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2006年06月18日

XSL-FOによるXMLのPDF化 (11) XSL Formatter開発の経緯(続)

さて、そうこうしているうちに、SGMLをもっと簡単にしたXML仕様が提案され、1998年にW3Cの標準仕様となりました。

XML仕様は、プログラムを実装する立場からみてもSGMLよりもかなり簡単になっています。SGMLは理想としては良いものの、実装したツールが数少なく、しかも高価になっていたことが普及の妨げにもなっていました。XMLの登場によって、いままでなかなか普及しなかったSGMLに代わってXMLが普及していくことが予想できます。

2006年06月15日 XSL-FOによるXMLのPDF化 (8) XSL-FOの歴史にも述べましたが、XMLの仕様が策定されるのとほぼ同時に、XMLにスタイルを与えて印刷するためのXSL仕様の策定作業が始まりました。

DSSSLのツール開発を見送って、次の機会を待っていた当社には絶好のチャンス到来ということになりました。

早速、XSLを実装することを計画し、1999年に開発をスタートしました。

XSL-FOの仕様が、W3Cの勧告になったのは2001年10月です。このタイミングで、うまく、XSL Formatter V2をリリースできました。この時、XSL-FOの仕様を実用的なレベルまで実装できていたのは、世界で、XEPFOPおよびXSL Formatterの3つ。

この3つのツールが市場の3強と目される状況は、5年後の現在でも変わっていないと思います。

4.XSL-FOの概要

XSL仕様は、開発中に、XMLのツリー構造を変換するためのXSL Transformation(XSLT)と、レイアウト対象オブジェクトの仕様であるXSL Formatting Object(XSL-FO)に分割されました。

4.1 XSLT
ドキュメントの印刷・PDF化においては、XSLTを使うことで、印刷対象となるXML文書にはない表紙や目次を、印刷の段階で自動的に生成したり、あるいは、索引を印刷段階で自動生成するなどの文書の自動処理を行うことができます。

DSSSLでも、このような前段の処理と、レイアウトされたオブジェクトをページアップするという組版処理に分かれています。DSSSLでは、前段のツリー構造変換をスキーマというプログラム言語を使って行います。

XSL Transformations 仕様書
オリジナル: XSL Transformations (XSLT) Version 1.0
日本語訳: XSL Transformations (XSLT) バージョン 1.0 

なお、XSLT仕様は、2006年6月にV2.0の勧告候補が出ています。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック