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2007年07月22日

CSS 2.1漸く再び勧告候補となる

W3Cで仕様の策定作業中のCSSについてCSS2.1が7月20日に勧告候補となりました。勧告候補というのは、W3Cの基準では、仕様として安定し、実装を推奨する段階という意味です。これから、実装が進んで、2つ以上の実装が揃えば、勧告として認められることになります。2つ以上の実装とは相互運用性という意味と思いますが、標準仕様にするためにはこの基準をクリアしなければなりません。

仕様はこちらで公開されています。

Cascading Style Sheets Level 2 Revision 1 (CSS 2.1) Specification
W3C Candidate Recommendation 19 July 2007

CSS仕様策定の経過につきましては、以前にもブログで触れました。
2006年09月29日 XSL-FOとCSSの未来 (2) CSS仕様の迷走

あれから10ヶ月、ようやくCSS2.1が実装可能な段階となったことになり、ひとまずやれやれです。

CSS2.1は、CSS2.0を置き換えることが狙いです。2.0から2.1への変更点は、次のように述べられています。

1.1 CSS 2.1 vs CSS 2
http://www.w3.org/TR/CSS21/about.html#css2.1-v-css2
CSS2は1998年に勧告になり、様々な実装の経験を得た。これまで仕様の誤りについてはerrataを公開して正してきたが、実装経験に基づいて仕様を変更することは行ってこなかった。現在、CSS2には実装と互換性を妨げているという実状もある。そこでつぎのようにして状況に対処したい。
・CSS2の中で広く実装されている部分については、互換性を維持する。
・CSS2の全てのerrataを盛り込む。
・実装が、大幅にCSS2仕様から異なるものについては、広く受け入れられている実践に基づいて仕様を変更する。
・実装されていないということで、CSSのコミュニティに受け入れられなかった仕様は取り除く。
・CSS3の段階で、廃止される仕様を取り除くことで、CSS3が受け入れられやすくする。
・実装の経験上必要であることが分かった僅かの新しいプロパティ値を追加する。

このように、CSS2.1はCSS2.0の仕様をあえて縮小したり変更することで、実際により多く実装されて使われることを期待しているということになります。

CSS2.1が、W3Cの勧告になるには、2つ以上の実装が必要とされています。CSS1.0にない機能は、もし、二つの実装が現れなければ、勧告仕様になる段階で取り除かれることになるようです。

CSS2.0はかなり大きな仕様を拙速で作ったようですが、CSS2.1はこの軌道修正ということになります。

※参考資料
W3CにおけるCSS仕様策定の動向

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック