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2005年11月05日

PDFの作成方法(4) – PostScriptからPDFへ

昨日お話しましたように、PostScriptファイルがアプリケーションから独立したデータとして流通するようになってきました。しかし、PostScriptファイルには問題もあり、データの交換・共有をもっと簡単にする方法が望まれていたのです。

PostScriptは、出力するのは比較的簡単ですが読むのはとても大変です。加えて、紙への印刷用の一方的出力のために設計されたものですので、例えば画面に表示して、内容をナビゲーションしたり、注釈をつけたりする機能もありませんでした。

PostScriptを元にして、さらにデータを交換する形式として適切なように、またナビゲーションなどが簡単にできるように設計されたのがPDFです。そして、PostScriptをPDFに変換するプログラムとしてAcrobat Distillerが用意されました。

Acrobat Distillerを使うと、PostScriptファイルをPDFに変換することができます。(次の図)

Distilling.jpg

PostScriptファイルには、1ページ毎に、その内容をPostSript言語を使って記述した命令情報が入っています。この命令情報をPostScriptインタープリターというプログラムで解読して、ページの内容を描画していきます。プリンタメーカ各社から出ているPostScriptプリンタには、このPostScriptインタープリターが搭載されている訳です。このPostScriptインタープリターを開発するのは相当に大変です。

しかし、PDFではプログラム言語的な要素が取り除かれているので解読するのは比較的簡単になっています。

アドビのAcrobat Distillerは、プリンタ用のPostScriptインタープリターをベースにして作られているのではないかと思います。

ところで、distillというのは英語で蒸留するという意味なんですが、 Distillerを使ってPostscriptからPDFへの変換することを、distillと表現する人もいます。こんな具合ですね:

In the distilled version, there is... This is using Acrobat 6 for distilling.

これは、一般にも通じる表現なんでしょうか?それとも業界人だけの言葉なんでしょうか?

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック