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2008年02月02日

PDFの限界

最近、いや、昔からかもしれませんが、PDFで配布した情報を、意図しない相手に勝手に流用されたくない、ということで、セキュリティを付けたいというご相談をよく受けます。

例えば、(1)PDFの有効期限を設定しておき、その有効期限を過ぎたら内容を見えなくしたい、とか、(2)PDFをAdobe Reader表示しても保存させないようにしたいなどはその代表的なものです。

このようなセキュリティ設定は、PDFの標準のセキュリティ・ハンドラではできません。

しかし、無論、現在のインターネット環境とソフトウエアの技術をもってすれば、実現できることです。例えば、DRM(Digital Rights Management)を使えば、かなりコントロールができます。そこまでいかなくても、Javascriptを使えばある程度擬似的に実現はできます。完璧ではないですが。

市販の商品やサービスでもこういうことを実現しているものがあります。

しかし、問題なのはPDFの表示には、ほとんどの人がAdobe Readerを使っていることです。従って、実際のところ、セキュリティの実現はAdobe Readerの機能に依存する部分が多いということになります。

このことは、いま実現できていることでも、Adobe Readerに依存している以上、将来、Adobe Readerの機能が変わってしまえば、どうなるか保障できなくなるということを意味します。

そんなことから、どうも、PDFは情報を配布したり、情報を交換するために必要な、セキュリティという部分にかなり大きな限界がある、と感じています。やはり、PDFの標準仕様として、セキュリティ関連機能をもっと強化する必要があるのでしょう。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック