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2006年12月31日

PDFをとりまく環境とPDF製品の2007年展望 (3)

Office 2007のSave as PDFほどではありませんが、最近、少しびっくりしましたのが、クセロが「瞬間PDF」を無償配布するというニュースです。

クセロ、PDF作成ソフト『瞬簡PDF』を無償化

無償版は『瞬簡PDF ZERO』と言うそうですが、PDFを作成するほか、PDFの結合・分割もできるようですので、大体、ソースネクストの『いきなりPDF Professional 2』に相当すると思います。

このニュースを見ますと、森社長は、月25万本、年間200万本はいけると豪語しているようです。ですので、森社長の予想通りに進むと、2007年には廉価版のPDF作成ソフトをわざわざ購入して使う人はいなくなってしまいそうです。

しかし、そういう風に物事が進むのでしょうか?大いに疑問がありますね。

まず、『瞬簡PDF ZERO』(無償版)は、使う都度に、インターネットに接続して広告を表示するとのことですので、その煩わしさを我慢して使う人がどの位いるのでしょうか?もの珍しさにダウンロードして使い始めても、皆、煩わしくなって、すぐに使わなくなるであろうことは眼に見えているように思います。

私の経験では、お客様が最終的に使用するソフトウエア製品を選択するのは、無償か、有償かではなく、お客様がやりたいことができるかどうかです。また、お客様の気に入ってもらえるかどうか、ということが大きな要因になっているように思います。

つまり、世の中が貧しくてソフトウエアを買うお金がないならともかく、今の世の中では、一般人の大多数は、数千円のソフトを購入する余裕はあるのだろうと思います。そして、他に同じような、あるいはもっと良い製品があるわけです。そうなりますと、毎回広告が掲載されるのを我慢してまで使い続ける人が、それほど大勢いるとは思えませんね。使い続けてもらってこそ意味があるというものですが、皆、他のソフトに移ってしまうのではないでしょうか。

それに、ソフトウエアというものは、無限に改良すべき点が出てくるものですし、お客様の要望もだんだんに高度化していくものです。製品を無料でばらまいてそれで良しとするような発想からは、ソフトウエアをより良いものにしていこうという志が感じられません。

いづれにせよ、『瞬簡PDF ZERO』の2007年の行方を興味深く観察したいと思います。

投稿者 koba : 2006年12月31日 08:00

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