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2012年09月19日

PDF/Xファミリについて

しばらく前に、デジタルドキュメントの長期保存のための仕様 PDF/A(ISO 19005)のファミリについて記載しました。
今回は印刷用データの交換を目的としたPDF/Xのファミリについて書いてみたいと思います。

PDF/Xの仕様は、ISO 15930で規定されています。
ISO 15930は複数のパートからなるマルチドキュメントで、各パートがPDF/Xファミリのメンバを定義しています。

  • ISO 15930-1:2001(PDF/X-1、PDF/X-1a)
  • ISO 15930-3:2002(PDF/X-3)
  • ISO 15930-4:2003(PDF/X-1a)
  • ISO 15930-5:2003(PDF/X-2)
  • ISO 15930-6:2003(PDF/X-3)
  • ISO 15930-7:2008(PDF/X-4、PDF/X-4p)
  • ISO 15930-8:2008(PDF/X-5g、PDF/X-5n、PDF/X-5pg)

※ IOS 15930-2はPDF/X-2ですが、公開されませんでした。また、上記の中には、改定版が発行されて、新版では年号部分が変わっているものもあります。

PDF/XはPDFの仕様に定められる機能のそれぞれについて、使用することを必須とする、使用することを禁止する、あるいは、なんらかの制限を加えて使用を許可する、ということを定め、印刷用のデータ交換が確実に行えるようにするものです。
わかりやすい例を挙げれば、上記のファミリ全体を通じて、フォントはかならずファイル内に埋め込み、受け取った側にそのフォントが存在しなくても、渡した側と同じ内容の印刷が行われることを保証できるようにしています。

各メンバの特徴を簡単に見てみます。

PDFには、各種バージョンが存在し、バージョンがあがるごとに機能が追加されています。PDF/Xの各メンバも、その規格のベースとなるPDFのバージョンを持っています。

PDF 1.3をベースとする規格
  • ISO 15930-1
  • ISO 15930-3
PDF 1.4をベースとする規格
  • ISO 15930-4
  • ISO 15930-5
  • ISO 15930-6
PDF 1.6をベースとする規格
  • ISO 15930-7
  • ISO 15930-8

PDF/Xの仕様内でComplete exchange(あるいは Blind exchange)と呼ばれるものがあります。これはデータ交換において、1回のファイル交換に、必要なすべての情報が含まれていることを意味しています。
たとえば、印刷データをPDFを渡し、その中のあるページの画像は別途送ります、というようなケースは Complete exchangeではありません。
PDF/Xは基本的には Complete exchage を要求しますが、以下のものは、一部のデータを外部におくことを認めた規格です。

  • PDF/X-2
  • PDF/X-4p
  • PDF/X-5g
  • PDF/X-5n
  • PDF/X-5pg
次に使用できるカラースペースの観点からの分類ですが、PDF/X-1およびPDF/X-1aで使用できるカラースペースはCMYK(およびグレースケール)となります。その他の規格は、(細かい制限はありますが)RGB,CMYK,グレースケールが使用可能となっています。

以上、PDF/Xファミリについて紹介してみました。

PDF、そのほか、各種ご相談はアンテナハウス システム製品技術相談会まで

2012年09月20日

PDF/X-4とは

前回のPDF/Xファミリの紹介に続いて、PDF/X-4の概要を記載します。

PDF/X-4は 2008年に国際標準となっています。ベースとしてPDF 1.6を採用し、PDF 1.6の機能内で使用可能な項目を定義することで、印刷用データの交換形式を定めるものです。

PDF/X-4は 2008年に国際標準となっていますが、その後、2010年に改訂が加えられ、Second Edition が発行され、こちらに置き換えられています。

PDF/X-1aおよびPDF/X-3で利用可能な特徴をすべて組み込み、さらにベースがPDF 1.6となっていますので、PDF/X-1a、PDF/X-3のベースであるPDF 1.3やPDF 1.4以降に追加された機能が使用可能となっています。

PDF/X-4は、フォントを埋め込まなければならない等の制限は、PDF/X-3と同様ですが、ベースがPDF 1.6にあがることにより、以下の機能が使用できます。

JPXDecodeフィルタの許可(JPEG2000画像で使用される圧縮方法が使用可能となり、画質をさげずに圧縮率をあげることができます)。

Optional Content使用の許可(これはAcrobatではレイヤーと呼ばれている機能の実装にも使われています)

また、下記はいずれもPDF 1.4で追加された機能ですが、PDF 1.4をベースとするISO 15930-4(PDF/X-1a)、15930-5(PDF/X-2)、15930-6(PDF/X-3)では禁止とされていました。PDF/X-4では、これらの使用が認められています。

JBIG2Decodeフィルタの許可(モノクロ画像用の圧縮方法で、従来の圧縮方法より、圧縮率をあげることができます)


透明使用の許可


この規格内にはPDF/X-4のほかに、PDF/X-4pと呼ばれる準拠レベルが定義されています。こちらは、使用するカラーに関するICCプロファイルをPDFファイル外に置くことを許可したものです。このため、前回説明した Complete exchage ではなくなります。

これはICCプロファイルを埋め込むことによりサイズが増加することを回避する、という理由のほかに、ICCプロファイルの埋め込みが禁止されていて、PDF/X-4が採用できないケースへの対応のようです。
この規格内では、特別な理由がない限りPDF/X-4pではなく、PDF/X-4を優先せよと述べられています。

以上、簡単にPDF/X-4についてまとめてみました。

PDF、そのほか、各種ご相談はアンテナハウス システム製品技術相談会まで

2012年09月21日

引用符について

AH Formatter での引用符の扱いについて、簡単に紹介します。

引用符とは、U+0022 " や、U+201C “ U+201D ” などの文字です。 Unicode では文字をクラス分けしていて、引用符は QU というクラスに分類されています。 引用符は、"Hello" のように対で使われるため、開きと閉じが存在します。U+0022 は、開きと閉じで同じ文字が使われるので、その区別がありませんが、“Hello” のように、U+201C と U+201D を使った場合は、明らかに U+201C が開きで U+201D が閉じです。

Unicode では、行分割の規則も定めていて、QU の前後では分割不可などとなっています。しかし、開きと閉じがわかっている場合に、この規則を適用してしまうのはうまくありません。Unicode では、「言語の情報があれば、QU の引用符が開きか閉じか判定して、OP または CL として扱うとよい」と言っています。OP は開き括弧で、CL は閉じ括弧です。

これはどういうことでしょう。なぜ U+201C を始めから OP に分類しないのでしょう。 答えは、U+201C は言語によって閉じ側になり得るからです。 U+201C や U+201D などのように、向きのある引用符は、主にヨーロッパの言語によって扱いを変える必要があるのです。 EU は、公文書規則を公開していて、そこの各国語の 6.4. Word-processor punctuation marks and spacing(英語の場合)に引用符等の規則がまとめられています。 Wikipedia にも引用符に関する項目があります。 日本語英語

これらを、二重引用符とギュメ(U+00AA、U+00BB)についてざっと整理すると、次のようになります。

言語EUWikipedia
afAfrikaans    „  ” 
beBelarusian    „  “«  »
bgBulgarian „  “  „  “ 
csCzech „  “  „  “»  «
daDanish  »  « „  “»  «
deGerman „  “  „  “»  «
elGreek “  ”«  » “  „«  »
enEnglish “  ”  “  ” 
esSpanish “  ”«  » “  ”«  »
etEstonian „  ”  „  “«  »
fiFinnish ”  ”  ”  ”»  »
frFrench “  ”«  » “  ”«  »
gaIrish “  ”  “  ” 
hrCroatian     »  «
huHungarian „  ”»  « „  ”»  «
isIcelandic    „  “ 
itItalian “  ”«  » “  ”«  »
ltLithuanian „  “  „  “«  »
lvLatvian “  ”  „  “«  »
mtMaltese “  ”    
nlDutch „  ”  „  ” 
noNorwegian    “  ”«  »
plPolish „  ”»  « „  ” «  » or »  «
ptPortugese “  ”«  » “  ”«  »
roRomanian „  ” or “  ” «  » „  “«  »
ruRussian    „  “«  »
skSlovak „  “  „  “»  «
slSlovenian „  “  „  “»  «
sqAlbanian    “  „«  »
srSerbian    „  “»  «
svSwedish ”  ”  ”  ”»  »
trTurkish    “  „«  »
ukUkrainian    „  “«  »

AH Formatter は、向きのある引用符については言語情報から適切な向きを判断し、括弧類と同じに扱って組版を行ないます。

U+0022 のように、向きのない引用符に対して、AH Formatter は次のようにしてなるべく開きと閉じの区別を付けて組版を行ないます。

  • 文字列頭の向きのない引用符は、OP とみなす。
  • 文字列末の向きのない引用符は、CL とみなす。
  • 文字列中の向きのない引用符は、直後が空白でなく直前が空白なら OP とみなす。
  • 文字列中の向きのない引用符は、直前が空白でなく直後が空白なら CL とみなす。

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