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2006年03月16日

PDFとフォント(6) 和文フォント、Open Typeの Naming Table

和文フォントのファミリーについて、OpenTypeの仕様と照らし合わせながら少し詳しく調べてみましょう。

OpenTypeのファイルには、そのフォントを利用するアプリケーションのために様々なデータの表が収容されています。フォントの名前などは、Naming Table という表にまとまっています。

ちなみに、ttfdump.exeHeiseiKakuGoStd-W3.otf平成角ゴシック Std W3)のNaming Table の内容を見てみました。

Naming Tableには、ひとつのフォントファイルを幾つかのプラットフォーム(OS)で利用するために、名前も一種類ではなく、複数のプラットフォーム用の名前のデータがあります。そして、このフォントでは、次の4つのプラットフォーム用のデータがあることが分かりました。

(1) Macintosh英語用
Platform ID: 1 (Macintosh)
Specific ID: 0 (Roman)
Language ID: 0 (English)

(2) Macintosh日本語用
Platform ID: 1 (Macintosh)
Specific ID: 1 (Japanese)
Language ID: 11 (Japanese)

(3) Windows英語用
Platform ID: 3  (Windows)
Specific ID: 1 (Unicode)
Language ID: 1033 (英語)

(4) Windows日本語用
Platform ID: 3  (Windows)
Specific ID: 1 (Unicode)
Language ID: 1041 (日本語)

平成角ゴシック Stdの場合、MacintoshとWindowsのふたつのOSの、それぞれ英語モード、日本語モードで使えるように、4種類の名前のデータを別の符号化方式で持っているということになります。

逆にいうと、このフォントはLinuxなどの他のOSでは公式には使えないってことなんでしょうか。

さて、Naming Table には幾つかの見出し項目(Name ID)があります。その中で関係しそうなものを拾って見ますと、次のようになります。

Name ID 意味
1 Font Family。最大4つのフォントが同じFont Family名を共有できる。4つでregular, italic, bold, bold italicというフォントファミリーを形成する。
2 Font Subfamily。Font Subfamily名はID 1で同じファミリーに分類されるフォントをさらに細かく区別する。
4 Full font name。ID 1とID 2を結合したもの。但し、ID 2でregularの時のみファミリー名のみを使う。
6 PostScript name
16 Preferred(優先)Family。歴史的な理由でフォントファミリーは最大4つのスタイルを含んでいる。優先ファミリーを使うことでデザイナは4種類以上のスタイルをグループ化することができる。ID 1と異なる場合のみ存在する。
17 Preferred(優先)Subfamily。ID 2よりも細かい分類をすることができる。ID 2と異なる場合のみ存在する。また、優先サブファミリーの中ではユニークでなければならない。

フォントファミリーの基本は、regular, italic, bold, bold italicの4種類がひとつのセットなんですね。そうして、もっと多数のフォントをファミリー化するには、優先ファミリー名と優先サブファミリー名を使うということになっているようです。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (2) | トラックバック