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2008年06月27日
PDFの将来を考える(3) PDF(電子文書)税案について
昨日のブログをお読みになって、
・え~~!PDF(電子文書)税って一体なに?
・PDFを作ると税金が掛かるなんて、許せない!
など、様々な感想を持たれたことと思います。
そこで、ここで提案しました、新税構想について、簡単にまとめてみます。
1.名称
PDF(電子文書)税 (案)(国税の一種類とする)
2.目的
・国税など法で要求する帳票や書類の保存では書面(紙)による保存が原則になっています。PDF(電子文書)税により、PDFを中心とする電子文書の保存に紙と同等の法令適合性を保証します。
3.方法(一案)
・例えば税務署は、各納税者に納税者電子証明書を発行する。
・各納税者は、請求書、領収書、その他取引関係の書類をPDFで作成したとき、納税者電子証明書で署名をすることができる。
・納税者電子証明書で署名されたPDFは、法令上紙と同等と看做す。
・納税者電子証明書で電子署名を施したPDFには、固有番号を付与するとともに、本体金額、消費税額などの情報を国税庁は電子的に収集する。
・納税者電子証明書による電子署名は1回あたりx円の税を徴収する。
というものです。具体的な方式は、もっと検討する余地があると思いますが。
なお、この新税の導入に伴い、現行の電子帳簿保存法は廃止します。
【新税案の背景説明】
現在、PDFを始めとする電子文書は、電子帳簿保存法により保存が義務付けられているにも関わらず、国税関係の書類として看做されないなど非常にあいまいな状態になっています。
また、紙で作成された国税関係書類をスキャナでPDF化したとき、それを国税関係書類として認めてもらうには、一定の要件を満たした上、税務署長に申請して許可を得なければなりません。これは平成17年のe文書法の施行とともに施行された改正電子帳簿保存法で定められましたが、実際は、国税当局が非常に厳しい運用をしているため、申請が認められたのが、全国で3年間で10件以下しかない(?)と聞いています。
この場合でも、記載された金額が3万円以上の領収書は、スキャナ保存が認められません。
このように、電子文書の利用に対して、非常な制約が掛けられているため、紙から電子化に移行できないという大きな問題が生じています。
この理由は、国税庁が電子文書を信用していないためと考えられます。これは、電子文書に収入印紙を張る必要がない理由を述べた、小泉元首相の次の国会答弁からも推測できます。
「印紙税は、経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求める文書課税であるところ、電磁的記録については、一般にその改ざん及びその改ざんの痕跡の消去が文書に比べ容易なことが多いという特性を有しており、現時点においては、電磁的記録が一律に文書と同等程度に法律関係の安定化に寄与し得る状況にあるとは考えていない。」
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/162/touh/t162009.htm
そこで、本税制では、PDFで作成された文書に納税者電子証明書による電子署名を施すことで、電磁的書類の安定化を図り、国税の書類としても認めることで、書類の保存における電子化を進めることを狙いとします。
その書類の安定化の代償として、電子署名ごとに何がしかの税を支払うことにするというものです。
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