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2008年02月08日

Page2008 トークショウ「コンピュータ組版の軌跡2」(2)

1970年代のコンピュータ組版の話を読みますと、コンピュータの計算能力が足りないのと、ディスプレイや出力機などの適切な周辺機器がなかったことで、大変な苦労をしていることが良くわかります。

1980年代になって、ビットマップディスプレイやレーザプリンタが登場したことで、コンピュータ組版はがらっと様変わりしたようです。

次は、組版言語の進歩です。
【凸版印刷におけるCTS開発】
  http://www.jagat.or.jp/story_memo_view.asp?StoryID=10739 

には、凸版印刷で、TCL(Toppan Composition Language)を作ったという話が出ています。詳細は知りませんが、組版用の言語ということは、今のXSL-FOの先駆けのようなものでしょうか?

小野沢さんのお話では、1986年のTechDocコンファレンスで、GenCodeというSGMLの前身のマークアップ言語が出ていたとのことです。

1980年代に、PostScritのようなページ記述言語(PDL)が登場する一方で、マークアップ言語で、コンテンツとレイアウトを分離する技術が登場してきているのが面白いことです。

GenCodeという名前は、私は初めて聞きました。そこで、少し調べてみました。以下は、 トークショウとのお話ではありませんが。

GenCodeという名前は、SGMLの歴史の中にちょっと出てきます。
http://xml.coverpages.org/sgmlhist0.html

1960年代の終わりに、Stanley Riceというニューヨークの本のデザイナが、パラメータ化した編集構造タグという概念をだし、それに注目したGCA(現在は、Idealliance)のNorman Scharpfが、組版委員会の中に、一般化コーディング(GenCode)プロジェクトを起こしたのだそうです。

この委員会で、異なる種類の文書に異なる種類の一般コードが必要であり、小さな文書を組み合わせて大きな文書を作るということをGenCodeという概念にまとめたとのこと。それにしても1986年まではずいぶん時間がかかっています。

WikiPediaにも出てきます。
Markup language
William W. Tunnicliffe が"generic coding"を1967年の会議で提唱したと。

1960年代にマークアップ言語の源流が生まれたようですね。

マークアップ言語でドキュメントをマークアップすれば、今度は、それを整形・組版するソフトが必要になるのは、あたかも男と女がいて初めて、人類が繁殖するようなもの(?)。

マークアップ言語はGenCode-->SGML-->XMLと発展してきたことになりますが、組版レイアウト指定言語の方は、SGML時代のDSSSLからXML時代のXSL-FOという発展になるのでしょう。DSSSL以前はどうなっていたのか?これはまたそのうち調べてみよう。

1980年代半ばは、DTPが生まれて、1990年代を経て、現在はDTP全盛ともいえますが、その一方で、マークアップ言語による組版も平行して発展しています。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック