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2008年07月06日

PDFの将来を考える(5)紙にマルチメディア?

Acrobat 9では、PDFにマルチメディア機能を統合したり、Officeのネイティブ形式を結合したり、あるいは、AcrobatやAdobe Readerを使ってのWebサービスなど、電子の紙の範囲からかなり離れた機能を強化しているというお話をしました。

アドビシステムズやマイクロソフトは、現時点では、圧倒的な市場支配力を持っており、市場の方向性にかなり大きな影響を与えることができると思います。しかし、本当に、PDFにマルチメディアを統合することがユーザにとって良いのでしょうか?

どうも、違うと思えてなりません。なぜかと言いますと、PDF自体、電子機器の画面に表示するのはかなりの無理があります。

一番、分かりやすいのは用紙サイズの概念です。PDFは紙への印刷を暗黙に想定しているため用紙サイズの概念を持つメディアです。これが、良くも悪くもPDFの性質を決定付けています。

ページの概念も用紙の概念も、皆、紙であるところから派生しているもの。

ところが、コンピュータのディスプレイは紙ではなく、用紙サイズの概念はありません。Webブラウザの成功、ハイパーリンクも紙の世界では起こり得なかったことです。

現在、携帯電話がインターネットの端末として、PCを超えた主流になろうとしていますが、そこで一番困るのはPDFの扱いです。ただでさえ、携帯電話の世界では取り扱いしにくいPDFをベースとしてマルチメディアを統合してしまうと、携帯電話などではますます困ることになると思います。

マルチメディアはPDFに統合しないで、直接携帯電話などの画面で表示するようにする方がずっと良いのではないかと思います。

むしろ、PDF自体もっとシンプルにして、携帯電話を含む様々な媒体で簡単に表示できるようにする方がより適切な方向ではないのでしょうか?

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (2) | トラックバック