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2007年07月04日

電子帳簿保存法

先日、電子帳簿保存法について、国税局の担当者の説明会があって出席してみました。国税局の担当者の過激な発言がいろいろあって面白かったです。それにしてもビジネスの現実からはかけ離れたこともあります。

第一.見積書保存の問題
一番あきれたのは、法人税法施行規則(青色申告法人の決算)の第五十九条(帳簿書類の整理保存)についてのやり取りです。まず、第五十九条を紹介してみましょう。
第五十九条 青色申告法人は、次に掲げる帳簿書類を整理し、七年間、これを納税地に保存しなければならない。
一 第五十四条(取引に関する帳簿及び記載事項)に規定する帳簿並びに当該青色申告法人の資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引に関して作成されたその他の帳簿
二 棚卸し表、貸借対照表及び損益計算書並びに決算に関して作成されたその他の書類
三 取引に関して、相手方から受け取った注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他、これらに順ずる書類及び自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し

上で挙げた書類を7年間保管しなければならないのですが、その中で、送り状や見積書を保存しなければならないというのは、会場の参加者からも疑問の声が上がっていました。

そこで、いろいろ質問しましたが、驚いたのは、成立しない取引の見積書も保存しなければいけない、という回答です。

当日配布された資料には次のように書かれています。
『平成16年度に定期的に行った国税庁とJIIMAやJBMIAなど関係4団体との協議会の中で、国税庁担当官から見積書を例に上げて、「採用されなかった見積書でも保存の義務があり、これを電子化した場合、検索できなければならない。採用しなかった見積書を電子化文書にして保存しない場合は、当該の見積書を受領した相手方に確実に返却しなければならない。」との説明を受けている。』

成立しない取引の見積書保存の問題は、単に聞かれたから、やむを得ず回答したわけではなく、確信犯ということになります。

取引の定義が法人税法のどこにあるか、調べてみていませんが、常識的に考えて取引は資材とお金をやり取りすることと考えられます。普通、お金をやり取りしたことのない相手を取引先とは言わないでしょう。従って、成立しない取引は通常の意味では取引とは看做さないと思います。値引き交渉のために他の会社から見積もりとったり、また、一旦見積をとったうえで、予算にあわないという理由で購入をあきらめることもあります。こうした、交渉事はビジネスの世界では日常茶飯事です。そのような単なる交渉のための言ってみれば引合レベルの見積もり書までも7年保管しなければならないということであれば、あまりにも非現実的です。

それに、上述のアンダーラインの部分は、自己矛盾を露呈しています。つまり、自己の手元にあれば保存しなければならないが、返却すれば保存しなくても良いということですが、これを抽象化して言えば、保存しても保存しなくてもどちらでも良いということになります。

で、こうした初歩的な事柄からスタートして、電子帳簿保存法はなかなか大変だということが良く分かりました。

第二.電子帳簿保存法のみなし承認とは

みなし承認とは、税法及び電子帳簿保存法の趣旨・要件を、それぞれの納税者が申請したシステムが遵守していることを納税者自身が宣言するものである。自ら宣言した内容に違反や誤りがあれば青色申告法人を取り消す方針で望む

とあります。

特に、スキャナは問題で、紙をスキャナーで取って電子化し、オリジナルの紙を廃棄してしまったあと、国税庁の調査でシステムが電子帳簿保存法の要件を満たさないことが判明した場合、電子データがあったとしても、上述の第五十九条の保存の要件をみたしていない、書類が保存されていないということになります。従って、青色申告法人取り消しだそうです。

こういう話を聞いて、ああ、日本では紙がなくなる日は来ない!と言う感想を持ちました。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック