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2006年01月08日

日本語の表記は世界で最も難しい?

”The Story of Writing” (Andrew Robinson著、Thames & Hudson Ltd.、ISBN0-500-28156-4, 1995年発行)と言う本は、考古学の対象になる古代の文字から、現代の主な文字と表記法について、350点の写真を交えて解説しているとても楽しい本です。

その中で、第12章が日本の表記法の説明になっています。10数ページに渡る説明がなされているのですが、その中で、日本の表記法が「世界で最も複雑」という表題が付いています。

日本語表記が世界で一番複雑という見出し
JapaneseWriting.PNG
※The Story of Writing, p.205より

この中では、次のような日本語の表記の特徴を挙げています。

①日本語は中国語とはまったく違う言語なのに、表記に中国から渡ってきた漢字を応用している。

②漢字には、日本独自の音読みと、中国伝来の訓読みがあり、二通りの読みを使い分けている。

③日本人は漢字をもとに、50音を表記するひらがなを発明した。その上で西欧の言語が、アルファベットで表記するように、ひらがなだけで書けば良いのにわざわざ、漢字かな混じり文で表記している。

④ひらがなとカタカナの2種類の音節文字表をもっている。そして日本人は、用途に応じて、ひらがなとカタカナを使い分けている。

⑤1980年代には、ローマ字表記のアルファベットが、広告を通じて日本の表記法に広がった。最近の日本人は、ローマ字表記も使い分けている。

⑥普通の日本人は2,000種類の漢字を覚えているが、5,000種類もの漢字を覚えないと教育レベルの高い人とは言えない。

などなど。

日本語の表記の難しさを説明した上で、コンピュータ化の必要性が高まるにつれて、いつの日か漢字を捨てるに違いない、などと書いています。

外国人から見ますと、このように日本語では様々な文字を混在させ、しかも同じことを表記するのに、用途に応じて複数の文字を使い分けた表記ができるのは奇跡的に見えるようです。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (5) | トラックバック