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2008年05月18日
PDF/Aの妥当性検証について
PDF/AのISO仕様について、仕様が決定される前に、ベンダ参加のテストが行われなかったため、仕様ができてから修正が必要になるなどの問題があったということを以前にお話しました。
これについて、ISO(?)でPDF/Aのテスト・スイート(テスト用のデータセット)を作ろうというプランがあるようです。PDF/A-2に備えてのことと思いますが。
現在、ドイツのPDF/A Competence Centerが第一候補のようですが、米国のNISTになる可能性もあるようです。
これに関連して、PDF/A Competence CenterにPDF/A準拠テストに関する簡単な資料が公開されました。
ざっと読んでみました。
・PDF/Aの妥当性検証は、ISO標準だけではなくて、2次仕様への準拠度も対象になる。
・現在のところ、参照にできる実装はない。
・PDF/A準拠は、ベンダ側に大きな努力が必要だ。
・PDFのライフサイクルとの関係
1)作成時。様々なソース形式からPDF/A準拠のPDFを作成する段階
2)修正時。PDF/A準拠になるようにPDFを修正する。
3)処理時。PDF/Aを変更した後でもPDF/A準拠になるように。
4)表示。単純にPDF/Aファイルを表示するだけでは不十分だ。
5)妥当性検証
・現在、妥当性検証をするツール:8種類ほどリストアップ
・PDFの妥当性検証の側面
1)カバー範囲: 標準のすべてをカバーする妥当性検証
2)深さ: フォントの場合なら、TrueType、OpenTypeの仕様との整合性、ICCカラープロファイルとの整合性、XMPなら、その元になっているRDFやさらにはXML、名前空間仕様との整合性検証を行う。
・PDF/A Competence Centerの技術作業委員会(TWG) はテスト・スイートの作成を準備している。
・次の手続き:テスト手続きの形式化、独立したテスト機関によるテスト、テスト・スイートを使って公式に検証ソフトを認定する。
ところで、この文書(英語版)ですが、英語なのに、ドイツ語方式の引用符の使い方をしています。
こんな感じ:
面白いですね。