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2006年11月27日

PDF Reference 1.7の変更点の検討

次に、PDF Reference 1.7 の変更点について、順次チェックしてみます。

最初に、前書きですが、面白いことに、PDF Referenceには、「A significant number of third-party developers and systems integrators offer customized enhancements and extensions to Adobe’s core family of products. Adobe publishes the PDF specification in order to encourage the development of such third-party applications.」という段落がありましたが、これが、ごっそり削除されています。

つまり、アドビがPDF Referenceを公開する目的として、サードパーディがアドビのコア製品ファミリに対して、機能強化・拡張するのを奨励する、ということが以前は謳われていましたが、その項目が削除されたということです。もう、アドビAcrobatのサードパーティはお役ご免らしいですね。

でも、こういう変更して、日付が2004年11月のままとは?過去に遡って方針変更するてことかな?

この本についての節(1.1About This Book)の、次の段落は、もちろん、残っています。

This book provides a description of the PDF file format and is intended primarily for developers of PDF producer applications that create PDF files directly. It also contains enough information to allow developers to write PDF consumer applications that read existing PDF files and interpret or modify their contents.

この段落が削られたら、その時は、PDF ReferenceがPDF開発者の聖書ではなくなる時です。Microsoftもそうですが、米国のソフトハウスは、基本的な方針転換を平気でやるので、注意しなければならない、と思っています。

1.2節にPDF 1.7での新機能が紹介されています。

1.2.1 3次元の作品の表示機能

オリジナルの3次元作品やJavaScriptを使わずに表示制御ができます。3次元の作品を後で適切に見せるための3次元の見栄えについてのマークアップ注釈ができます。アニメーションの制御ができます。

1.2.2 対話機能について

テクニカル・コミュニケーション(TC)とレビュー向け、リーガル設定向けのマークアップ注釈を強化しました。

具体的には、TC用としては、多角形、折れ線についてのマークアップ注釈で、次元、単位、拡大縮小などを意図する機能を追加、など。

リーガル向けでは、用紙選択、印刷処理、ページ範囲などの印刷特性のためのビューア設定の注釈を追加。

1.2.3 アクセシビリティ

TaggedPDFの次のような強化でページ内容の種類の役割を認識できます。
・フォームフィールドの役割
・表の要約の提供
・ページ全体の背景色などの背景の識別
・ウオーターマークやヘッダ、フッタの識別

(つづく)

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック