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2005年11月03日

PDFの作成方法(2) – PostScriptの登場

PDFの作成方法のひとつめは、PostScriptファイルを経由してPDFを作成する方法です。第一段階でPostScriptプリンタ・ドライバでPostScriptファイルを作成し、第二段階で、PostScriptファイルからPDFへの変換を行う方式です。

さて、「PDF千夜一夜」でPostScriptという単語がでてきたのは3回目になります。そこで、少し回り道して、PostScriptとはなにかについて簡単に説明しましょう。

回り道が長くなるかもしれませんが、今日の話は、PDFが生まれる前の歴史、いわば前PDF時代のことになります。

プリンタの一種にレーザプリンタがあります。私が初めてレーザプリンタを買ったのは1987年頃だったと思います。アップルのMacintosh Plusに接続するもので、名前はLaser Writerと言い、確か100万円位したものです。それも当時は日本語が使えませんでした。

ここに写真と説明があります:
http://www.mac512.com/lw.htm

Laser Writerはページプリンタの一種ですが、ページプリンタは次のような働き方をします: A4、B4など大きさの決まった用紙の1ページ分に印刷する内容のイメージをプリンタ内のメモリに形成し、そのイメージをプリンタのドラムに転写し、ついで紙に焼き付けます。簡単にいうと複写機のプリンタ版ですね。

ページプリンタでは、用紙1ページの上に描画する内容を、ページ記述言語という言語を使って記述します。主要なプリンタメーカは、それぞれ独自のページ記述言語をもっています。エプソンのESC/Page、キヤノンのLIPS、ヒューレット・パッカード(HP)のPCLなどが有名ですね。

プリンタで印刷するページの内容を作り出すのはパソコンです。パソコン側では、ユーザが画面を見ながらページアップした結果を、相手のプリンタがどこのものかによって、ESC/Page、LIPS、PCLなどの中で適合する言語を使って組み立て直して、プリンタに送信します。プリンタ側ではその情報を受け取って、プリンタに埋め込まれたコンピュータで解読してページのイメージを作り出すわけです。

PostScriptというのはアドビシステムズが開発したページ記述言語の製品名です。最初にアップルがMacintoshのLaser Writer用にPostScriptを採用しました。これは、Macintoshの上で動く、PageMakerというページアップ・ソフトとともに売り出されて、大人気となり、DTPという概念を作り出したわけです。件の100万円のプリンタもDTPをするために購入したものなんです。

PageMakerは、1985年にアルダス社が発売したものですが、1994年に、アドビシステムズがアルダス社を買収したことにより、現在は、アドビシステムズより販売されています。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック