとして、次のようなことがあります。

(1) 一般のビジネス文書などがPDFとして交換される割合が急激に増えるでしょう。例えば、見積書、会議のメモ、契約書のような簡単な文書などもPDFとして取引先などに渡すケースが増えるでしょう。この結果、PDFの存在感がぐっと高まり、大勢の人がPDFを紙の代わりに使うようになるでしょう。

(2) Officeで作成したPDFが増えていくことから、PDF=Adobe=Acrobatという図式が崩れるでしょう。特に、日本ではこの図式が強く、Acrobatでなければ正しいPDFができないと思い込んでいる人が多いようです。Officeで作成したPDFの普及で、この図式が崩れ、PDFが独立したファイル形式として認められるようになるでしょう。

このあたりまでは、自然な展開と思いますが、その後、どういう展開になっていくか?これは、いくつかのシナリオが考えられますが、それは今後のお楽しみ。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック