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2006年04月26日
PDFとフォント(17) Type1 フォント
アウトラインフォントと言いますと、なんといっても、Type1フォントを筆頭に挙げなければならないと思います。
2005年11月24日 消え去るType1フォントを参照してください。そこに、Type1フォントの簡単な歴史を紹介しています。
一部繰り返しになりますが、Type1フォントは、次のようなものです。
・1980年代にアドビシステムズが、PostScript言語用のフォント形式として開発し、1985年アップルのレーザライターに採用されて普及した。
2005年11月03日 PDFの作成方法(2) – PostScriptの登場をご覧ください。
・Type1は、PostScriptでアウトラインフォントを効率的に表現したもの。PostScriptの仕様は公開されて、サードパーティがクローン製品を作ることができた。しかし、Type1フォントの仕様は公開されず、それらのクローン製品でType1フォントをラスタライズすることができなかった。
・Type1フォントは、印刷用に用意されたものでPSプリンタ用に使われた。
・1989年12月に出たATM(Adobe Type Manager:Type1フォントのラスタライザ)によって、初めてType1フォントをパソコンの画面やビットマップ・プリンタで出せるようになった。それに続いて、1990年3月にType1フォントの仕様が初めて公開された。Windows9x/ME、MacOS 8/9で、Type1フォントを表示するにはATMが必要。
・Windows2000以降、アップルのMacOS X以降では、Type1フォントのラスタライザが標準搭載されているのでATMは不要になった。
・Type1フォントは、グリフのアウトラインデータを収録したPFB(Printer Font Binary)ファイルとフォントのメトリック情報を集録したファイルのペアで使う。このためフォントファイルがOS独立でない。
- Windowsの場合は、PFM (Printer Font Metrics)ファイル
- UnixなどではAFM(Adobe Font Metrics)ファイル。
Type1フォントは、このような特徴をもちパソコンのアウトライン・フォントの草分けとして大きな影響を及ぼしました。しかし、アドビシステムは、既にType 1フォントの販売を終了しています。
他のフォント・ベンダもType1フォントの販売を終了しつつあるようです。このようにType1フォントの重要度は、歴史的な存在になりかけているようです。
※参考資料
"TrueType, PostScript Type 1, & OpenType: What’s the Difference?"Thomas W. Phinney