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2007年06月24日

PDFについてのQ&A — フォント埋め込みについて(基本の説明)

昨日と1昨日のお話を振り返ってみますと、いきなり技術的な核心をお話してしまったため、PDFについてある程度知識のある方でないと、眼が点になってしまったのではないかと思います。

そこで、反省して、PDFで文字を表示する基本について触れてみることにしました。この詳しい説明は、PDF Reference 1.7では「第5章 テキスト」(p.387~)の初めの部分に出てきます。

まず簡単に略図を示してみましょう。
20070624.PNG

この図で、「文字列」と表した部分は表示したい文字となります。ラテン・アルファベットはABCのような文字のまま保存できます。CJK文字は文字コードの並びで表現するのが一般的ですが、フォントのグリフIDの並びで表すこともできます。

文字列には、使用するフォント・オブジェクト、文字の大きさ、文字を表示する位置など様々な情報が付随しています。

フォント・オブジェクトは、ページに付随する資源辞書の中のフォント辞書に詳しい情報が定義されています。フォント辞書は、Type1、TrueType、CIDフォントなどのフォントの種類によって若干の差がありますが、フォントの種類やPostScript名、標準の幅、などを規定しているものです。

実際に文字を表示するためには、文字を表すグリフ・データ、フォントのメトリックスなどが必要ですが、これらの情報は、フォント・ファイルの中に含まれています。

フォント・ファイルは、コンピュータ上(Windows環境であれば、Windows/Fontsフォルダ内)にあったり、あるいは、アプリケーション独自のインストール・フォルダやアプリケーション内部にあります。

PDFにフォントを埋め込むと、埋め込み処理の際に、コンピュータ上のフォント・ファイルから必要最小限の情報が取り出されて、PDF内部に取り込まれます。これが、PDFへのフォント埋め込みです。

略図で示しますと次のようになります。
20070624-2.PNG

フォントを埋め込んでいないPDFでは、文字を表示するのに必要なフォント・ファイルがPDFの外側にありますが、フォントを埋め込むと必要最小限の情報がPDFに付随します。そこで、PDFを表示するViewerが埋め込んだフォントで文字を表示することができるならば文字化けなどが発生することがなくなることになります。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック