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2006年05月11日

PDFとフォント (28) フォント技術の将来

こうしてみますと、アウトラインフォントの技術については、アドビシステムズとMicrosoftがほとんどを握ってしまっているように思います。

アウトラインフォントを使う場合、困るのはフォントデータとラスタライザがセットでないと役に立たないということがあります。フォントデータの方は、フォントベンダがまだ沢山ありますし、ツールを使えば新しいフォントを作り出すことはできます。

問題はアウトラインフォントのラスタライザです。例えば、OpenTypeを例に取りますと、TrueTypeアウトラインと、CFF/Type2アウトラインの2種類があります。OpenTypeを可視化するには、その2種類のフォントのラスタライザが必要です。

OpenType の仕様書には、
---引用開始---
PostScript data included in OpenType fonts may be directly rasterized or converted to the TrueType outline format for rendering, depending on which rasterizers have been installed in the host operating system.
---引用終了---
OpenType Overview

と書いてあります。つまり、PostScriptアウトラインは、TrueTypeアウトラインに変換してラスタライズできると。これが事実ならTrueTypeのラスタライザのみで良いのですが。しかし、これは、多分近似的にできるということで、完全にはできないでしょう。3次元のベジエ曲線を2次元で表現するのは不可能なはずですから。

Windowsで文字を表示するのであれば、ラスタライザはMicrosoftとアドビが提供しているので問題ないのですが、Windows以外のOS、例えば、Linux、あるいは、もっと離れて、携帯電話などで表示しようとするとラスタライザがないということが大きな問題になると思います。

PDFにフォントを埋め込むと、表示環境にフォントがなくてもPDFを見ることができる、と言われます。しかし、PDFに埋め込まれているのはラスタライズした(可視化した)文字ではなく、フォントのアウトラインデータです。

従って、表示環境にラスタライザがなければ、PDFにフォントが埋め込まれているとしても、その文字を表示することはできません。

OpenTypeが普及した場合、上のことは相当に大きな問題で、Microsoftまたはアドビの協力がなければ、PDFを表示することができないということになりかねません。このあたり、将来、どうなるのか?不安を感じるところです。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (2) | トラックバック