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2005年11月26日
Office12 のPDFサポート (2)
Microsoftのブロガ達のOffice12のPDFサポートに関する発言を拾ってみました。
Brian Jonesさんは、Officeのファイル・フォーマットに関するエバンジェリストです。10月1日Office12のPDFサポート解禁で発言があり、多数のコメントがありました。これに対して、10月2日と4日に質問のいくつかに回答しています。
10月7日よりCyndy Wesslingさんが新しいブログを始めています。CyndyはOffice12のPDFサポートに直接携わった人でPDFに1年を費やしたとのこと。
ざっと、情報を拾ってみました。
■Brian Jones: Office XML Formats
○10月1日 Native PDF support in Office 目新しい情報なし
○10月2日 # re: Native PDF support in Office "12" (コメントへの回答)
・出版(公開)シナリオのみで、PDFを読み込むことはしない。
○10月4日 Follow up on questions around PDF support in Office "12" (part 1 of many)
①タグ付きPDFをサポートは、InfoPath、Access、OneNoteを除き、text flow、 ALT textとUnicode textをサポートする。特別なセマンティックスなし。
②プリンタ・ドライバを使わずに直接PDFを書く。その理由は、内部リンク、外部リンクなどの対話性、透明やグラディエントの品質向上。
③Publish(出版)のみで、PDFビューアも読み込みもサポートしない。
④フォントの埋め込みはサポートするが、一般にはアウトライン化はサポートしない。
■Cyndy Wessling: Save as PDF in Office "12"
□10月7日 Save as PDF in Office "12"
①PDFをネイティブに生成する(プリンタ・ドライバではない)
②設定は標準と最小サイズ設定の2種類。但し、Publisherは商業印刷設定ができる。
③内部ハイパーリンク、外部ハイパーリンクをPDFに保存
④タグとアクセシビリティは、読みの順序、画像と画像化したテキストの代替テキスト、非標準グリフのUnicode表現する。
⑤ブックマーク(しおり)を出力する。
⑥文書のメタデータを出力する。
概ね、予想の範囲ですが、ブログの発言へのコメントやMicrosoftの人間の発言を読むと、タグ付きPDFによるアクセシビリティへの配慮が大きな課題になっていることがわかります。
あとひとつ気になったこととして、Cindyのプロフィールに、Microsoftで8年働いていて、現在はプログラム・マネージャ。PDFに1年ほど携わったと書いてあります。そうすると、PDF出力機能を1年で作ったことになります。
果たして、ネイティブPDF生成ライブラリーをスクラッチで開発して1年でできるだろうか?PDFは仕様がオープンなので誰でもできるとは言っても、それなりの開発工数がかかりますからね。
例えば、Officeはタイ文字、アラビア文字、デバナガリ文字などをサポートしています。PDFでこういうものをサポートしようとするとWindowsがやっていることと同じことをPDF生成ライブラリーで独自にやらねばなりません。他にも、高度なPDFを作るにはやらねばならないことは山ほどあります。1年じゃ無理じゃないのかなあ。そうするとどうやって作ったんだろう?
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