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2007年05月03日
PDFと署名(17) — e-Taxで使う電子証明書
昨日は、電子入札で使う電子証明書が、個人(自然人)の電子証明書になっていることが多いようで疑問を感じる、とお話しました。
もう少し調べてみますと、認定認証局によっては、電子署名法の施行規則で求めている手続き(個人の本人性確認のみ)の他に、所属する企業までを確認して電子入札用の電子証明書を発行するところも多いようです。実際のところ、電子入札などの政府・行政と法人間の取引行為に個人の電子証明書を使うというのは不合理なように思います。これは公私混同でもありますので、正さねばならない問題でしょう。
また、法務省の商業登記認証局では、法人代表者の電子証明書を発行していますので、電子入札では、そういうものを使う方向に進むかもしれませんね。
では、国税庁の電子申告・電子納税(e-Tax)で使う電子証明書はどうでしょうか?
e-Taxの場合、関与する税理士が申告する場合は、税理士の電子証明書でよいのですが、自己申告する場合は電子証明書が必要です。使える電子証明書は、次のものです。
・個人の申告等では、地方公共団体の公的個人認証サービス、 法務省が運営する「商業登記認証局」が発行するもの、認定認証局が発行するもの。
☞ 個人が利用可能な電子証明書には何がありますか。
・法人の申告等でも同じです。
☞ 法人が利用可能な電子証明書には何がありますか。
e-Taxでは、法人税の申告に代表者個人の電子証明書も使える、と明確に書いてあります。
☞ 商業登記認証局の発行する法人代表者の電子証明書は、法人代表者個人の所得税申告にも使用できますか。また、法人代表者個人の公的個人認証サービスなどの電子証明書は、法人税の申告に使用できますか。を参照。
法人税の申告に代表者個人の電子証明書を使うことができる根拠は、「法人税法では申告書に法人代表者の自署・押印」を求めていることだそうです。私の記憶では、紙で法人税関係の申告をする時の押印に使う印鑑は、三文判でも問題ないはずです。つまり、法人税の申告では電子証明書は三文判の延長としての役割を担っているのでしょう。このあたりに、税理士が関与した場合は、本人の電子署名が不要ということになる遠因があるのではないでしょうか。
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