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2005年11月04日

PDFの作成方法(3) – PostScriptファイルを作る

DTPはMacintoshと共に、華やかに登場し、大人気となりました。それを支えたのがPostScript技術ということになります。アドビシステムズは、アップル以外の多くのプリンタメーカに対してPostScript技術を供給したことで、PostScriptは1990年代には高級なレーザプリンタ向けのページ記述言語として標準的な地位を占めるようになりました。

それだけではなく、さらに高品質が要求される印刷分野では、ほぼ独占的な地位を占めるようになり、ひいては印刷業界の仕事をがらっと変えてしまったわけです。

そして、Macintoshで始まったDTPの波はWindowsにも押し寄せました。

Windows上で動くアプリケーションからPostScriptプリンタを使って印刷するときは、ユーザがページアップした結果は、プログラム内部でPostScript言語で記述されて、プリンタに送られます。

この役割を負うのがPostScriptプリンタ・ドライバです。上述のようにPostScriptが高級DTP分野で事実上の標準になっていることから、Windowsには標準的なPostScriptプリンタ・ドライバが同梱されていますし、また、多くのプリンタメーカから各社専用のPostScriptプリンタ・ドライバを提供しています。また、Acrobatを含め、アドビの製品には同社製のPostScriptプリンタ・ドライバが付いています。

アプリケーションの印刷メニューは、普通、プリンタで紙に印刷する時に使うのですが、プリンタに出力する代わりに、PostScriptプリンタ・ドライバでファイルに出力するとPostScriptファイルができます。PostScriptをファイルに出すことで、印刷会社などとのデータ交換ができるようになります。

具体的には、次の図のように「ファイルへ出力」にチェックします。
GenPS-File.jpg

なお、Windowsの「印刷ダイヤログ」で表示される、プリンターの名前は、分かりやすい名前をつけることができますので「PostScriptプリンタ・ドライバ」とは書いてないこともあるかもしれません。

PostScriptファイルは、プリンタ・ドライバを使わないで直接作ることもできます。アドビシステムズはPostScriptの言語仕様を公開し、第三者の開発者がいろいろなアプリケーションを開発することを奨励しました。そこで、パソコンのいろいろなアプリケーションからPostScriptファイルを出力することができるようになりました。また、Unixでは、PostScriptファイルでドキュメントを流通させる習慣がありましたので、古いWebでは資料をPostScriptファイルで公開しているケースもあります。

このようにして、前PDF時代には、PostScriptファイルが、大量に作られて、流通していました。

【参考】
日本印刷とDTPの歴史について
澤田善彦 著作集:印刷100年の変革

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック