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2008年06月25日
PDFの将来を考える
「PDF千夜一夜」をスタートしましたのは、2005年10月です。1000日と言いますと、約3年弱に相当しますが、もう残りわずかとなりました。時が過ぎていきますのは、本当に速いものです。
そこで、そろそろ最後のまとめということで、少し将来の展望について考えてみたいと思います。
将来の展望と言いますと、どうしても避けて通れないのが、日本の財政赤字と年金の問題と思います。「PDF千夜一夜」は企業ブログなのに、財政だの年金だのを持ち出すのは、少し、飛躍しすぎではないかと思われるかもしれませんが。我慢して聞いてください。
財務省のデータによりますと、2008年3月末時点で、国債と借入金の残高は849兆円、政府保証債務残高は47兆円で合計896兆円となっています。
この債務の多くは国債です。国債を購入しているのは銀行・保険会社・かんぽ生命保険などと思われますが、その原資は家計の金融資産といわれています。金融資産残高は2006年末で1,536兆円あります。これまでは家計の金融資産が潤沢でしたが、団塊の世代の引退にともない、家計貯蓄などの取り崩しが始まり、これが減少することになります。
国債の発行残高はまだ増えていく見通しになっている一方、家計貯蓄が取り崩しされて減少していけば、いつか国債残高を支えきれなくなります。最近は短期国債が増えていますので、短期間で国債の借換が行なわれますが、その際、新しく赤字・借換国債を発行しても、その買い手がいない状態が発生します。そうなりますと、国債を償還することができなくなりますから、国債の多くを保有する銀行や保険会社は倒産の危機に瀕することになります。
1997年から1998年に起きた金融危機よりはるかに大きな危機となるでしょう。まあ、このあたりは大雑把で、かなり論理が飛躍しているかもしれませんが、大筋は間違っていないはずです。
そうなりますと、弊社のような小さな民間企業を含め日本のすべての企業の経営も重大な危機に直面することになります。これが、かなり先であれば、いまから、そう心配することもないのですが、私的には、恐らく、今後5年から10年の間に危機が来るのではないかと予想しています。
PDF千夜一夜の3年間があっという間に過ぎ去ったように、5年というのはあっという間に過ぎてしまいます。いまから相当真剣に対応策を考えなければなりません。
年金についても、会社の運営には大きな影響があります。現在、年金の負担額がサラリーマンを中心に増えつつあります。一人一人で見ますと、その増額をなかなか肌身に感じられないかもしれませんが、大勢の分が集まりますとかなりの金額になります。年金はご承知のように、社員負担分と会社負担分が半々になっていますので、会社が負担する年金の合計額は半端ではありません。この増加を見ていますと、年金負担の増額が会社の経営に与える影響に対しても深刻に考えざるを得ません。
ということで、この先5年位は、大パニックの到来にどう備えるか?というのが大きな経営テーマになるでしょう。
「それがPDFとどういう関係があるのか」って?それがちゃんと関係あるんですよ。ということで続きはまた別途。
投稿者 koba : 2008年06月25日 08:00
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コメント
昨日、リチャード・クー氏の最新刊「日本経済を襲う二つの波―サブプライム危機とグローバリゼーションの行方 (ハードカバー) 」を読みました。
クー氏は、バランスシート不況下では、GDP縮小を避けるため財政発動しかないと言う意見。しかし、困るのは、政府財政赤字は借金であって、国民が返さねばならない約束のもとにあるということなんですね。
投稿者 小林 : 2008年07月07日 08:52
もう海外移住しかないでしょ。企業やってる人はビザ取りやすいからうらやましいです。自民党はいよいよ相続税のとてつもない増税を検討しているようで、どうせ実家も国に取られるし、それならば相続税のない国、安い国に移住したほうが子供や孫の幸せのためです。ニュージーランドかオーストラリアはどうですか?
投稿者 KL : 2008年07月07日 01:03